アニメソングのシングルによくついているカラオケトラックを使って、元の音源からボーカル音だけを抽出する方法を紹介します。
基本操作
まず、歌入りのファイルとカラオケファイルを二つのトラックに読み込みます。次に、カラオケトラックの位相を反転させます。
最後に、波形を拡大して二つのトラックの位置をぴったり合わせます。
上の図だと下のトラックがちょっと後ろに行っているので、下のトラックをShiftキーを押しながら左にドラッグして上のトラックの波形とピッタリ同じになるように調整します。
これで、うまくいけば楽器の音がほとんど消えて声だけすっきり抜けます!
なお、1サンプル分(1/44100秒)ほどズレただけでも全く抜けません。慎重に!
さらにキレイに抜く
Reaper付属のエフェクトを使うことで、さらにキレイに抜き出すことができます。いくつか方法がありますが、どれが有効なのかはケースバイケースですので、いろいろ試してみてください。
不要な周波数帯域を削る
まず、ボーカルに含まれないであろう低域を削ります。ReaFIRをEQモードで使うと便利です。女声なら200hz程度、男声なら150hz程度でしょうか。曲や人によって違うので聴きながら調整してみてください。
ノイズ除去を施す
ReaFIRのノイズ除去機能を使って、楽器の音を全てノイズ帯域として扱えば、かなりの楽器音を除去することができます。まず、マスタートラックにReaFIRを読み込みます。
ReaFIRをSubtractモードにします。
Automatically build noise profileにチェックを入れ、イントロや間奏など楽器だけの部分を再生します。
FFT Sizeを大きくしておいた方が良いみたいですが、PCの処理能力と相談で。
ある程度ノイズプロファイルが作成できたら、再生を停止してAutomatically...のチェックを外す。
これで歌だけの部分を再生してみると、楽器の音(ノイズ)がかなり除去されていると思います。
なお、プロファイルの作成が終わったらFFT Sizeは4096とか8192くらいに戻してあげた方が良いです。
小さい音を無音にする
普通に抜いただけの状態では、声以外の楽器の音が微妙に残っています。ですが、声の音量に比べてだいぶ小さいので、ReaGateを使って小さい音を全て無音としてしまえばほとんど消してしまうことができます。
スレッショルドの値は聴きながら調整してください。