Excelを使っていて、なにかとイライラさせられるのが、数々のお節介機能です。セルに文字を入力しようとすると続きが勝手に入力されたり、URLにハイパーリンクが勝手に張られたりと、挙げればキリがありません。なかには便利な機能もなくはないのですが、いくつかの強力なお節介機能のせいで、全体の印象を悪くしている感は否めません。

お節介機能をオフにすれば「無駄な時間を削減できる」

 特に最近はテレワークで、やむを得ず低スペックのPCで作業を強いられている人もいるでしょう。これらお節介機能をオフにすれば、意図せず行われた操作を元に戻すための無駄な時間を削減できるほか、操作そのものが軽快になる効果も見込めます。

 今回は、Excelを代表する7つのお節介機能をオフにするための設定方法をまとめて紹介します(画像はすべて2020年4月18日時点での、Office 365版の最新バージョンで検証)。


 

その1)お節介なアニメーション効果をオフにする

 最近のExcelは、セルの移動や文字入力、リボンの開閉に至るまで、さまざまな操作でアニメーション効果が有効になっており、やたらヌルヌルと動くのが特徴です。「オプション」→「簡単操作」にある「操作の結果のオプション」で「操作をアニメーションで表示する」をオフにすることで、かつてのきびきびとした動きを取り戻せます。

その2)セルに文字入力する際、続きが勝手に入力されるのを止める

 例えば上のセルに「あいうえお」と入力されている時、直下のセルに「あ」と入れただけで「いうえお」が補完入力されてしまい、鬱陶しく感じることがあります。「オプション」→「詳細設定」の「編集オプション」で「オートコンプリートを使用する」のチェックを外すことで、これをオフにできます。住所など途中までが同じ文字列を連続入力する機会が多い場合に有効です。

その3)英単語の先頭文字が自動的に大文字になるのを防ぐ

 ExcelのほかWordなどにも言えますが、入力した英単語の先頭文字が、いちいち大文字に置き換わるのはわずらわしいもの。「オプション」→「文章校正」で「オートコレクトのオプション」を開き、「文の先頭文字を大文字にする」「曜日の先頭文字を大文字にする」など、必要でないと感じる項目をオフにすればこうした挙動を避けられます。ちなみに(c)と入力すると勝手に丸囲み記号に自動修正される設定も、同じ画面で解除できます。

その4)URLを入力すると自動的にハイパーリンクが張られるのを防ぐ

 単にURLを入力したいだけなのに、毎回ハイパーリンクが張られてしまい、そのたびに右クリックでハイパーリンクを削除するという無駄な操作をしていないでしょうか。「オプション」→「文章校正」で「オートコレクトのオプション」を開き「入力オートフォーマット」タブにある「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」をオフにすれば、URLを一般的な文字列として入力できるようになります。

その5)入力後にEnterキーを押すと下のセルに移動するのを止める

 データ入力後にEnterキーを押すとセルが意図しない方向に移動してしまい、いちいち戻すという無駄な作業をしていないでしょうか。この場合、「オプション」→「詳細設定」の「編集オプション」で「Enter キーを押したら、セルを移動する」のチェックを外すことで、Enterキーを押してもセルが選択されたままになります。ちなみにオフにするのではなく、移動方向を「下」から「右」などへ変えることもできます。

その6)起動時にスタート画面ではなく新規ブックが表示されるようにする

 最近のExcelは、起動のたびに新規テンプレートの一覧や最近使ったアイテムが並ぶ「スタート画面」が表示される仕様になっています。かつてのように、プログラムを起動するとすぐ新規ブックが表示されるようにしたければ、「オプション」→「全般」にある「起動時の設定」で「このアプリケーションの起動時にスタート画面を表示する」のチェックを外します。

その7)新規ブックを毎回OneDriveに保存しようとするのを防ぐ

 新しいブックを保存しようとすると、毎回のように保存先としてドキュメントフォルダではなくOneDriveが指定され、イラッとするのはよくある話。「オプション」→「保存」の「ブックの保存」で「既定でコンピューターに保存する」にチェックを入れれば、OneDriveではなくローカルドライブが初期表示されるようになります。かわりの保存場所はその直下にある「既定のローカル ファイルの保存場所」で指定できます。

(山口 真弘)