「攻殻機動隊 SAC_2045」とは何なのか 神山×荒牧両監督へのインタビューから浮かび上がった“攻殻機動隊”

 今作でそれに当たるのは『1984』。英国作家、ジョージ・オーウェルが1948年に執筆した同作は、映画、音楽、文学、アートなどに多大なる影響を及ぼし続けるディストピアSF小説の金字塔。冒頭の世界情勢の説明でも、米帝のAIが似た名前で登場したり、サスティナブル・ウォーの説明が『1984』で描写されている永久戦争そのものだったりしますが、物語が進むにつれ、単にディストピアのモチーフとしただけではないことが分かります。

神山 (S.A.C.が出てきた)20年ほど前は、現実が豊かすぎてしんどいくらいでしたが、今はそんないい時代があったのかと言われるくらい現実が息苦しい。その中で、美しいファンタジーも見たくないというか、絵空事の中だけでいい思いをするのもリアルを感じないんじゃないかと。今の時代においては退廃的な社会の方にファンタジーを感じるんじゃないかと思うんです。

 そうした思いからスタートして、「今、『1984』を見てみたらどう見えるだろう」という考えがありました。最初は作品を作る上でのサブテキスト的な位置付けでしたが、今読むと全く違う感じで読み取れた。過去、幾度となく『1984』に影響を受けた作品が生まれてきた中で、こんなに読み替えられる時代が来たのかという新鮮な驚きがあります。それは作品を見てもらって皆さんに感じてもらえればと。

―― 私はS.A.C.シリーズのタイトルセンスも大好きですが、今作も変わらずいいなと思えました。第8話のタイトルが表示されたときは見進めるのをためらいましたし、最終話のタイトルも目に映る情報以上にさまざまな意味を内包させているように感じました。それが“Netflix”のことだとしたら? などと勝手に妄想したりしましたし、「2nd GIG」第11話の「草迷宮 -affection-」でいう郷愁の感じもあったり。神山監督が今作でお気に入りのタイトルはありますか?

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2020年4月23日の芸能総合記事

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