横浜六浦教室からのメッセージ
ファシズムの14の初期警報~クローニズムとネポティズム
2019.12.21
公務員は国民全体の奉仕者です。いま、官僚の矜持や使命感が貶められている状況に
あると思います。歪んだ政治によって、公正公平・中立で透明であるべき行政が、
歪められているのではないかと思っています。行政の劣化とか腐敗と呼ばれる状況は、
政治が変わらなければ、政治の責任です。
アメリカのワシントンに「ホロコースト記念館」があります。そこに展示されている
政治学者ローレンス・ブリットの言葉に「ファシズムの14の初期警報」があります。
1.強大で執拗な国家主義の宣伝
2.人権の重要性の蔑視
3.団結のための敵/スケープゴートづくり
4.軍隊の優位性/熱烈な軍国主義
5.性差別の蔓延
6.マスメディアの統制
7.国家の治安への執着
8.宗教と支配層エリートの癒着
9.企業権力の保護
10.労働者の力の抑圧もしくは排除
11.知性と芸術の軽視と抑圧
12.犯罪取り締まりと刑罰への執着
13.縁故主義と汚職の蔓延
14.不正選挙
今年、元号が平成から令和になりましたが、どんな1年だったでしょうか?
14の初期警報のうち、かなりの項目が当てはまっているような気がしませんか?
権力の縁故主義、つまり「お友達優遇」が蔓延(はびこ)っていませんか?
東南アジアの政治風土の特徴の一つとして指摘されるのが、権力者が身内や取り巻きを
重用する「縁故主義」です。一般的に、特別扱いされる対象が、友人や知人の場合を
「クローニズム」(=Cronyism)、家族や親族なら「ネポティズム」(=Nepotism)と呼びます。
「縁故主義」とは、社会学では、同じ共同体に属する人間の意見ばかりを尊重し、
排他的な思想に偏る内集団偏向をを指しています。権力者はしばしば縁故者を
自らの側近や部下として配することで知られています。