【マニラ=遠藤淳】中国での新型肺炎の感染拡大を受け、フィリピンの航空当局は中部パナイ島のカリボ空港と中国・武漢市を結ぶチャーター便の運航を一時停止することを決めた。期間は未定。武漢市から訪れている中国人観光客約500人が帰国するチャーター機の出発は特別に許可し、27日までに予定通りに帰国させる。
カリボ空港は人気のリゾート地のボラカイ島に近く、中国からも訪れる人が多い。武漢とを結ぶチャーター機はフィリピンの民間航空会社2社が週にそれぞれ3便運航している。航空当局は両社に当面、運航を停止するよう指示した。
運休前に武漢から到着した中国人観光客は24日時点で3団体で約500人いた。航空当局は武漢市当局と調整し、これらの中国人が帰国するためのチャーター機3便の出発は特別に許可した。当局は「帰国は予定通りの日程で、強制的な送還ではない」としている。
フィリピンでは24日時点で新型コロナウイルスの感染者は確認されていない。だが、中国で24日から春節(旧正月)に伴う大型連休が始まり、多くの中国人がフィリピンを訪れることから、空港での入国者の検査を厳重に行うなど厳戒態勢を敷いている。
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