先週のタケノコが春の味としたら、アスパラガスは初夏の味。上手に茹でれば塩コショウやマヨネーズをつけて食べてもおいしいのですが、今日はご飯ものにします。ポイントはアスパラガスの根元と皮を煮出した「アスパラガス出汁」。アスパラガスの旨味成分は水溶性。短時間煮るだけで旨味が抽出できるので活用しましょう。
アスパラガスご飯
アスパラガス…1束
米…300g(2合)
アスパラガス出汁…400cc
醤油…大さじ1
オリーブオイル…大さじ1/2
塩、こしょう…少々
卵黄…適宜(または粉チーズ)
1.アスパラガスは根元を折り曲げ、硬い部分を除去する*。ピーラーで皮を剥き、水200ccに砂糖10gを溶かしたものに浸しておく。根元と皮は水450ccと一緒に鍋に入れ、中火にかけ沸いたら弱火に落として3分間煮る。火を止めて、ザルなどでこし、氷水に当てるなどして冷やす。
*根元に近い部分を折り曲げて、自然に割れるところまでがおいしい可食部
2.洗った米とアスパラガス出汁400cc(足りない場合は水を足す)、醤油大さじ1を炊飯器に入れ、普通に炊く。炊けたらしゃもじなどを使って、米をほぐしておく。
鍋を使う場合……米は研いで、ザルに上げておく。30分置くと米が水分を吸うので、鍋に移し、アスパラガス出汁と醤油を入れ、蓋をして強火にかける。沸騰したら蓋を開けて、一度かき混ぜ、再び蓋をして火を弱火に落とす。8分30秒加熱し、火を止めて、10分蒸らす。その後、米をほぐす。
3.アスパラガスは3cmほど穂先を残し、残りは1cm幅に切る。フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、アスパラガスを焼く。重ならないようにして、焦げ目をつけるようにする。片面に焼き色がついたら鍋を揺すり、塩で味付けし、胡椒を振る。
4.ご飯を茶碗にうつし、アスパラガスをのせる。好みで卵黄をのせるか、粉チーズを振る。混ぜながら食べる。
アスパラガスを砂糖水に浸す理由
イタリア料理のアスパラガスのリゾットが証明しているようにアスパラガスと米の相性は抜群。春になったらたけのこご飯、秋になったらキノコご飯という具合に、日本では炊き込みご飯にすることで季節を味わってきましたが、今回はアスパラガスご飯にします。
ご飯を炊くのに使ったのはアスパラガス出汁です。野菜の皮や根元を煮出すと細胞壁が壊れ、中身が染み出してきます。野菜のエキスには塩分、糖分、酸、旨味アミノ酸、芳香成分などが含まれていて、穏やかな風味の出汁がとれるのです。風味をもっと強くしたい場合は野菜を細かく切って味を出やすくするか、少量の油で炒めてから煮出すといいでしょう。芳香成分の一部は水よりも油に溶けやすいため、新しい風味が加わります。
アスパラガスは種を植えてから収穫するまで3年かかり、おいしく育てるためには肥料がたくさん必要で、さらに成長がまちまちなので手で収穫する必要があるなど食べるまでが大変な野菜です。価格も他の野菜と比較すると高価なので、根元や皮なども無駄なく使いましょう。
採れたてのアスパラガスはジューシーで甘いので、手に入ったらすぐに食べましょう。アスパラガスは鮮度が落ちやすい野菜です。収穫直後のアスパラガスには4%ほどの糖分が含まれていますが、収穫後もアスパラガスは成長を続けるので、その糖を消費していきます。その速度が他のどんな野菜よりも速いのです。
さらにアスパラガスは古くなると根元の方から次第に繊維質になっていき、この変化は温かさや光にさらされることで加速します。保存は冷蔵庫で、なるべく光を当てないようにしましょう。
スーパーなどでは様々なアスパラガスが売られています。小指よりも細いアスパラガスはやわらかいので、皮を剥く必要はありません。太いものほど味はおいしいのですが、加熱時間が余分にかかります。薬指くらいの太さが扱いやすい大きさでしょうか。
スーパーで買うアスパラガスのなかには鮮度が落ちているものや輸入物もありますが、そうしたアスパラガスもおいしく食べる方法はもちろんあります。皮を剥いたアスパラガスを砂糖を溶かした水に放つのです。つまり、貯蔵中に失われたショ糖(=砂糖)を補う、というわけ。
表面を香ばしく焼いたアスパラガスは歯ごたえを残すようにします。そこに組み合わせるのが卵黄です。卵とアスパラガスは古典的な組み合わせで、やはり相性のいいものです。生の卵黄に抵抗がある方は粉チーズ(できればおろしたてのパルメジャーノチーズ)をふりかけても同じような味になります。アスパラガスは旬の時期に一度は味わっておきたい野菜です。