荒牧 いえ、あまりやってないですね。ポスト・ヒューマンもベースは人間なので、人間にできないことはできないですから。でも、極端ではないものの、素子の跳躍力などはそういう風にしていますね。おっしゃるような動きの部分はもう少しやりたいなと思ってはいます。
―― 「ULTRAMAN」もフル3DCG+モーションキャプチャでした。そこから得られた知見などはありますか?
神山 「ULTRAMAN」の方がモーションキャプチャでアクションを作ったものを膨らませやすかったですね。攻殻機動隊もアクションはあるけど地味。その地味なことをしっかりやるのが求められたりするわけですが。攻殻機動隊は群像劇というか、ワンシーンに人が多いので、そこをどう撮るかはテクニカルな部分でノウハウがたまっていて、実は大変なことをやっています。
●よみがえるジョージ・オーウェル
J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のように、現実にある書籍がモチーフになることが多いS.A.C.シリーズ。「2nd GIG」でも架空の思想家、パトリック・シルベストルによる『初期革命評論集』の幻の1編として『個別の11人』が登場しますが、初期プロットでは三島由紀夫さんの『近代能楽集』がイメージされていたことが知られています。