痛み・しびれの病気

強直性脊椎炎

強直性脊椎炎とは、脊椎(背骨)や、仙骨・骨盤周辺(仙腸関節など)に痛みやこわばり・腫れを感じる病気です。重症化するにつれて、体が前屈気味になり、体を反らしたり上を見上げたりといった動作がしづらくなります。発症から10年~20年すると脊椎が動かなくなり日常生活に支障が出ることもありますが、このように重症化する患者さんは全体の1~2割ほどです。

強直性脊椎炎の特徴

強直性脊椎炎は、10代~20代にかけての発症がほとんどです。男性の患者が大多数ですが、女性でも発症します。現在の所は45歳以上の方の発症は確認されていません。発症した直後は、強直性脊椎炎特有の症状である脊椎間の強直(固まってつながること)がほとんど見られず、痛む箇所が日によって異なることもあります。また、運動をしているときよりも安静にしているときの方が痛みが強く出たりするのも特徴です。発症したばかりの頃は症状が安定せず、強い痛みを訴えて寝込んだ翌日に痛みが全くなくなっていることもあり、診断がなかなかつかないことも珍しくありません。

強直性脊椎炎の原因

この病気の原因は未だ分かっていません。しかし、白血球抗原の一つであるHLA-B27が発症に深くかかわっていることが分かっています。HLA-B27を持つ人数の割合は人種によって異なり、白人に比べると黄色人種は10分の1以下です。そのため、日本人の強直性脊椎炎患者は少なく、現在のところ診断を受けた人数は、数百名ほどにとどまっています。

強直性脊椎炎HLA-B27を持っている方が細菌感染などで免疫異常が起きた結果、発症するのではないかという説が考えられていますが、まだ立証はされていません。ですから、予防方法なども分かっていないのが現状です。遺伝性は今のところほぼないのではないかと考えられていますので、親や兄弟が強直性脊椎炎を発症しても心配することはありません。

強直性脊椎炎の診断方法

強直性脊椎炎は、若年者に原因不明な手足の関節炎や腰痛・全身のこわばりなどが続いた際に疑われ、血液検査やレントゲン検査で判明することが多い病気です。ただし、腰痛は椎間板ヘルニアなどに誤診されることが多く、厚生労働省によると強直性脊椎炎と診断されるまでに要する年月は平均9年といわれています。

強直性脊椎炎が合併症として現れる病気

強直性脊椎炎は、虹彩炎(目の病気)・クローン病や潰瘍性大腸炎(腸の病気)・乾癬や掌蹠膿疱症(皮膚の病気)、を発症していると合併症として発症することがあります。これらの病気にかかっている45歳以下の方で、がんこな腰痛や全身のこわばり、関節痛などがある方は、強直性脊椎炎を発症しているかもしれません。

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群は、つり革をつかまるような感じで腕を上げたり、首を後ろに反らすように動かしたりすると肩や腕・肩甲骨周辺に痛みやしびれ・だるさを感じる病気です。心臓から首や腕方面に伸びる血管や神経が胸郭の出口付近で圧迫されることからこの病名がつきました。年齢、性別にかかわらず発症する病気であり、特に、なで肩の女性に発症しやすいのが特徴です。発症のピークが20代と若いため、脳の異常を疑って病院を受診される方もいます。

胸郭の出口で血管や神経を圧迫しているのは、前斜角筋(ぜんしゃかくきん)・小胸筋(しょうきょうきん)といった筋肉です。なで肩の人は、肩幅が狭いので、手の重みで首から肩にかけての筋肉が引っ張られ続けてこわばりやすくなります。このこわばりが長期間続くと、神経や血管を筋肉が圧迫しやすくなるのです。

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群を発症すると、手や指のしびれや脱力感などが現れます。症状が進むにつれて、肩や肩甲骨・首などに痛みを感じるようになるでしょう。また、鎖骨や首にも変化が現れます。正常な場合、鎖骨はゆるやかなV字を描いていますが、胸郭出口症候群を発症すると、筋肉が緊張して肩が下がることで、鎖骨がまっすぐになるのです。肩が下がるため首は長く見え、バランスを取るためにあごをつき出すような姿勢をとりがちになります。

胸郭出口症候群が重症化すると、腕を上げたり肩を上げて後ろへ反らしたりといった動作をするたびに激しい痛みを感じるようになり、ついにはまったくそのような動作ができなくなるのです。その上、血管が圧迫されているので痛みが出る動作をすると手指が蒼白になったり、赤紫色になったりします。

胸郭出口症候群が重症化すると、耳鳴りやふらつき感などが出ることもあるでしょう。また、肘をまげて腕を上げる動作ができなくなると日常生活にも支障が出ます。

胸郭出口症候群の特徴

肩こりしやすい方や猫背の方は、首から肩・胸にかけての筋肉がこわばりやすく、胸郭出口症候群を発症やすい傾向にあります。なお、男性の場合に多いのは、腕を上げ下げする動作をたくさんすることで発症するパターンです。これを緊張型胸郭出口症候群と呼びます。

胸郭出口症候群の患者数は、正確な人数が分かっていません。しかし、長時間同じ姿勢で過ごしたり運動不足になったりすることが多い現在、患者数は増え続けていると推測されています。

胸郭出口症候群の診断方法

胸郭出口症候群は、レントゲンや触診・テスト動作で診断します。腕のしびれや痛みがある側に顔を向け、そのまま首を反らせて深呼吸をさせた時、脈が止まったり弱まったりするような場合は、胸郭出口症候群の可能性が高いでしょう。また、肘を肩くらいまであげてつり革をつかまるように腕を直角にあげた時、手のひらや指先白くなるような場合も、胸郭出口症候群の可能性があります。

複合性局所疼痛症候群

複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、骨折やねんざ・打撲などで末梢神経が傷ついたことによって発症する神経痛の一種です。以前は、反射性交感神経性委縮症やカウザルギーなどとも称されていました。性別や年齢に関係なく発症し、激しい痛みから抑うつ状態になってしまう方も珍しくありません。

複合性局所疼痛症候群の症状

複合政局所疼痛症候群を発症すると、患部周辺にむくみが起こり局所が熱を持ち激しい痛みが起こります。こうなると、多くの方がけがが悪化したと考えて病院を受診したり、より安静にしようと努力したりするでしょう。しかし、すると、今度は患部周辺の皮膚や筋肉の委縮・体温の低下が起こり、再び激しい痛みが起こるのです。重症化すれば、風に当たっただけで激しい痛みが起こり、日常生活に支障をきたすこともあります。

複合性局所疼痛症候群の原因

複合性局所疼痛症候群は、けがをしたことによって知覚神経が損傷し、誤作動を起こすことが原因です。けがをすると知覚神経の他、運動神経は興奮し筋肉が収縮します。すると、血流が減少してけがをした一帯が酸素不足になり、発痛物質が製作が促進されるのです。そこに新たに刺激が加わると、発痛物質が一気に知覚神経を刺激し、神経はこれを痛みとして脳に伝えます。けがをしたからといって、いつまでも患部を動かさずにかばっていると、血流が悪いままとなり、複合性局所疼痛症候群を発症しやすくなるのです。

複合性局所疼痛症候群の診断方法

複合性局所疼痛症候群は、浮腫や骨や爪の萎縮・けがに不釣り合いな痛み・関節の動きが制限されるなどの症状から診断をつけます。複合政局所疼痛症候群は早期治療早期発見が大切です。けがをしてから日数がたっているのに痛みが全くひかない、むしろ強くなっているという場合は、複合性局所疼痛症候群の可能性があります。

さまざまな治療を受けたにもかかわらず
病気が改善しない方へ

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