「攻殻機動隊 SAC_2045」とは何なのか 神山×荒牧両監督へのインタビューから浮かび上がった“攻殻機動隊”

―― “ドラマを表現”という言葉は、脚本やテーマ性が本質なのだとあらためて思いました。ただ、モーションキャプチャを取り入れたことで、全身義体の草薙素子や、強化サイボーグなどの驚異的な身体能力感はデフォルメを効かせやすいセル画と比べてもやや失われた気もしました。劇中に登場するポスト・ヒューマンがものすごくヌルヌルと動くシーンもありましたが、キャラによっていわゆる2コマ打ちにしたりしなかったりという違いがあるのでしょうか?

荒牧 いえ、あまりやってないですね。ポスト・ヒューマンもベースは人間なので、人間にできないことはできないですから。でも、極端ではないものの、素子の跳躍力などはそういう風にしていますね。おっしゃるような動きの部分はもう少しやりたいなと思ってはいます。

―― 「ULTRAMAN」もフル3DCG+モーションキャプチャでした。そこから得られた知見などはありますか?

神山 「ULTRAMAN」の方がモーションキャプチャでアクションを作ったものを膨らませやすかったですね。攻殻機動隊もアクションはあるけど地味。その地味なことをしっかりやるのが求められたりするわけですが。攻殻機動隊は群像劇というか、ワンシーンに人が多いので、そこをどう撮るかはテクニカルな部分でノウハウがたまっていて、実は大変なことをやっています。

●よみがえるジョージ・オーウェル

 J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のように、現実にある書籍がモチーフになることが多いS.A.C.シリーズ。「2nd GIG」でも架空の思想家、パトリック・シルベストルによる『初期革命評論集』の幻の1編として『個別の11人』が登場しますが、初期プロットでは三島由紀夫さんの『近代能楽集』がイメージされていたことが知られています。

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2020年4月23日の芸能総合記事

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