Reaper講座

Reaper非公式日本語サイト「Reaper JP」作成中

今後Reaper関連の記事はこちらに更新していく予定です。よろしくお願いします。


Windowsで扱えるDAWのオンラインソフトはいくつかありますが、その中でもReaperの完成度は非常に高く、商用パッケージソフトに負けないくらいの機能を持っています。
それでいて初期のバージョンが無料で公開されていたり最新の有料バージョンでもライセンスの価格が50006000円程度(非商用ライセンス)であったりするのでDTMを手軽に始めたい方や、お金をかけずに本格的な曲作りがしたい方まで幅広く使えるソフトだと思います。

ページは思いつきで更新するので、なかなか新しいページができないかもしれません。すみません。
公式Wikiを参考に日本語化してみたりします。

「歌ってみた」を作ってみる

「歌わせてみた」を作ってみる

ボーカルだけを抽出してみる

カラオケ音源を作ってみる

私の作品ではVSTiにはIndependence Pro、Raging Guitars、Symphonic Choirsを使っています。ときどきサウンドフォントも使うかも。
VSTにはIndependence FXとReaper標準のエフェクトセット。ときどきGuitar Rig 3(無料版)。基本的にはこれしか使いません。

Reaperの主な特徴

  • 動作が軽い(らしい)
  • 64bitOSにも対応している
    • 32bitのVSTプラグインも読み込めます!
  • ASIO、WDM、VSTといったDAWソフトの標準規格に対応している
  • 付属のVSTエフェクトが便利
  • USBメモリにインストールしてポータブル化可能
  • NINJAMでリアルタイムオンラインセッション
  • 簡単なプログラミングでオリジナルのエフェクターが作れる
既存のDAWには満足できないマニアックな人でも十分使い倒せるだけの機能があります。

インストール

ダウンロードページからインストーラをダウンロードしてきます。
Windows、Windows 64bit、およびMac OS Xに対応しています。
私のWindows 7 betaおよびRCでも動作することを確認しています。

インストーラを実行していけば勝手にインストールされます。

なお、古いバージョンのv0.999(無料で利用期限なし)はこちらからダウンロードできます。
音楽制作やってみたいけどお金をかけるほどじゃないよなぁと思う方はとりあえず古い方を入れてみたらいいと思います。
ただし、古いモノにはちょいバグが残ってますw

ReaRoute

インストールの際にデフォルトではチェックの入っていないReaRouteについて補足。
こいつはASIOオーディオドライバとしてインストールされて、他のアプリケーションからの音をReaperに入力するために使います。
たとえばIndependenceのような音源をReaper内にプラグインとして読み込まなくても、ハード音源を繋ぐような感覚で利用することができます。
利点としては
  • OSのメモリ上限(32bitの場合一つのアプリケーションあたり2GBまでしか使えない)を突破できる
  • 64bit環境でVSTが使えなくてもスタンドアロンで動く音源ならば使用可能
  • プラグインとして読み込めない音源でも使用可能
といったことがあります。
が、大抵の音源はVSTなどのプラグインとしてReaperから読み込めるので、よっぽど激しい使い方をしない限り必要はないと思います。
私自身、まだこのReaRouteは使ったことがありませんw

初期設定

起動したらまずオーディオの設定をしましょう。Options→Preferencesでウィンドウが出ます。
左側のところでDeviceというところを選択すると、下図のような画面になります。

Audio systemというところでは可能であればASIOを選ぶと良いでしょう。
もしその設定ができないようであればDirectSoundにしておくと良いと思います。
WDM Kernel StreamingはWindows Vistaや7ではうまく動かないと思います。XPならば場合によってはASIOよりも安定動作するかもしれません。
  • ASIOを選択した場合
    • ASIO Driver:オーディオインターフェースの名前
    • Enable Inputs:通常はオンで良い(再生専用のオーディオデバイスを使う場合は外す?)
    • Output Range:初期設定のままでいいと思います
    • ASIO Configuration...:デバイスの設定画面を開く
    • その他のチェックボックスはよくわからないので初期状態でいいと思いますw
  • それ以外を選択した場合
    • Input Device:録音に使用するデバイス
    • Output Device:再生に使用するデバイス
    • Sample Format:大きな値にしておけば良いと思います(それだとうまく再生できない場合は16bitにしておけば間違いない)
    • Input Channels・Output Channels:Input channelsとOutput channelsは2で良いです(5.1chサラウンド環境を作っていたりしない限り)
    • Samplerate:普通は44100にしておけば大丈夫かと思います。DVD用の音楽を作るとかの場合は48000などにするかもしれません。
    • Buffers:バッファ容量(詳しくは後述)
    • latency:Reaper内で処理された音声がデバイスから出力されるまでの遅延時間。小さいほど快適
Buffersの値を小さくするほどlatencyは小さくなりますが、あまり小さくしすぎるとプチプチ音が切れるようになってしまいます。
最適な値はCPU速度・オーディオインターフェースやドライバの性能によってまちまちなので一概には言えません。
音が切れないくらいであまり大きすぎない値を設定するのが良いです。

プロジェクトの作成

初期設定が終わればいよいよ製作に取り掛かれます。
まずは曲中で使用する音声データなどをまとめるためのフォルダを作りましょう。場所はどこでも良いです。
そしてFile→Save Project Asで作ったフォルダの中にプロジェクトファイル(.RPPファイル)を保存します。
これで作業準備は完了です。

録音の仕方

プロジェクトの作成ができたら、まずは録音をしてみましょう。下の画像の「このへん」をダブルクリックすると新しいトラックが作成されます。
ショートカットキーのCtrl+Tでも良いです。

次に、トラックの左側の赤い「R」ボタンをクリックします。すると録音のメーターが出てきます。

この状態で下図の赤い●ボタンを押すと録音が開始されます。
もう一度録音ボタンを押すか停止ボタン「■」を押すと録音が止まります。
録音が終わると右側に波形が表示されます(この波形をリージョンと呼びます)。
このリージョンをドラッグすれば好きな位置に動かすことができます。
また、リージョンの端にマウスを持ってくると⇔型のポインタになり、その状態で左右にドラッグをするとトリミング(要らない部分をカット)できます。

打ち込みの仕方

ReaperはMIDIによる打ち込みにも対応しています。
Insert→New MIDI itemと押すと、選択中のトラックの現在の場所に空白のリージョンができます。
このリージョンをダブルクリックするとピアノロールエディタが開き、打ち込みを行うことができます。
ピアノロール上をドラッグアンドドロップすると音符が入力され、好きな位置に好きな高さの音を置くことができます。

なお、デフォルトではMIDI出力がオフになっているのでここで音を打ち込んだだけでは音は鳴りません。
音を鳴らすにはPCにMIDI機器を繋いで(Microsoft GS Wavetable SW Synthでもいいですけど)設定画面からMIDI出力をオンにするか、後述のVSTiを使う必要があります。

VSTエフェクトの使い方

トラックにVSTエフェクトを使うには下図の「fx」ボタンを押します。
するとFX chainというウィンドウとAdd FX to Track ○○というウィンドウが出てきます。
ウィンドウ内にはPCにインストールされているVSTが一覧で表示されているのですが、もしここに使いたいVSTエフェクトが表示されていないようでしたら
Options→PreferencesVSTを選び、下図の四角く囲った部分にVSTの置いてあるフォルダのパスを入力します。Addを押せばフォルダ選択のダイアログが出てきます。

Add FX to Track ○○ウィンドウの中に使いたいエフェクトが見つかったら、それを選択してOKを押せばFX chainウィンドウに追加されます。
エフェクトの各種設定はこのウィンドウから行うことができます。

VSTiの使い方

上述のVSTと同じ手順でVSTiも読み込むことができます。
VSTiをトラックに追加することで、先ほど打ち込んだMIDIの情報が音声に変換されて出力されるようになります。

書き出しの仕方

曲が出来上がったら最終的に2chの音声ファイルにまとめあげます。
File→Renderと押すとRender to fileダイアログが立ち上がり、出力するファイルの設定が行えます。
特に初期設定のままでも問題はないですが、Output fileの部分だけは出力先になりますので分かりやすい場所を設定しておきましょう。
そして右下のRenderボタンをクリックすれば書き出し処理が開始されます。

ちなみに、音楽CDに書き込むことを想定するならば
  • Sample rate : 44100
  • Stereo
  • WAV bit depth : 16bit
  • Output format : .WAV
で書き出しましょう。

MP3形式で書き出す

Webで配布するためにはMP3形式でファイルを用意するのが一般的です。
Reaperでは直接MP3形式で書き出しを行うことができますが、ちょっと準備が必要です。
  1. lame.dllをダウンロードする
  2. Reaperのプログラム本体と同じディレクトリにlame.dllをコピーする
これで、Render to file内のOutput formatでMP3を選択できるようになります。