ボリューム満点!サバ缶で春のキャベツを味わう味噌汁

買い物の回数を抑えたい今日この頃。魚の缶詰を利用して、旬の野菜をたっぷり味わう味噌汁をご紹介します。柔らかく甘いキャベツは、1/4個がペロリと食べられます。レシピはサバ缶とキャベツですが、ほかの組み合わせでもOK。ぜひお試しください。

ストックできる魚の缶詰を使って、だしなしで作る

おかずがちょっと足りない…そんなときに、汁物でボリューム感を出す方法を覚えておくと、日々の献立作りがとても気楽になります。今日ご紹介するのは、キャベツを1/4個、一気に食べ切る味噌汁。蒸し煮することでかさを減らすので、無理なくたくさん食べられます。

キャベツに合わせるのは、サバ缶です。食べごたえが出るだけでなく、だしを使わず味噌汁がスピーディに作れるのです。缶詰は家にストックしておけますから、いよいよ冷蔵庫に何もない!というときにも重宝するレシピです。イワシ缶やさんま缶、ツナ缶、鮭缶、あるいはあさり缶など、ほかの魚介の缶詰で応用がきくのも嬉しいところ。

サバのうまみと味噌の香りが、柔らかく煮えたキャベツとよく合います。ごはんの進むごちそう味噌汁、大きめのお椀でたくさん食べてくださいね。


キャベツどっさり味噌汁

材料(2人分) 所要時間12分

キャベツ 1/4個
サバ水煮缶詰 1個
味噌 大さじ2~3
ごま油 少量
水 550~600mL

作り方

1.キャベツをちぎる
キャベツ1/4個は手で食べやすい大きさにちぎる。

2.キャベツを蒸し煮する
キャベツを鍋に入れ、水100mLとごま油少々を加え、蓋をきっちりして中火で約5~6分蒸し煮する。★1

3.サバを入れ、味噌で味をつける
キャベツがやわらかくなったら、水気を切ったサバと水450~500mLを加えてあたため、味噌を溶き入れる。★2


レシピのポイント解説

・キャベツの蒸し煮
・サバ缶について

★1 キャベツの蒸し煮

キャベツを水から煮るのではなく、蒸し煮にするのが、このレシピのポイントです。キャベツは買うとなかなか食べきれない…という声も多い野菜ですが、少量の水を入れ、ふたをしっかりできる鍋で蒸し煮すると、かさが減るだけでなくキャベツの甘みとうまみが感じられ、実にたくさんの量を食べられます。

キャベツは、手で適当な大きさにちぎります。ちぎるときに、葉脈と葉脈の間をちぎるよう、意識してみましょう。


なるべく葉脈の間を切るとおいしく食べられる

この時点ではちょっと大きめかなと思っても、蒸し煮すれば小さくなりますから大丈夫。ただ、芯だけはそのままだと煮えにくいため、薄切りにします。ちぎったらザルに入れ、さっと洗いましょう。


芯は薄切りに。煮え具合が葉と一緒になる

洗ったキャベツを鍋に入れます。写真の鍋は径16センチと小さめなのでぎりぎり。もう少し大きい鍋だと楽ですが、ふたがぴたっとできれば多少ぎゅうぎゅうでも大丈夫です。ごま油を少量と水を100mL入れて、ふたをしたら中火にかけます。


はみ出す場合は、もう少し大きな鍋を使う

この状態で5分ほど蒸し煮すると、キャベツのかさがぐっと減ります。


途中、水がなくなっていないかだけ確認しましょう。水がまったくなくなっていたら焦げ付かないよう少量足す

キャベツのかさが減ってやわらかくなったら、このまま味噌汁に仕上げていきましょう。


5~6分でかさが2/3ぐらいに減ったらOK

★2サバ缶について

サバの水煮缶を加えます。水煮缶の煮汁は入れてもよいのですが、はがれた細かい皮が入っていたり、多少の缶臭さが気になることがあるため、私は捨てています。

サバを入れたらここに水をさらに450~500mLほど加えます。キャベツのもともとの量によって、多少調節してください。そのままあたため、沸騰したら味噌を溶きながら加えてできあがり。好みで七味をふります。


サバ缶にも多少塩気があるので、味噌は薄めにして味見をしながら調節

キャベツで春の養生を

4月になると、秋に種をまいた春キャベツが出回ります。冬のかっちりしたキャベツと比べると、巻きがゆるく、ふわっとやわらかい葉が特長。みずみずしく生食にも向いています。
キャベツには通称キャベジンと呼ばれるビタミンUが含まれています。胃腸のはたらきを助けますが、熱に弱いので、短時間でパッと作れる味噌汁はいいですね。作りたてを食べましょう!

しょうがのすりおろしをのせてもさわやかです。サバの臭みが気になる人は、やってみてください。


【アレンジ】おうちにある材料で臨機応変に

買い物の回数を減らすために、ある程度日持ちのする食材を中心に買っている人も多いと思います。常温で置いておけて手軽な魚の缶詰は、非常に便利ですよね。

とはいえ、サバ缶でなくては作れないわけではありません。
この味噌汁は「葉野菜」+「魚缶詰」+「調味料」という3つの構成要素で作られています。ですから、「魚の缶詰」は、イワシ缶や鮭缶、ツナ缶、またあさりの缶詰などに置き換えてもいいのです。サバ味噌煮缶で作れば、ちょっと甘めのご飯が進む味噌汁になります。(この場合は水煮缶のときよりはさらに味噌は少なめに)

これじゃなきゃダメ!という感覚を外して、一つずつ変えてみると、自分の好みの味がみつかるはずです。いろいろチャレンジしてみてくださいね。

いわし缶とキャベツの味噌汁

サバよりもやわらかく小さいイワシもみそ汁の具としていいものだと思います。にんにくのすりおろしをちょっと入れてみました。

たっぷり野菜とサバ缶の味噌汁

「葉野菜」のほうを変えてもOKです。キャベツを白菜や小松菜、菜の花、チンゲンサイなどにしてもいいですよね。ほうれんそうはアクがあるので、この味噌汁にはあまり向かないかと思います。

こちらは、野菜を増やしたパターンです。キャベツを中心に、にんじん、長ねぎ、いんげんを入れました。にんじんだけは火が通るのに時間がかかるので、ごく薄切りにするか、またはレンジであらかじめ下ごしらえしておくといいと思います。

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スープ・レッスン

有賀薫

野菜、お好きですか? おいしい旬の野菜を手に入れたら、ぜひシンプルなスープで味わってみてください。旬の野菜をたっぷり食べる、究極のベーシック・スープをスープ作家の有賀薫さんが教えててくれます。

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