安倍晋三政権時に不審な死を記録していた人びと

「安倍政権にかかわって不審な死を遂げた人物一覧」を考える,「邪魔者は▼せ!」ということか

                   (2018年10月15日)

 

 要点:1 不審・不可解な死をとげた人たちの一覧,それも安倍晋三政権下の話題として

 要点:2 議論も対話もできず,ひたすら逃げまわるのが仕事である「世襲3代目のボンボン政治屋」が,いまもまだ首相を担当するという「この国のとてつもない不幸・不運」


 「安倍政権に関わって不審な死を遂げた人物一覧」(『ガラパゴス速報』2018年だが,具体的な諸日付は以下の記述中に順次掲出,https://galapgs.com/economics/politics/domestic/abeseiken-fushinshi/

   Twitter まとめ & はてな村ウォッチ ★

 森友学園問題で近畿財務局の職員・赤木俊夫氏が〔2018年3月8日〕自殺をしたことで,過去に安倍政権にかかわって不審な死を遂げた人物がクローズアップされてきました。

 1) ike1962@8icsRtq8Pz2NoMi の「事前の説明」
 安倍,自殺者続出内閣…  逆らうと死ぬんだ。だから皆腰がひけてるのか。Twitter ではこのようなかたちで,不審死を遂げた人物,もっといえば「安倍政権に暗殺された疑いがある人物」の一覧が出まわっています。この記事では,不審死リストから,安倍政権とのかかわりが深い人物を選んで,その背景や暗殺の疑いについて考察するツイートをまとめてみました。

 2) 2006年「竹中省吾 裁判官」
 「住民基本台帳違憲判決を出した」。2006年12月3日,第1次安倍政権時の不審死。竹中省吾裁判官,住基ネット(いまのマイナンバーの前身)に「違憲」判決を出した3日後に自殺。パソコンラックに結びつけたかばんのベルトで首をつって死亡(?)。パソコンラックでどうやって首を吊るのか(?)。重みでラックが倒れると思うが。

 3) 2006年「鈴木啓一 朝日新聞記者」
 1988年リクルート事件のスクープをするなど,朝日新聞の看板記者であった。りそな銀行による自民党への政治献金が10倍になっていることを記事にし,東京湾に浮かぶ。

  ◆ まこつ@makomako210 「@masanorinaito 鈴木啓一氏 享年48歳 朝日新聞論説委員 2006年12月17日に東京湾に浮かんでいたところを発見され,「自殺」として処理された。最後の記事は,死の翌日同紙に掲載された,「りそな銀行自民党への融資残高3年で10倍」のスクープ 何言っても消されない? そうかなぁ~・・・」。
 2017年10月17日 22:04:02

  ◆ Yasu@noosa_noosa 「鈴木啓一 2006.12.17 朝日新聞論説委員リクルート事件解明のきっかけとなる,川崎市助役への未公開株譲渡スクープなど朝日の看板記者だった。2006年12月17日,東京湾に浮かんでいるところを発見され,自殺とされた」。
 2017年02月27日 00:55:49

 4) 2007年「石井 誠 読売新聞政治部記者」
 郵政民営化竹中平蔵氏の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」が進めるNHKの組織改革,NTT出版の解体などについて批判的な記事を多数執筆していた。

  ◆ まこつ@makomako210 「読売政治部記者の石井 誠氏が変死 自宅で手錠&口の中に靴下が詰めこまれた状態でその上から粘着テープをはってあった 後ろ手に回した両手には手錠,左手に手錠の鍵をもっていた 頭部を玄関方向に向けており,左側体部を下にした状態で,上下の服は着ていたSMプレー中の事故死と処理  警察ちゃんとしろ」。
 2018年01月13日 00:02:08

  ◆ 原(安倍政権は緊縮財政)財政出動しろ@adjajplpdxg  「@okura_yamakawa @tsushimaneko1 @vostrool @nyanpechan @xv22tacica 石井 誠って人の自殺もおかしかったな。読売新聞政治部記者。後ろ手にした両手に手錠をかけ, 口の中に靴下が詰まった状態で死んでいるのがみつかったにもかかわらず事件性がないとの警察の判断で捜査打ち切り。石井記者は,郵政民営化やNTT出版解体に対する批判記事を書いていたらしい。
 2018年01月06日 22:36:51

 5) 2007年「松岡利勝 農水相
 2007年5月28日,衆議院議員宿舎(新赤坂宿舎)の自室(1102号室)で首を吊って心肺停止状態となっているところを発見され,搬送先の慶応義塾大学病院で死亡が確認された。現職国務大臣の自殺は日本国憲法下の日本では初めてのことであった。

  ◆ 木下黄太@KinositaKouta 「戦後の現職国務大臣の自殺は,2007年の松岡利勝農林水産大臣の自殺があるだけ。この時は松岡大臣についての献金問題などお金の問題の報道が相次ぎ,レイムダック状態になっていて,赤坂の議員宿舎で首つり自殺。類例がない。松下氏がなにか追いつめられていたと社会的に分かることは,少ない。
 2012年09月10日 18:26:21

  ◆ Bell Boyd@Bell_Boyd 「松岡利勝議員宿舎ですでに死亡していた。変死扱いで司法解剖が必要になる。司法解剖させないためにはなんとしても「病院内での死亡確認」が必要。小泉の顔の利く慶応に事前に根回し。そして歌手の死亡でTVがわんさか集まっているところでパフォをおこなう。 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20100406/1270496070」。
 2012年06月22日 07:47:35

  ◆ Libertarianism@yosizou_k 「松岡利勝 2007.5.38 自殺には謎が多すぎる。もともとこの人は腹黒一色だったのだろう。だが,BSEに汚染された米国毒牛輸入の解禁には抵抗を続けた。邪魔になって米国に暗殺されたという説は根強い」。
 2010年08月20日 20:50:46

  ◆ interceptor@INTERCEPTOR_24 「もう皆忘れただろうけど,ナントカ還元水松岡利勝が新築議員宿舎の自分の部屋で犬のリードに繋がれてテルテル坊主にされた暗殺事件は,農林中金他を狙った米金融が邪魔者として処分したもの。ZARD坂井自殺で目眩まし。@higeoti @kumaboon @osiete_tukachan」
 2014年06月21日 07:24:56

 6) 2007年「山崎進緑資源機構元理事」
 「マンションから転落死」。2007年に松岡利勝農林水産大臣らに政治献金をしていた疑惑が浮上。5月26日に官製談合疑惑で自宅を家宅捜索し,同日から28日まで事情聴取。28日,松岡は自殺。山崎は29日午前5時過ぎ,森林開発公団による官製談合事件の調査のさなかに投身自殺した。午後から聴取をおこなう予定だった。

  ◆ 非一般ニュースはアカウント凍結@kininaru2014111 「第1次安倍政権時の不審死。緑資源機構山崎進一元理事 自殺。2007年に松岡利勝農林水産大臣らに政治献金をしていた疑惑が浮上。5月26日に官製談合疑惑で自宅を家宅捜索。28日,松岡は自殺。山崎は29日午前5時過ぎ,森林開発公団による官製談合事件の調査のさなかに投身自殺した。

  ◆ 新井 熊@NestFrancais 「森友問題対応の近畿財務局職員 安倍政権ではよくあること。 緑資源機構談合事件 2007年5月18日に松岡利勝農林水産大臣の地元事務所関係者が自殺。5月28日には松岡利勝農林水産大臣が自殺。 29日には,同疑惑に関連して捜査を受けていた山崎進一が自殺」。
 2018年03月09日 13:45:27

 7) 2013年「加賀美正人 内閣情報調査室参事官」
 外務省ロシア担当キャリア。練炭自殺。

  ◆ Yasu@noosa_noosa 「恵比寿にあるマンションの浴室で,内閣情報調査室の加賀美正人参事官(50歳)が死亡しているのがみつかった。浴室内で練炭がたかれた跡があり,当局は自殺とみて調べている」
 2015年06月19日 00:58:58

  ◆ EEE-Reporter@EEERepoter 「★『官僚の罠』佐藤 優 「2013年04月17日 内閣参事官の加賀美正人氏が,都内自宅の浴室で遺体で発見された。状況から練炭自殺をしたのではないかとみられている。加賀美氏は,ロシアスクールに属するキャリア職員・・・加賀美正人氏は「鈴木宗男にぶん殴られた」と嘘の発言」 。
 2014年03月01日 20:25:09

 8) 2013年「ガチャ規制を推進していた 神宮司史彦」
 消費者庁審議官,妻と一緒に飛び降り自殺。

  ◆ 概念主義者 ニートリアージ 我輩は猫以下@tokoroten510 「消費者庁審議官の神宮司史彦(じんぐうじ・ふみひこ)(52歳)と妻(53歳)で,搬送先の病院でいずれも死亡が確認された。部屋から妻が書いたとみられる遺書がみつかった。家庭内のトラブルが記されており,同署は2人が飛び降り自殺を図ったとみている(毎日新聞)」 。
 2017年12月02日 13:29:16

  ◆ めび◢ ◤ @Meb1us0ne 「ソシャゲと暴力団の関係って結構深いのかねぇ・・・ グリーとかも色々やってそう,件のコンプガチャ消費者庁審議官夫婦 飛び降り自殺で離れた場所にワープってやつとか」
 2016年02月07日 16:02:46

  ◆ きっこのよ@drtyoppst 「グラブルグランブルーファンタジー〕で話題になってるけど,ソシャゲといえばそこらの法律整備しようとした消費者庁審議官が夫婦揃って謎ワープ自殺をしたのが印象的だな。実のところどうなんでしょうね。それも,コンプガチャ自体は報道されまくったのに,この謎自殺についてはあんま報道されてた記憶がない」。
 2016年01月09日 20:53:34

  ◆ でぃ~ね@馬鹿発見器@dhi_ne4 「@tachikin_dqx 2013年の事件だべね~ 消費者庁のナンバー3の官僚が自殺 奥様も自殺 同じ日に自殺だけど別々の場所で自殺 うん 事件性はないですよね(白目)」。
 2018年01月26日 18:03:11

 9) 2013年「神宮司史彦 消費者庁審議官」( 8) と同上なので,はぶく) 

 10) 2014年「岩路真樹 報道ステーションディレクター」
 原発問題を追っていた報道ステーションディレクター。部屋のドアを目張りして練炭自殺。生前,「自分は絶対自殺しない,死んだら消されたと思ってください」といっていた。

  ボビー・ブラウン@po_jama_people 「岩路真樹 2014.8.30 TV朝日「報道ステーション」ディレクター,甲状腺被爆の関係や手抜き除染等の番組制作,→「自殺」,これを追求しようとした写真週刊誌フラッシュは当該号販売中止」。
 2018年03月09日 11:06:45

  ◆ 不正選挙監視団@rigged_election 「岩路真樹ディレクターの不審死:「原発関連のニュースをきょうも放送できませんでした。時間がなくなったからです。申しわけありませんでした」。テロップの「時間(じま)が無くなったからです」は,「(岩)路真(樹)が亡くなったからです」の意」。
 2018年01月22日 12:00:02 

  ◆ NORI.T@o_kaa 「岩路真樹ディレクターが命がけで取材した映像。 #被曝被害 身の危険を感じるが突然死や自殺にされたくないという人は「私が死んだら殺されたと思ってください」宣言が必要かも?!」
 2018年01月14日 12:22:18

 11) 2015年「神原紀之 内閣参事」
 特定秘密保護を治安維持法と批判していた。屋久島の岩場で死体でみつかる。

  ◆ しらゆき@nam1975 「内閣府参事官 …どう考えても消されたよね。 なんで台風接近時の屋久島に1人で登山行くんだよw」。
 2015年07月25日 09:38:30

  ◆ 霊山エリザベス日記@h27a376788r3ey7 「内閣府参事官な神原紀之が変な場所で死んでたらしいが。公安はマタマタ煮え湯を飲まされたわけだ。中川昭一が×されたときには警察は愕然としたとの噂があるが多分本当。なりすまし集団・清和会台頭以降は酷すぎるな」。
 2015年07月27日 09:56:26

 12) 2016年「自民党山田賢司議員の秘書」
 山田議員の不正を週刊誌に告発した秘書が「検察にいく」といい残し,練炭自殺。
 2017年10月17日 21:48:29

 13) 2016年「UR所管国交省職員」
 甘利大臣が入院したのち,合同庁舎3号館より飛び降り自殺。

  ◆ 対米独立!!@qsatoh 「8月の時効まで死んだふりするつもりの甘利 明。UR問題が出てから,国交省の若手職員が庁舎で飛び降りてのがあった(自殺???)。直の担当者だったって噂もあった。舛添もカスだが,甘利の方がはるかに悪質」。
 2016年05月12日 13:44:58

 14) 2017年「秋山 肇 社長」
 森友学園問題で疑惑の小学校から残土搬出を請け負っていた会社,田中造園土木の社長。

  ◆ りんりん@mairairmai27 「@16thmooncafe @8icsRtq8Pz2NoMi 森友学園の8億円値引きの根拠となった残土処理を請け負っていた,藤原工業の下請けの「田中造園土木の秋山肇社長」ですよね…警察は(豊中市役所のトイレで?)自殺として処理,家族は心臓発作と主張が食い違っていた状態にもかかわらず,亡くなった翌日にはお通夜をされていたという不可解な話です」。
 2018年01月13日 07:05:46

  ◆ 100%GOVOTE ALL Japan@100_govote 「【近畿財務局職員が自殺=「森友」交渉に関与か】 これ,冗談じゃないですね … 昨年の造園業者,秋山 肇さんは「国にいわれて埋め戻しした」と証言した翌日,豊中市役所のトイレで「首吊り自殺」してたとされる「事件」が頭をよぎりました。 この方のご冥福をお祈り致します」。
 2018年03月09日 16:15:55

  ◆ 兵頭正俊@hyodo_masatoshi 「森友学園事件には,現場ルートと呼ぶべきものがある。このルートには,酒井康生弁護士や藤原浩一(藤原工業代表取締役),秋山 肇などがいる。秋山は,3月6日に暗殺された。遺体に喉をかきむしったあとがあり,ここから立花孝志(「NHKから国民を守る党」代表)の毒殺説が出てきた」。
 2017年05月17日 21:35:52

  ◆ 兵頭正俊@hyodo_masatoshi 「今回の籠池のメール暴露は,田中造園土木の秋山肇が,『毎日新聞』の取材に,「国にいわれて埋め戻しした」と証言したこととの整合性を証明するものだ。秋山は,ゴミがなかったことを証言していたのであり,これ以上喋られると困る勢力に,口を封じられたのだ。
 2017年05月17日 21:51:28

  ◆ 兵頭正俊@hyodo_masatoshi 「秋山 肇の他殺説の根拠。 ① 日頃から自殺をするような人物ではなかったこと。② 遺書がなかったこと。③ 死の前日に『毎日新聞』のインタビューを受けて,「国にゴミは掘り起こす必要はないと指示された」と語っていたこと。③が,敷地にゴミはなかったとする籠池の暴露と繋がる」。
 2017年05月17日 22:28:31

 15) 2018年「赤木俊夫 近畿財務局上席国有財産管理官」
 「森友学園問題に関連した池田靖近財統括官の直属の部下。神戸市内の自宅で首をつって死亡していた」。

  ◆ JPno_Trump@JPno_Trump 「佐川長官が辞任へ。森友問題「混乱の責任」か(!?) そして,森友の国有地売却問題で対応の,書き換え役の近財職員が自殺「原本」と遺書みつかる。赤木俊夫(近畿財務局職員)が7日に自宅で自殺(共同通信)。赤木氏は払い下げの価格交渉で汚れ役を一身に背負わされていた池田靖統括官の直属の部下だった」。
 2018年03月09日 18:00:05

  ◆ せやからゆうたろう@smkoriki 「自殺したのは赤木俊夫・上席国有財産管理官。赤木氏は,払い下げの価格交渉で汚れ役を一身に背負わされていた池田靖統括官の直属の部下だった。氏の自宅となっている神戸市内の国家公務員宿舎には「改ざん前の原本」と「遺書」があったとされる。赤木氏は問題の文書改ざんに直接関わっていた」。
 2018年03月09日 23:23:06

  ◆ やのっち (。・ɜ・) d@_yanocchi0519 「近畿財務局の上席調査官・赤木俊夫氏が死亡した事件。赤木氏は森友文書を朝日新聞にリークした人という情報も出ている。この役職の人が他人ごとの森友学園問題で自殺などするはずがない。口封じで殺されたとみるべき。仮に自殺だとしても,安倍晋三と昭恵さえいなければ,彼が絶命することはなかった」。
 2018年03月09日 20:16:51

  ◆ 津やま@chindonsyan 「@_yanocchi0519 @nunnun106 赤木俊夫氏は事情聴取されていた。捜査当局は「こいつはベラベラ喋る」という印象をもったのかも? 他殺の疑いのある事件なのに「自殺」だと公表することが不自然。警察ルートの殺人事件」。
 2018年03月09日 21:02:17
 (引用終わり)

 以上の長々と引用しておいたが,とくに,森友学園問題にかかわって安倍晋三首相夫妻をめぐる “なにやらきな臭い話題” が連々とツイートされており,特定のそれも「いくつもの」「死亡事件発生」に注目が集まっていた。

 実は,以上に紹介した文章は,昨日〔2018年10月14日〕の晩にみつけていたが,本日〔10月15日〕の『朝日新聞』朝刊に掲載されたつぎの「特集・解説記事」をみたのを機に,もう一度探り出しては,なるべく読みやすくする工夫をくわえ,転載してみた。

 日本国は,以前からどのような根拠がみいだせるのか不詳であったが,非常に治安のいい国だという自己評定があった。だが,この国もまた,反社会的集団(暴力団関係)の存在そのものよりも増して,国家権力じたいが非合法的に「自分たちの立場・利害」にとって都合が悪いとみなした人たちを隠密裡に抹殺(殺人)してきた事実は,あらためていうまでもなく,一定の信憑性をもちうる「事実=真実」といえる。

 国家:権力側がじかに,それもひそかに手を下す裏・影の犯罪であるから,その犯行はなかなか証拠をみつけにくい。しかも,そのほとんどが密室的・暗闇的に実行・処分されているだけでなく,表面的には警察当局が事件あつかいせず,殺人事件とはみなしていないで始末・封印されている。

 以上の ① の引用は,なかでも安倍晋三政権にかかわっていて,それも国家による殺人行為と疑われてもおかしくない諸事件(すべて自殺と片づけられてきたもの)が紹介されていた。安倍夫婦が深く関与してきた「例の森友学園問題(国有地払い下げ)」に関連のある不審な事件も登場していた。

 

 朝日新聞』2018年10月15日朝刊20・21面記事

 つぎの画像は,同上日付の見開き記事として朝日新聞が “特集的に解説記事をまとめた” ものに添えられていた図解である。このなかでも一番大きくとりあげられているのが「森友学園問題」である。

 

    記録を追う,歴史に残す 新聞週間 2018 ▼
     =『朝日新聞』2018年10月15日朝刊 =

 歴史の検証に欠かせない文書や記録は,民主主義の原点ともいわれる。にもかかわらず,文書の改ざんやずさんな管理が明らかになった。記録が残されていないために,被害の救済がむずかしい事例もある。文書や写真を掘り起こし,分析する。それによって浮かび上がる世界がある。 

   「埋もれさせぬ」,削除の跡つかむ
            森友問題の財務省文書 ▼

 a) 東京・霞が関にある財務省。2018年3月1日午後,その建物を出たばかりの記者の携帯電話が鳴った。5分ほど前に「出ていってくれ」と記者に退室を促した理財局の幹部からだった。電話口の向こうで,理財局幹部は「事実かどうか確認しに来たのかもしれないが,生産的じゃないよ」と記者に告げた。面会時に記者が伝えた取材結果を「どれだけ確かなのか」と疑ってもみせた。

 朝日新聞の取材班はこの時点で,幹部に伝えた取材結果が事実だという確認を終えていた。財務省が公表した決裁文書の内容が,実際に決裁を受けた当初のものと違っている。この幹部らによって,改ざんされた疑いがある。幹部は「決裁文書はひとつだけだ」と繰り返した。しかし,取材で確認した事実は動かしようがない。翌日朝刊に「森友文書 書き換えの疑い」と報じた。

 事実に迫るため,記録された内容を掘り起こす。森友学園との国有地取引問題をめぐる報道は,それを追いつづけた取材の結果だった。学園との土地取引問題を,朝日新聞が最初に報じたのは2017年2月。

 原則として公表される売却額が,この取引に限って非公表となっている。情報公開請求で開示された文書でも「黒塗り」だった。記録から確認できない事実は,取材で明らかになった。売却額は,近隣の相場より大幅に安かった。その取引には,複数の政治家やその関係者がかかわっていた。売却額の設定は適切だったのか。背景に政治的な影響はなかったのか。国会での追及も始まったが,長く続いた論戦でも真相の究明はなかなか進まなかった。

 b) そんななか,取材班がつかんだのが「財務省が文書を改ざんしたようだ」という情報だ。事実なら,民主主義の根幹を揺るがす事態になりかねない。取材班の思いは「けっして埋もれさせない」で一致した。どんなに重大な証言でも,あとで覆されるおそれがある。取材班がめざしたのは,その情報を裏づける文書の確認だ。

 文書には,なにが記されていたのか。取材班は,決裁文書のなかの「調書」に注目した。財務省が「廃棄した」としていた学園側との交渉経緯は,調書に集約されているはずだった。取材を続けると,その調書に記載されていたはずの「経緯」が削られていることがわかってきた。

 東京と大阪にまたがる取材班は,それぞれの本社の会議室に設置されたテレビモニターを通じて会議を繰り返した。「確認した文書の内容は本当なのか」「複数の証拠や証言に矛盾はないのか」。連日の会議のすえ,揺るぎない取材結果だけに絞って記事にすることを確認しあった。

 記事掲載の前日,取材班は東京本社の一室に集まった。刷り上がった翌日用の紙面をみた同僚の記者やデスクからは「取材は確かなのか」と問いかけられた。取材の経緯は,社内でも秘密にされている。明かせないことが多かったが,「裏づけはとれている。仲間たちの取材を信じてくれ」と説得した。

 c) 朝日新聞のスクープをきっかけに始まった財務省の調査で,それまで「廃棄した」としていた学園側との交渉記録が存在していたことが判明した。950ページに及ぶその記録が公表された日,財務省から取材班に「情報開示請求に対し,存在が確認できなかったとして不開示にした交渉記録は存在した」と連絡があった。財務省の担当者は「これはおわびということではない」とも付けくわえた。

 交渉記録は「事案終了」まで公文書として保存しておく決まりがある。しかし財務省は,省内でさえ異論があるのに,取引の問題が報じられた後に時間をさかのぼって事案終了とみなし,公文書として保存する対象から外していた。

 文書主義が徹底されている行政機関は,意思決定の経緯や事案の実績を細かく記録する。そして,新聞社などの報道機関は,行政の仕事の検証のために公文書の記録をたどって検証する。そこには正確で詳しい内容が記載され,確実に保管されていることが前提だ。

 公文書の改ざんは,「最低限の記載とすべきだ」という認識が理財局内で共有されたことで進められた。厳しく糾弾された官僚たちは,「元から書いておかなければよかった」と思うようなことがなかったか。一連の報道により,公文書として記録,保管する範囲を狭めようとする動きが進まないかが心配だ。

 一件の国有地取引を,1年以上も掘り下げつづけてきた。しかし,売却額が妥当だったかどうかの検証は済んでいない。改ざんの詳しい経緯も,財務省の説明には違和感が残る。まだ区切りはついていない。
 註記)以上の森友学園問題以外にも,この解説的な特集記事がとりあげていた問題は,つぎの記事である。

  ☆-1「『ない』一転,1万4929ページの『戦史』 自衛隊の日報問題」

  ☆-2「戦時の文書焼却,失われた真実 連載『記録と記憶 消された戦争』」

  ☆-3「無自覚の差別,残る証拠わずか 旧優生保護法下の強制不妊手術」

  ☆-4「秘密の取引暴く パラダイス文」

  ☆-5「戦前の日常,みかん箱から277コマ よみがえる沖縄1935」

  ☆-6「戦前の沖縄の記録と記憶が,『有田みかん』と書かれた古びた箱
      につまっていた」

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 『朝日新聞』はその後も,森友学園問題に対する取材・報道をつづけていた。

 政治権力者が裏舞台であるいは密室でよからぬ犯罪行為を重ねながら,自分たちの地位と権益とを私的に占有・専守しようとする欲望(安倍晋三の政治でいえば私物化)は,時代を超えて普遍的に実在してきた政治心理(政治家病理現象)であった。

 小泉純一郎内閣総理大臣として,2001年4月26日から2006年9月26日までを務めてきたが,そのあとを引きついだ安倍晋三の政権になると(2012年12月26日成立の第2次政権以降も含めて),① に紹介してきたごとき不審な事件,自殺を装っていたものの「殺人事件の疑い」が濃く抱かれる事件が多く発生していた。

 

 「〈憲法季評〉自民党総裁選での首相議論不在,国民信じぬ証し」(蟻川恒正稿『朝日新聞』2018年10月13日朝刊13面「オピニオン」)

 a) 安倍晋三首相に対し,石破 茂元防衛相が立った自民党総裁選は,論戦らしい論戦もなく終わった。だが,そのことじたい,両候補の間の対立軸を浮かび上がらせた。

 公開討論会や街頭演説の機会を最小限にとどめようとした首相と,「討論に応じられないなら党の信頼が揺らぐ」と反発した石破氏。立候補も,総裁任期連続3期までを可能とする党則改正のお膳立てのもと,明らかに3選をめざしていた首相が8月26日まで態度を明らかにしなかったのに対し,8月10日に立候補を表明した石破氏は,同27日までに,政策を発信するための記者会見を4回開いている。

 その4回中,憲法改正の争点に触れた3回すべてで石破氏が用いた言葉がある。9条改正には「国民の深い理解」が必要だという言葉である。これは,憲法改正につき,共同記者会見で首相が,「国民投票に付すことによって,全国で地方議員を含め党員が訴えていくわけなので,そこで急速に議論が深まり,理解が進むことも十分にある。私は今回しか総裁選に出られない。あと3年でチャレンジしたい」(『産経ニュース』2018年9月10日付)と述べたことときわだった対照をなす。

 国民のあいだに十分な理解が進まなくとも,自分の残り任期中に国民投票までこぎ着けたい,という究極の自己都合(憲法の「私物化」)を語る首相と,9条2項削除が持論でありながら,スケジュールありきの改憲論議に対しては「国民の深い理解」を重しにしようとした石破氏。

 9条改正論の中身以前に,この対照こそが対立軸にほかならない。憲法21条1項は,「言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する」と定めている。国民の間の議論,および,それを背景とし,また,それに影響を与える政治家の議論をどれだけ重要なものとみなすか,つまり,表現の自由の価値への忠実が,この総裁選の本質的対立軸だったと私は考える。

 b) 投開票日前日,石破氏の応援演説に立った中谷 元・元防衛相は,つぎのように述べた。「いま,日本にとって大事なことは,議論による統治です。議論による統治がなくなってしまえば,慣習による支配しかありません」。

 「議論による統治」を近代の指標と捉え,前近代を厚く覆った「慣習の支配」からの脱却を求めたのは,19世紀後半のイギリスの文筆家ウォルター・バジョットである。中谷氏は,絶対的リーダーの決断による右へ倣えの行動の連鎖が,熟議にもとづく1人ひとりの自律的判断の積み重ねを圧して世にはびこるさまを,今日の日本に嗅ぎとっている。そして,それを克服するためには,愚直であれ「議論による統治」の原則に返るしかないと考えている。

 行動に直結せず,時間がかかる「議論による統治」は,バジョットの時代のイギリスですでに,「すべてはおしゃべりのなかに蒸発する」との辛辣な批判を浴びていた(三谷太一郎『日本の近代とは何であったか』岩波書店,2017年)。近年の日本で「決められない政治」が非難の言葉として人口に膾炙(かいしゃ)しているのと同様である。

 けれども,ことが重要であればあるほど,物事を決めるには,決め方の手続が緊要となる。憲法の定める表現の自由は,メディアを手なずけた権力者や資金力ある政党等による無制約な意見広告の自由を保障するものではない。「議論による統治」の材料となって「政治を動かすだけの質の高い議論」は,公正なルールの下に,不断に「疑念にさらされ,検証されること」を必要とする(三谷・前掲書)。

 c) 投開票日前日,支援者と確認された人以外は近づけない厳重なガードのもと,秋葉原の街頭に立った首相は,つぎのように訴えた。「私たちに求められているのは,具体的な政策です」「私たちは,無駄な批判はしません」。

 批判はよいが無駄な批判は有害だとして,この発言に賛同する人も多いだろう。けれども,ある批判が無駄か無駄でないかを決めるのは誰なのか。ある主張・ある生き方には「生産性がない」と決めつける言葉は,多くの場合,その主張・その生き方に反対の人が,その主張・その生き方を理解しようともせず発する言葉である。

  補足の指摘 ◆

 自民党総裁選の最終日に安倍首相が秋葉原で演説しました。あのときにもっとも喝采を浴びたのは「野党は批判ばかりしている。批判からはなにも生まれない。私は愚直に政策を前に進めていく」でした。

 あの「批判はなにも生まない」といったときの「批判」とは,「足を引っ張っている」とか「意地悪している」という意味です。議論して,相手に痛いところを突かれて,そうかと思って考えを変えたり,分かってもらうために丁寧に反論したり,という作業をいっさい放棄している。
 註記)『日刊ゲンダイ』2018年10月15日,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239302/6

 憲法改正に限らず,いずれの政治的主張がこの国の現在および将来にとって実りあるものであるかを決するのは,国民である。自分にとっての反対意見を「無駄な批判」と断ずる態度は,国民が下すべき審判を国民に代わって先どりしていることを告白するに等しい。

 政治家の仕事が「具体的な政策を前に進めていくこと」(安倍首相)であるとしても,国民の審判のための材料となる反対意見による批判を回避し,「スピード感をもって」ことを「前に進める」ことは,近代国家が最低限備えるべき「議論による統治」の水準をクリアしない。

 なにより,それは権力者が国民を信頼していないことの,これ以上ない証しである。自民党総裁としての最後の任期に臨む首相が憲法を「とり戻す」先は,国民の手ではなく,首相自身の手なのだろう。(引用終わり) 

※ 人物紹介 ※ 「ありかわ・つねまさ」は1964年生まれ,1988年東京大学法学部卒業,同助手。1991年東北大学法学部助教授,2004年東北大学大学院法学研究科教授,2006年東京大学大学院法学政治学研究科教授を経て, 2012年より日本大学大学院法務研究科教授。専門は憲法学,著書に『尊厳と身分』『憲法的思惟』。

 日本国総理大臣である安倍晋三が,この国を完全に私物化した状態をもってしか,その地位にかかわりそうな仕事を果たそうとしていない事実を,われわれはいままでさんざんみせつけられてきた。 

 民主主義の政治体制とこれに関する運営方法の,そのもっとも基本的な規則・作法すらしらない「幼稚で傲慢」「暗愚で無知」「欺瞞と粗暴」の,しかも「世襲3代目の政治屋:ボンボン息子」が,この日本を民主主義とは無縁の国家体制に変えてしまった。

 もっとも,安倍晋三が自分に向けられる反対意見を「無駄な批判」と断ずる態度は,もともと他者の意見や見解そのものを「自分のそれ」とは異なった立場・思想から出てきたものとして,それらを理解する能力(脳細胞の準備)じたいからして “完全に欠落していた事実” にも深く関係していた。

 晋三自身が尊敬するという岸 信介(母方の祖父)にいったいなにを習ったかはしらぬが,父方の祖父(安倍 寛)からまともに学んだらしい形跡は,なにもなかった。それでも,現実には「こんな首相が日本を指導しているつもり」でありつづけてきたのだから,まともな政治意識を抱いているつもりである国民たちにとってみれば,いまでは,この “安倍晋三という政治家の実在” じたいが「ホラー話」でしかありえなくなった。

 安倍晋三は,対米従属国家体制を深めるばかりの外交をおこなっていくほかは,とくに東アジア情勢のなかでは一番非力の政治家であった。米・韓・中・ロなどの首脳たちからはおしなべて,それこそ「▽カ」あつかいされつづけてきた。

 これまでいつもそうであったことだが,この非力な世襲3代目の典型的な「▽つけ者」であるこの首相は,各国首脳からは結局,ひどく足蹴にされてきた。要は,外交的には《負の成果》しかもち帰れない程度の,甘ちゃんなボンボン政治屋であった。

 国内の政治においていえば,安倍晋三は首相として,国民たちとの「議論(は)不要」とばかりに逃げまわってきた。この首相は,「国民(を)皆目,信じていない証し」を蓄積するほかない為政をしてきた結果,だいぶ以前よりだ「首相失格」の烙印を押されるほかなくなっていた。まずもって,国民たちとの議論を面と向かって交わすことさえ満足にできない世襲政治屋である。国際政治の舞台で1人前に語れる語彙が少ない小人物だと評価されても,いたしかたあるまい

 「こんな」総理大臣に率いられているのが,現状までにおけるこの国の姿であった。この国のゆき先がみえていることは,すでに分かりきっていた。「議論すらまともにできない〈こんな首相〉」なんぞ,もともと日本の政治にとっては不要品(ガラクタ),というよりも有害物そのものであった。軍事オタクの石破 茂や元防衛大臣の中谷 元でさえ,安倍晋三の幼さには呆れかえっていたではないか。

 安倍晋三が権力を握っている最中に,いろいろ起きていた事件,それぞれの渦中にいた関係の人物がつぎつぎと命を落とすような事態が発生していた。自殺として処理されてはいても,他殺の疑いを残しており,いずれも不審だとしか受けとれない出来事が大部分であった。

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