神はダイスを遊ばない

リミテッド環境分析

イコリア環境のアリーナドラフトの勝ち方 第2回

こんばんわ。おおかたの予想を裏切ってイコリア環境リミテッド解説、第2回目がありました。良くサボらなかったな、俺、偉いぞ。前回最後に「次は赤黒とか黒青とかについて何か書くかも」って言ったけど、予定を変更して今回は白黒人間ビートについて解説します。まぁ前回がサイクリングに寄せた白ビートの白赤の解説だったし、今回は人間シナジーに寄せた白ビートの白黒の解説した方が色々と分かりやすいと思うんで。決して青黒のデッキの画像保存してなくて何回か試したけどなんか青がやたらカード高くて全然できなくて「別に急がなくてもいいか」と思いなおしたって訳ではないから。決してそんな事はないから。あくまで白黒先に説明した方がいいからだから。っていうかアリーナのドラフト白のパーツが安すぎるんだよ。どうなってるんだよ。そんなにみんなカワウソ変容させてウハウハしたいのかよ。カードばっか引いててもこのゲーム勝てないぞ(勝てます)。

 
▲前回の補足

本題の白黒の解説に行く前にまずは前回の補足。サイクリングカードの選択基準について追加で質問を受けたんでここでも追記すると、まず根本的な思想として「前回解説した白赤サイクリングの方法論はコンボデッキ的なアプローチを目指したものではない」って事を理解してもらう必要があって、要は前回の解説は「サイクリングデッキなんだから兎に角サイクリングを大量に詰め込む」っていうシンプルな方法論をどうアップデートさせるかってところに大事な所があったんだけども、まぁ伝わる人にはバカ丁寧な解説になってた反面、伝わらない人には根本的に伝わらない雑な解説でもあったんで、ここで改めて補足説明します。

 

わざわざ解説されるまでもなく誰でも分かる白赤の組み方は、サイクリングと噛み合う小型生物と大量の(その大半が素打ちがアンプレイアブルだったり色が違ってたりする)サイクリングカードを詰め合わせたものがあるんだけども、この方法論がそのまま環境最強足り得ないのは明白なわけで、この基本戦略の抱える問題点「目も当てられない初手がまぁまぁの割合で来る」「エンジンとなる生物に除去体制が一切ないから除去られるとすぐ詰む」「強力なエンジンはアンコモンに固まっているため除去られるとかの前にそもそも引かない」っていう構造的欠陥を克服するためのアプローチとして「白の横並びビート戦略とコンセプトの齟齬を起さずにサイクリングギミックを組み込む方法」を提示したんだよね。

 

ちなみに大量のサイクリングを入れる事が無条件に肯定されるアーキタイプもちゃんとあって、青赤白の天頂の閃光とか交感の力で盤面負けてる所から一気に本体削って急角度で勝つアーキタイプにがそれにあたる。
白赤はアンコの育つ狐とかトークンばら撒く3/1みたいなエンジンを設置した後にサイクリングをしてこそ意味があるアーキタイプで、エンジンを探しにいくのにサイクリングを繰り返していては到底勝てる構造になっていない。なので「並べてからの全体強化」こそが白赤の本筋であるって前提に立って、サイクリングは強力なサブプランではあるがあくまでも盤面を作る手段の一つでしかないというのを意識して、エンジンを引けて無かったり除去られた時でもきちんと盤面を作れるように、サイクリングカードは素打ちしても良いカードをある程度厳選して採用する必要があるってわけ。

 

あと個別なカードで言うと天頂の閃光は本体火力としてビートダウンデッキにも入るだろって意見ももらったけども、前述の通り白赤は(青赤白と比べると)実は大してサイクリングしないアーキタイプなので、天頂の閃光の強さはブレ幅が大きくて、優秀なビートパーツやサイクリング付きのカードを押しのけて採用が肯定されるのはかなりのレアケースになる。まぁ強さが安定しないっていうか、このカードの強さを安定させるとデッキが全体が不安定になるって感じかな。デッキが充分に強い時は勝ち筋増やすよりブレ幅少なくして負け目を潰すのが定石。サブプランを採用する時は本命であるコンセプトをサブプランが阻害しないかどうかを考える必要があって、盤面に生物貯めて全体強化で一気に決める、言い換えると「場を仕込む」デッキに「墓地仕込んでこそ」のカード入れるのが正解か?って考えてもらえると分かりやすいかもしれない。

あとはゲームのレンジを意識するのも大事。天頂の閃光はロングゲームになればなるほど打点上がるんだけど、赤白は短期戦を目指すアーキタイプなんでここもデッキのコンセプトと実は合ってないのもあるかなぁ。以上前回の補足でした。

 

 
▲白黒の勝ち方
そういうわけでやっと今回の本題に(前置きが長いんだよ)。白黒も基本戦略は前回解説した白赤と同じで、横に並べて全体強化が本筋。じゃぁどこが白赤と違うかと言うと、白赤がタルキール環境のマルドゥビートダウンにサイクリングによる安定性とマナフラ受けがプラスされたアーキタイプであるのに対して、白黒はラヴニカ環境のオルゾフ的な動きに全体強化戦略がプラスされた動きをするって言うと老害には伝わるかなと思う。殴る一辺倒じゃなくて生物サクってドローとライフに変えたり、白赤にはないシステムクリーチャーが嫌らしい動きするのが特徴。白黒に走る理由になるカードの代表格は人間アンセムこと聖域封鎖なんだけども、逆に言うと白黒行く理由がそれくらいしかなくて卓一になりやすいんで再現性はそんなに高くないけど、出来るタイミングでちゃんと白黒に走れれば入れ食い状態で優良レア・アンコモンを独占できるんで個人的にはいつも虎視眈々と狙ってるオススメアーキタイプです。

 

▲コモン優先度ランキング

 

1位 血液凝固
ヤマオウムが殺れる万能除去!威迫カウンターで無情な行動を避ける瞬間を想像するだけでおちんちんがイライラしてくる。

 

2位 平和な心
白赤の時よりも白黒はゲームが長くなる分除去の枚数は少し多めでもいい。まぁ微妙なさじ加減の話なんで概ね白赤のときと同じ優先度と考えてもらっていいんだけどね。

 

3位 夜勤隊の猛士
白黒において唯一、白赤に勝るビートパーツ!タルキールの時こいつ白だったけど、こいつ黒にして再録しようって考えたヤツは仕事ができる!偉い!ナイス調整!

 

4位 日勤隊の指揮官
ゴリラがいないし狐インコが採用できない分こいつの優先度は白赤の時よりも上げて評価する。

 

5位 揃った突撃
コモンの勝ち手段。白赤のときよりも大事にしなきゃダメなので軽々しくサイクリングするの注意!3枚まで採用可能。

 

6位 防衛線の兵長
こいつの打点を上げるためにも極力人間で種族を纏めるようにしよう。3マナ域は夜勤隊の猛士とコイツ以外のコモンは基本入れたくない。

 

7位 ドラニスの癒し手
種族あってるし2マナ2/2に使えるオマケがついてるんでサイクリングシナジーとか関係なく入る。3ターン目に夜勤隊の猛士をキャストする事を考えるとタッパーとは別にパワー2ある2マナ域がある程度必要になる。

 

同率8位 検問官、死の重み
どちらも2枚目からは優先度を下げる。ルールスがいる場合、死の重みは少し上方修正してあげて3枚まで採用したんだけど、その場合は2マナの生物の価値を落として全体を調整してあげよう。

 

同率10位 神聖なる矢、刃による払拭
カワウソを3/4飛行に変容させるイージーウィンが青の定番なんだけども、白赤だとダメージのプレッシャーが強くてそんな事されても「殴れるもんなら殴ってみろよ」で終わるんだけど、白黒だと「おねがい!ぶたないで!」って涙目で訴えることになるんで神聖なる矢は重要です。

 

12位 野生肉の密猟者
枚数はいらないけど必ず1枚確保したい。それほど気にしなくてもこれが回ってこないような位置で白黒人間やる事はないと思うから大丈夫。

 

13位 隠れ潜む名射手
あったらいい仕事するけど別になくても困らない。白黒やってんのに何かの間違いでカード足りなくなりそうな時はこいつを突発的飛行で飛ばして急角度で勝ちに行くという弱者の剣もあるので覚えておこう。

 

14位 靴かじり
夜勤隊の猛士が3枚以上あるのに2マナのアタッカーが足りないみたいな時は人間以外でも採用する価値がある。
赤タッチしてヤマオウム入れる時は積極的に採用したい。既にオウム取れてたら7位まで上方修正する。
接死つきの1点撃ち込む時用に北斗の拳の秘孔をつく時の「アタァ!」みたいなエモート実装して欲しい。

 

15位 進化する未開地
ヤマオウムの受け入れを作ろう!ヤマオウムが殺せる赤除去の受け入れを作ろう!白黒はある程度ロングゲーム想定するから3色目タッチできるんで赤だけじゃなく鮫台風とかもシングルシンボルのボムは貪欲にキャッチしよう。

 

16位 磨かれたやせ地、風に削られた岩山
ヤマオウムの(以下略

 

17位 翼膜の虎
人間以外の種族としてはコモンで採用するの唯一のスタメン生物。
安くて仕事きっちりする。こいつみたいな部下が欲しい。

 

18位 相互破壊
頑張って取る必要はないけど1枚は特に仕込みを意識しなくても無理なく採用できる。投げつける用のダンゴムシをわざわざ採用するまでもなく1/1トークンは出てるはず。

 

19位 頑丈なダンゴムシ
夜勤隊の猛士が3枚以上あるのに2マナのアタッカー(略
ヤマオウムや騒がしい収穫者が取れた時は種ポケモンとして採用しよう。終盤は暇な時にサクって2点ゲインと1ドローにする事も割とある。

 

20位 サヴァイの剣歯虎
夜勤隊の猛士が3枚以上あるのに(略
ヤマオウムや騒がしい収穫者の種ポケモン(略

 

同率21位 狐インコ、洞窟で囁くもの
ヤマオウムみたいな強力な変容がある時以外ははいらない。
2マナ域は種族違ってもとにかく最低必要枚数埋める目的でお呼びがかかる時があるんだけど、重い生物はもっと厳しく審査して行こう。

 

23位 闇の取り引き
1枚なら入ってもいいけどそんなにがんばって取りに行く必要ない

 

24位 息詰まる噴煙
サイクリングついてるからメインから入れても完全に無駄になる事が無いのがうれしい。白赤の全体強化にこれ合わせてブッ刺して殺すたびに興奮しすぎて少しずつ前立腺が肥大していくのが分かる。

 

25位 記憶漏出
いつも強いカードに押し出されがちだけども、緑の重いフィニッシャー、青のカウンター確認、サイクリングの根本原理や天頂の閃光、白赤の全体強化など割とどのマッチアップでも狙いたいカードはあるんで1枚採用する分には悪くない。

 

26位 突発的飛行
4/2飛ばそう。2回ド突ければそれだけで10点だ。強いデッキには入らないけど弱いデッキの勝ち手段になるっていう、いわゆる「マネドラっぽいカード」

 

27位 トラバサミ
レアケースだけどルールス取れたらコイツ使いまわして気持ちよくなろう。

 


▲サンコモンランキングトップ10

 

1位 聖域封鎖
人間で統一できればレア級の強さ。合計で12枚くらい人間が欲しい。日勤隊の指揮官、夜勤隊の猛士は1.5枚でカウントして良い。

 

2位 雄々しい救出者
ドラフト終盤ならぐっと優先度を下げてもいいが、2パック目2手目くらいまでなら採用してサイクリングとのハイブリッドが狙える。
全体を最適化してあげる必要はあるけども、こいつにはそれだけの価値がある。ただし白赤と同様かそれ以上にサイクリングカードの厳選は必要で、赤タッチの目まで含めて素出しの価値のあるサイクリングカードを集めよう。集まらないようなら無理に弱いサイクリング入れるよりは損切して「ちょっと気の利いた2マナ域」として採用するくらいでいい。

 

3位 ヤマオウム
聖域封鎖が取れていない場合はタッチして接死砲台を目指そう。種ポケモンは最低4枚は欲しい。

 

4位 想起の拠点
ほぼ白黒専用パーツなんで卓一ならちゃんと回ってくるはず。こいつと野生肉の密猟者とのシナジーが白黒の強味の一つ。

 

5位 将軍の執行官
ナイス2マナ域。白黒が既定路線なら血液凝固よりも優先してあげていい。
夏コミでこいつとドラニスのクードロ将軍のBL本出します(出しません)

 

同率6位 不吉な戦術、無情な行動

白黒が確定しているなら不吉な戦術を優先する。まだ青黒や黒赤の渡りがあるなら無情な行動で判断を保留するのが丸い。
ここまでが血液凝固よりも優先度が上のライン。

 

8位 炎の氾濫
ヤマオウムが殺れる除去は偉いんだよ。

 

9位 全てを狩るものの意志
どんなアーキタイプでも強いけど、盤面固めてシステムを構築する白黒でこそ本領を発揮するカード。

 

10位 騒がしい収穫者
ヤマオウムと同じく聖域封鎖が取れてないんなら人間要素薄めて採用してあげる価値はある。

 

▲サンプルデッキ

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以上、白黒の解説でした。次こそは変容系のアーキタイプの解説したいなぁ