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Reaper付属プラグインの一覧

Reaperには最初から高機能なプラグインが多数付属しています。
これらを使うだけでかなり本格的なレコーディング&ミキシングが可能です。打ち込みをするには若干物足りないですが…(ノ∀`)
というわけでこれらのプラグインを紹介します。
なお、Reaperを使っていない方もこちらからプラグインだけを単体でダウンロードすることも可能です(ReaNINJAMなどReaper専用のものを除く)

ReaComp

「コンプレッサーを制するものはオーディオを制す」らしいです。
コンプレッサーとはそれくらい重要なエフェクターです。
音量の差を調節するエフェクターで、音量と大きなところを圧縮して小さいところとの差を減らし、その後全体的に音量を上げることで歪まないように音量アップすることができます。
ですが使い方を覚えるのが結構大変なので、慣れるまではプリセットの中から良さげなのを選ぶような使い方になるでしょう。
…というか私も完璧に使いこなせてはいないのですw
  • Pre-comp
  • Attack = 圧縮が開始されるまでの時間。
  • Release = 圧縮音が消える(原音に戻る)までの時間。
  • Ratio = 圧縮率。数値が大きいほど圧縮幅が大きい。
  • Knee size

ReaControlMIDI

ReaDelay

ディレイとはやまびこのような残響を作るエフェクトです。
やっほーやっほーやっほーやっほーやっほーやっほー…
みたいな。やまびこ同士の間隔や回数、数や定位などを細かく設定することができます。
  • Length = 原音に対してどれだけ遅れて発音されるのか。数値が大きいほど遅れて発音される。
    • (time)はミリ秒単位で、(musical)は拍単位で指定可能。
  • Feedback = 1回ディレイ音が鳴るたびの減衰量。数値が大きいほどディレイの回数が多くなる(あまり減衰しない)。
  • Lowpass filter = ディレイ音から高周波の音をカットする。数値が大きいほど曇った感じの音になる。
  • Hipass filter = ディレイ音から低周波の音をカットする。数値が大きいほど軽い音になる。
  • Resolution = ディレイ音の原音再現度。
  • Stereo width = 1だと原音の定位のまま。-1だと左右反転。

ReaEQ

イコライザーとは周波数成分を調整するエフェクターです。
高い音・低い音・澄んだ音・曇った音・重い音・軽い音……という知覚は音の周波数という要素によって表されます。
周波数を調整することによって音の印象を変えることができます。詳しいことはここには書きません。

調整つまみの数は左下の"Add band"と"Remove band"で増減することができます。デフォルトでは4つのつまみがあります。
  • Frequency = そのつまみがいじる周波数。
  • Gain = そのつまみのいる周波数帯域の増幅値。
  • Bandwidth = Gainの有効幅。

ReaFIR

Reaper付属のVSTの中ではたぶん一番強力なのがこれ!だと思います。
周波数領域の処理がこれ一つで行えるのです。
  • Mode = どんな処理を行うか。
    • EQ = 赤い線の表すカーブで周波数全体が増減されます。
    • Gate = 赤い線に届かない成分はカットされます。
    • Compresser = 赤い線より大きな成分はComp Ratioに設定した比率で圧縮されます(1より小さい値を設定すると増幅されます)。
    • Convolve L/R
    • Subtract = 赤い線のカーブで周波数全体が減算されます。
特にCompresserとSubtractが強力。
Compresserは特定の周波数だけがやたら強かったりして音全体の周波数にバラツキがあるときに、それを抑えるようにすることができます。
Subtractはノイズを含む音源から必要な音だけを取り出したいときに使います。

ReaGate

ゲートとは、不要な(小さな)音をカットして無音にするエフェクターです。
必要のない音が音源に含まれているとミックスをしたりするときにいろいろ問題になったりするので、ゲートを使って必要な音だけが聞こえるようにします。
音が左側の上下スライダーで設定したレベル以下の入力音は無音として扱われます。
  • Pre-open
  • Attack = 無音から出力信号に達するまでの時間。0にすると信号の飛びが発生してノイズの原因となるが、大きな値を設定すると立ち上がりが悪くなる。
  • Hold
  • Release = 無音になるまでの時間。0にすると信号の飛びが発生してノイズの原因となるので、大抵は100ms~200msぐらいを設定しておくといいと思います。
  • Hysteresis
  • Detector input
  • Lowpass = 出力音の高周波成分をカットする。
  • Highpass = 出力音の低周波成分をカットする。
  • RMS size

ReaInsert

任意の位置にハードウェアからの入力信号を挿入することができます。
が、まだ私はちゃんと使ってませんw

ReaNINJAM

オンラインジャムセッションシステムNINJAMをReaperから扱えるようにするプラグイン。
世界中のミュージシャンとセッションができるという画期的なシステムなのですが、あまりユーザーがいないようでまだまだこれからという感じです。

ReaPitch

入力信号の音の高さを変えることができるエフェクターです。+-2オクターブまで指定できます。
適切にAlgorithmを設定することによってかなり精度の高い処理ができます。
  • Shift = どれだけ高さを変更するか
    • full range = 自由に高さを指定できます
    • cents = セント単位で指定します(100セント=半音)
    • semitones = 半音単位で指定します
    • octaves = オクターブ単位で指定します
  • Formant shift
  • Algorithm = ピッチ変換に使用するアルゴリズム
    • Project Default = デフォルトの設定(通常はSoundTouch)
    • SoundTouch = あまり品質はよくないです
    • Dirac LE = 設定によってはかなり高品質っぽいですが、その分CPU負荷がかなり高いです。うちのE7200マシンではちゃんと動いてくれないw
    • Low quality windowed = あまり品質はよくないです
    • élastique (2) pro = ボーカルなどの音色を変えずにピッチ変更ができます。適用する音源に合わせてParameterを設定しましょう。
    • élastique (2) Efficient
    • élastique (2) SOLOIST = ボーカルなど単音音源のときに高品質な処理ができます。

ReaStream

MIDIメッセージや音信号をネットワーク越しに送信できるプラグインです。
これによって一台のマシンでは負荷が多すぎて作業ができないとかメモリが足りないとかいう場合に複数のマシンを連携させて作業を行うことができるようになります。
セッションなんかもできる…のか?私は使ってないのでよくわかりません(ノ∀`)

ReaTune

ReaPitchと似てますが、こちらは主に細かいピッチ修正を行うためのエフェクターです。
タブのところをTunerにするとチューナーとして動作し、画面にピッチが表示されます。
"Send MIDI events when pitch changes"にチェックを入れるとチューナーの動作に合わせてMIDI信号が送られるようになります。
これによって、たとえば鼻歌でMIDI打ち込みをしたりすることができます。私はやりませんがw

タブのところをCorrectionにすると入力音が半音階にハマるように自動的にピッチが修正されます。
多少音痴の人でもうまく歌えるように聞かせることができます。

タブのところをManual Correctionにすると、入力音の高さを強制的に指定した高さに変更することができます。
ものすごく音痴の人でもこれで細かく調整すればうまく歌えるように聞かせることができます。

私はやりませんがw

ReaVerb

コンボリューション(畳み込み積分)という音の残響の物理的な効果を計算によって再現する仕組みを持ったエフェクターです。
インパルス応答というパラメータを与えることによってリアルな音の残響を作り出します。
コンボリューションについての詳しい解説はここではしません。

ReaVerbate

こちらはより直感的にリバーブ音を作り出すエフェクター。
  • Room size = 部屋の大きさ。大きな値を入れるほどホールのような残響効果が得られる。
  • Dampening = 原音の再現度。大きな値を入れるほど原音がくっきり再現され、金属的な質感になる。
  • Stereo Width = 1が原音のステレオ状態、-1が左右反転。
  • Initial Delay = 原音が鳴ってから残響音が最初に聴こえ始める時間。
  • Lowpass = 残響音から高周波をカットする。
  • Highpass = 残響音から低周波をカットする。

ReaVocode

楽器がしゃべっているような効果を生み出すエフェクターです。ボコーダーという楽器があるのですが、まさにそのようなことをやります。
仕組みとしては楽器の音の周波数を声の周波数と掛け算(っぽいこと)をしてやるという簡単なものですが、とても面白い音ができあがります。
こいつは使い方がちょっと特殊なのでここにメモ。

1. シンセ音・ボーカル音・ReaVocodeの三つのトラックを用意する

2. ReaVocodeトラックを4ch入力するように設定し、1,2chにシンセ音、3,4chにボーカル音を入れる
↑見えにくいですが、下の方の赤い四角のところをクリックすると受け取るチャンネルのリストが表示されるので、"3/4"を選んでください。

そしてシンセ音とボーカル音のトラックにそれぞれ音源を入れてやると、ReaVocodeトラックからボコーダーされた音が出力されます。
ちなみに私はいつも「どっちがボーカルだったかなー?」と迷うのですが、ReaVocodeのGUI内で"Invert signal inputs"というところにチェックを入れると、シンセ音とボーカル音のトラックを入れ替えることができます。
つまり、どっちに入れてもいいのですw

ReaVoice

ReaPitchと似ていますが、こちらは変更すべきピッチ幅をMIDI信号で受け取る仕組みになっています。
ReaPitchと違ってMIDIノートで和音を入力すれば和音が出力されます。一人でもコーラスができるのです。
ただしMIDIの音の指定の仕方が若干ややこしいので慣れが必要です。絶対的な指定ではなく相対的な指定なのです。
  • Gain @ 0 velocity
  • Max voices = 同時発音数。大きな値を指定すると和音が発音できます。
  • Attack
  • Sustain
  • Release
  • MIDI channel = ここで指定したMIDIチャンネルからの入力のみを受け付けます。
  • Center note = ここで指定した音を基準にピッチが変更されます。
    • たとえばここに60が指定されているときにMIDIノートで64(E4)を与えると、原音より長三度高い音が出力されます。

ReaXComp

周波数帯域別にコンプレッサーをかけることができます。
簡単に使うならReaFIRの方が楽ですが、より本格的に細かいことをやろうと思ったらこっちの方がいいと思います。
でもこれを使い始める前にちゃんとコンプレッサーの動作を理解するのが先ですw

ReaSamplOmatic5000

簡単なサンプラーです。wavファイルを読み込んでMIDIによって操れるようになります。
サウンドフォントが使えれば便利なのになぁ……

ReaSynDr

MIDI信号でドラム(のような)音を発音できるVSTi。ですが実用には程遠いですw
簡単なクリック音くらいにしか使えない。

ReaSynth

サイン波・矩形波・ノコギリ波・三角波という基本波形を発信できるVSTi。
でもまぁこれで本格的な音作りをしようと思ったらかなり大変だと思います。
素直に他のソフトシンセを使った方がいいでしょう。Synth1とか。
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