【ゲーム】ガラージュ

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ガラージュ』は1999年にWindows用に発売されたゲームです。


ゲームジャンルはアドベンチャーです。
海外の名作アドベンチャーMYST』に似た作品であり、いわゆるMYST系(MYSTクローン)の一つです。


1993年に『MYST』が発売し世界中で大ヒットしてからは、他社からも類似したMYST系作品が次々と発売されます。
1997年の『アトランティス』は、全方向360度パノラマ視点を実現し、グラフィック面で強いインパクトを残した作品です。
同じく1997年の本家MYSTの続編『RIVEN』は、MYSTの持つ理路整然とした謎解きを極めた作品です。


1997年のこれらのインパクトある作品以降は、質や量を高める変化はあっても、衝撃的な変化はないようです。
(この辺はADVGAMERさんの記事を読んだ受け売りです。)
しかし、そうした革新的な変化はなくても、独自の世界観でファンを獲得した作品も存在します。
その一つが1999年に発売したこの『ガラージュ』です。


MYST系の作品となると、CGで表現された美麗なグラフィックと独自の世界観が魅力です。
そのためMYST系作品のほとんどは、技術力の高い海外の作品になります。
しかし、本作は数少ない日本製の作品であり、国産MYST系の中でも最高傑作とされる作品です。


MYST系の名作と呼ばれる作品は、どれも他にはない独自の世界観を築いていて、優れたファンタジーでもあります。
本作もまた、それらの作品に負けない独自の世界観を築いていて、強烈な個性を放っています。
むしろ、あまりにも強烈すぎて唯一無二の領域に至っています。
芸術家の作場知生さんが手がけたこの世界観こそが本作最大の魅力です。


ゲームを開始してすぐ、プレイヤーは暗く異常な世界に放り込まれます。
主人公やこの世界の住人は人間ではなく、内燃機関蒸気機関を備えた不気味な生体機械です。
そんな暗さと不気味さを濃縮したような閉鎖された世界を探索して、主人公はこの世界からの脱出を目指します。
その過程で、この世界の成り立ち、真実へと近付いていきます。


ストーリーは主に、この不気味な住人たちと会話することで進んでいきます。
会話を重ねていくと次の章に進み、章によって各キャラの会話も変化します。
キャラクターは40体以上登場し、メインのストーリーを追っていく以外にも、それぞれのキャラのストーリーを楽しむこともできます。
また、本作には時間の概念があり、それぞれのキャラにはタイムテーブルが存在します。
特定の時間でしか会えないキャラもいるので、行動する時間も考える必要があります。


各地にはさまざまなギミックがあり、画面内をあちこちクリックすれば、いろんなアイテムも手に入ります。
ストーリーに密接に関わっているアイテムもあり、いろいろ調べると世界観の理解がより深まり、作品世界により没入できます。
謎解きも歯ごたえがあり、アドベンチャーゲーム好きが十分に楽しめる内容です。


また、謎を解いていく探索要素の他にも、主人公にはパラメーターが設定されていて、それを強化していく育成要素もあります。
疲労により順応度が下がると、オトヌケ・ウデヌケという状態になり、会話ができない、またはセーブができなくなり、ゼロになると解体してゲームオーバーです。
燃料である白瓦斯は、移動により消費され、こちらもゼロになるとゲームオーバーです。


プレイヤーは探索しつつ、これらのパラメーターを管理しなければいけません。
消費したパラメーターはお店で回復できますし、身体を改造することでパラメーターを強化することもできます。
物語を進めるためには、より広い範囲の探索ができるように、主人公を強化しなければいけません。


そのためには、この世界での通貨であるスタンプが必要です。
スタンプは蛙や蟹を捕まえて交換できます。
ビンドウを仕掛けて蟹を捕まえて、その蟹を餌にして蛙を釣ることができます。
この蛙釣りがミニゲームになっていて面白かったですね。
クリア後もレアな大物を捕まえたり、収入要素もあるので、やり込みも楽しめます。


MYST系において重要な独自の世界観、やり応えのあるゲーム性、どちらも優れている素晴らしい作品でした。
世界観があまりにも独特なため、どうしても人を選ぶ作品ですが、ハマる人はとことんハマる作品です。


本作は現在かなりプレミア化しているため、入手はかなり困難です。
私も最近になって購入したのですが、一本のゲームに使った金額としては、私の人生で最高額ですねw
それでもこの作品を手に入れられて良かったですし、この暗く異常な世界にドップリのめり込みました。


まさに国内MYST系の最高傑作の名に恥じない作品でした。
評価は10点か9点で迷いましたが、海外のMYST系作品との比較から9点にしています。
それでも、海外の本場のMYST系に負けない独自のセンスを感じられる貴重な国産ゲームでした。
これほど個性的でありながらゲームとしてもやり応えがあり楽しめるので、限りなく10点に近い9点といった感じです。
なんにせよこの作品をプレイできて良かったです。


評価 : ☆☆☆☆☆

Add Stari47_rozraynurumayuchanglie774appiiie
  • katan

    プレイできたんですね、おめでとうございます!
    価格も凄いけど、入手自体困難ですからね。

    本作については、世界観は文句なしで、ただ、操作系とかプレイ感覚が、96~97年くらいの作品という印象でした。
    だからもし、本作が97年に発売されていたら、間違いなく傑作と判断していたと思います。
    99年は、海外ではTLJが発売されるなど、ADVの情勢も変わってきていましたので、私の場合、それもあって、本作に対する評価は辛めになっています。
    でも、オンリーワンの雰囲気を持った素晴らしい作品であることは間違いないですからね。多くの人に知ってもらいたい作品ですよね。

  • yukimura (id:yukimurax)

    念願叶ってプレイできましたよ。
    高かったですが後悔はありません!

    世界観はずば抜けて良かったですね。
    ゲームにおける奇ゲーを挙げる場合、本作はまさに避けて通れない存在だと思います。

    評価する場合、最高とまではいかない要因は、やはり技術的な驚きは少ないところですね。
    あとは私の場合、今までも好きな作品の点数をサービスしがちだったので、もうちょっと厳しくしようって感じですw
    (余談ですが、また今度、自分用も兼ねて採点の基準をまとめた雑記を掲載しようかと考えています。)

    それでも、奇ゲー好き、アドベンチャー好きなら是非やってほしいですね。
    個人的にも、これは手放せないと思える素晴らしい作品でした。

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