政府は29日、春の叙勲受章者4181人を発表した。榊原定征前経団連会長(77)や岡部喜代子(71)、鬼丸かおる(71)両元最高裁判事ら6人が旭日大綬章を受章。外国人叙勲でも旭日大綬章に米マイクロソフト共同創業者兼元CEOのビル・ゲイツ氏(64)ら2人が選ばれた。発令は29日付。

 旭日大綬章はほかに荻田伍アサヒグループホールディングス相談役(78)、竹歳誠前官房副長官(70)、常盤百樹元四国電力社長(78)。瑞宝大綬章は折木良一元統合幕僚長(70)、旭日重光章は万歳章元全国農業協同組合中央会(JA全中)会長(74)らに贈られる。

 芸術文化の分野では、芥川賞作家の宮本輝(本名宮本正仁)さん(73)、紬織(つむぎおり)作家で人間国宝の村上良子さん(70)らが旭日小綬章。アイヌ政策の推進に貢献した加藤忠北海道アイヌ協会理事長(81)も旭日小綬章が決まった。

 受章者の内訳は、大綬章7人、重光章38人、中綬章348人、小綬章953人、双光章1526人、単光章1309人。女性の受章者は412人(9.9%)で、2003年秋の叙勲制度改正以降、過去最多だった。

 16年に外国人叙勲の発令数を増やす方針が閣議了解され、17年秋以降は130〜140人台で推移。今回は57の国・地域の117人にとどまった。新型コロナウイルスの感染拡大が影響したとみられる。

 政府は、5月に皇居で親授式と伝達式を予定していたが、新型コロナの影響で延期。天皇陛下は例年、中綬章から単光章までの受章者と皇居で面会されるが、今回は中止が決まった。