阪神淡路大震災と 日経平均株価 |
1995年1月17日(火)午前5時46分51.6秒、兵庫県南部の活断層(野島断層)が一千年の眠りから目覚め、約40kmに渡り、巨大な亀裂が発生します。
マグニチュード7.2の直下型大地震でした。
阪神淡路大震災は、死者6,425人、被害総額10兆円をもたらした大災害でした。
さて、この日の日経平均の寄り付きは、前日と比較すると、 なんとわずか9円安で始まります。 |
復興需要で建設は買いとか、壊れた家財道具に対する需要が見込めるとか、馬鹿な主張が横行して、正しい認識がされなかったようです。 終値も78.84円安にすぎません。
市場が、地震の影響の深刻さを認識したのは、翌週明けの23日(月)です。
この日の日経平均は1054.73円の暴落です。
おそらく、連休中投資家が長時間放映されたテレビを見て、被害の悲惨さに影響を受けた結果だと思います。
(実は私もその一人です)
地震の影響で、日本中の人は買い物をする気分ではありません。
消費者心理も冷え込み、株価は値下がりを続けます。
ニックリーソンは、この値下がりを予測できず、日本株投機に失敗し、名門ベアリング銀行を潰します。
こうした影響は、短期間では、おり込めないようです。
3月20日午前8時頃、オウム真理教が地下鉄でサリンをばら撒き、暗いムードに拍車をかけます。
大地震から、76日たった、4月3日(月)のことです。
新年度初日、日経平均は758.66円も暴落して、15,381.29円となります。
地震の直前の19,331.17円と比べると二ヶ月半で20.4%の暴落です。
しかし、「人の噂も75日」で、後から考えるとこの日が底でした。
その後株価は、回復5月の連休後には17,000円を越します。
◆◆さて、根拠は極めて薄弱ですが、◆◆
◆◆例のアメリカの同時多発テロ事件にこれを当てはめると◆◆
◆◆11月26日(月)頃が底値と予測できます。◆◆
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もちろん、アフガニスタン情勢にも、影響は受けますが・・・◆◆
狂牛病騒動と 焼肉レストランの株価(前編) |
2001年夏、不思議な牛が食肉処分されます。
この牛は、千葉県の酪農家が、北海道から仕入れた子牛を育てた乳牛でしたが、
ふらふらとして、歩くことが出来ません。
どうも狂牛病に似た症状です。狂牛病にかかった牛の脳や脊髄を人間が食べると、その人間も狂牛病にかかり、次第に脳がスポンジ状になってしまいます。
この牛は、輸入された肉骨粉で、効率よく飼育されました。
本来、草食動物のはずの牛が、人間の都合で、骨髄まで食べさせられる。
クロイツフェルト・ヤコブ病(狂牛病もその一種)は、人の脳を食べる人食い人種に多い病気だそうです。
この事件は、自然の摂理に背いた人間に対する、天の裁きかもしれません。
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(株)レインズインターナショナルは、首都圏を中心に「牛角」をチェーン展開する焼肉レストランです。
2000年12月18日には、JASDAQに上場し、株価は、今年の夏には300万円を越していました。
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農水省は9月10日、狂牛病に感染した恐れのある牛1頭を国内で初めて確認した、と発表します。
同省によれば、この乳牛は、既に焼却処分されたとのことです。 |
一緒に飼育されていた牛は隔離され、肉などを市場に流通させない措置がなされたとのことです。
翌11日、武部勤農水相は「飼料として与えられた肉骨粉が(感染の)原因だということは、ほぼ間違いない」と述べます。厚生労働省も食肉安全対策本部を設置します。
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さて、千葉の牛のニュースが最初に流れた、9月10日(株)レインズインターナショナル(以下「レインズ」と略す)の株価は、4万円安の256万円、出来高は90株でした。
そして、狂牛病の疑いが濃厚となった翌11日は、ストップ安(出来高127株)、12日もストップ安(出来高7株)、13日は10万円安(出来高40株)で、株価は206万円まで暴落します。
14日、リバウンド狙いの投資家がレインズに飛びつきます。
この日のレインズは10万円の反発。242株の大商いでした。
◆◆ところが、とんでもないニュースがこの直後発表されたのです。◆◆
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この続きは、明日発表します。◆◆
狂牛病騒動と 焼肉レストランの株価(後編) |
9月14日、焼却処分したと発表した、狂牛病に感染した疑いのある牛が、飼料の肉骨粉となっていたことが明らかになります。これを牛が食べれば、狂牛病が伝染してしまいます。
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15日(土)、16日(日)の テレビのワイドショーは、 農水省の不手際な対応と狂牛病の恐怖を放送します。 週明け17日のレインズの株価は、ストップ安の196万円。
9月下旬から、消費者の不安の高まりから、焼肉レストランの客足は、激減します。日本フードサービス協会によれば「焼き肉レストラン」の9月売上高は、前年比12.1%減と初めて2ケタのマイナスになりました。(この時点で、マクドナルド、吉野屋への影響は余りありませんでした。)
株価の暴落が続きます。
9月27日、この銘柄としては、空前の出来高、624株を記録します。 株価は、ザラ場の安値が128万円、終値は142万円でした。 しかし、この時点がセーリングクライマックスで、大底だったのです。 |
この日、勇気を出して買った人には、頭が下がります。
この価格を下回ることは当分ないと思います。
次の日から、出来高の減少とともに、株価は堅調に推移し始めます。
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10月12日、東京都で二頭目の狂牛病の疑いのある牛が、公表されます。
しかし、同日夜、確定検査でこの牛は、狂牛病でないことが確定します。
その後も、疑惑の牛が登場しますが、すべて白の結果がでます。
つまり、日本では、今のところ、たった1頭しか発見されていません。
これに比べて、イギリスは、原因不明の期間が長いこともあり、悲惨です。
イギリスで狂牛病にかかった牛は、87年以降の累計で17万9800頭、処分された牛は約480万頭に達します。
それでも、人間の狂牛病の発病例は、わずか約100人程度です。
ただし、潜伏期間が10年もあり、その影響はまだ分らないという意見もあります。
18日、週刊文春が「首都圏在住の女性に狂牛病発症決定的」というデタラメな記事を書いて、ヒンシュクをかいました。
まぁ、対策はとられているようだし、狂牛病にかかる日本人は、いない確率のほうが高いでしょう。この種の話は、ガセネタとみて間違い有りません。
◆◆この空騒ぎを利用して、高級和牛の霜降り肉のステーキを、◆◆
◆◆底値で味わっては如何でしょうか?◆◆
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鶏肉や豚肉より、牛肉は美味しいですよ。◆◆
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下のチャートは、この種の事件の参考にならないかな。◆◆
雅子様の御出産で 株価は上がるか? |
10月26日、皇太子妃雅子さま(妊娠9カ月)の安産を祈る皇室の行事「着帯式」が、東京・元赤坂の東宮御所などで、しめやかに行われました。安産といわれる犬にあやかりたいという理由で、この日は、戌(いぬ)の日でした。
さて、御出産で日本のムードが明るくなり、株が上がるといいですね。
こうしたあまり実用的でない話題を好む私は、早速、過去のデータの調査を開始しました。
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1960年2月23日、午後4時15分、美智子皇太子妃(当時)は、男のお子様をお産みになります。
体重2540グラム、予定日より8日早いご出産でした。
29日朝9時、宮内庁病院で「浴湯の儀」が、同11時より「命名の儀」が行われます。
お名前 は、徳仁(なるひと)
ご称号 は、浩宮(ひろのみや)
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御出産を間近にひかえた1960年2月20日、
東証修正株価は1002.46円となり、戦後初めて1000円の大台を突破します。
御出産の直後の24日こそ、値下がりしますが、その後は7日の連続値上がり、うち6日間は過去最高記録の更新でした。 5月に一時的に値下がりしますが、再び力強く上昇を開始します。
一年後の1961年2月23日には、1575.6円を記録します。 実に、57.4%の値上がりでした。 |
経済的背景としては、投資信託がブームとなり株価を押し上げたのですが、ご誕生効果も大きかったかもしれません。
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さて、もう一例、68年も前の話。
天皇陛下は、1933年12月23日 、昭和天皇の第一皇子として、お生まれになりました。
それまで、昭和天皇には、女のお子様ばかり4人続いておりました。
心配した側近は、側室を勧めましたが、昭和天皇は「良子(香淳皇后)がよい」とお断わりになりました。
仲睦まじい両陛下にとって、待望の後継者のご誕生なのです。
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世界大恐慌の影響で、日本の経済が最悪になった年は、1931年です。
そして、満州事変と高橋是清の積極財政で1932年から経済が上向きになります。
具体的数字が分からなくて恐縮ですが、
山崎種次の伝記を読むと当時の状況は、だいたいわかります。
1934~5年は、ご誕生効果により?どうもミニバブル相場が発生していたようです。
◆◆このバブルは、1936年の2・26事件を契機に崩壊したようです。◆◆
◆◆このとき山崎種次は、売りで大儲けをします。◆◆
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ウーン、来年は「ご誕生効果」を期待できますか?◆◆
オウム・サリン事件と株価(前編) |
1993年8月、狂気の天才科学者・土谷正実は、サリンの合成に成功します。
1994年4月、オウム真理教の科学技術省大臣・村井は噴霧装置を完成し、富士川河口近くでサリンの噴霧実験を行います。
準備万端整い、後は、実戦で効果を試せばよいのです。
土地問題の訴訟でオウムに対して不利な判決が出されます。
麻原彰晃は、新兵器サリンを使い、この裁判官へ報復することを決定します。
裁判官は、長野県松本市の公務員官舎に住んでいました。
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その男は、オウムが松本でサリンをばら撒くことを、何故か事前に知っていました。
オウムの幹部かもしれませんし、あるいは幹部から情報を手に入れる立場にあった人物かもしれません。
男は、この情報を利用して株で金儲けをしようと考えます。
サリンのテロが起きれば、人々は恐怖から防毒マスクを欲しがるに違いありません。
いったい何を買うか?
重松製作所は、産業用防毒マスクのシェア8割の企業です。
同社の株は、普段は1千株~5万株の出来高しかありません。
その男は、5月6日の寄り付き600円から買い始めます。
そして、2週間、男は100万株も重松製作所を買いあさります。 途中から提灯がつき、19日には、株価は1090円まで暴騰します。
男の平均買値は、860円、合計8億6000万円の投資です。
後は、オウムが事件を起こすのを待つだけです。
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1994年6月27日(日)午後11時前ごろ、長野県松本市の会社員の河野義行さんは妻と一緒にテレビを観ていました。
妻が突然、気分が悪いと言い出します。
河野さんは、119番通報をします。
しかし、被害は、河野さん宅ばかりでなく、周辺の住宅に広がっていました。 オウムの憎むべき犯罪は、死者7人、重軽傷者600人以上の犠牲者を出したのです(松本サリン事件) |
28日、夕方、捜査本部は「被疑者不詳の殺人容疑」で、河野さんの自宅を捜索、薬品類などを押収します。
なんと、第一通報者の河野さんを犯人と決めているようです。
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6月28日、重松製作所は880円で、前日と変わらず。出来高は僅か7000株でした。
翌日も薄商いで、株価は変わらず。
どうも警察の誤認捜査のせいで、国民の恐怖心が盛り上がりません。
◆◆「警察の馬鹿め!」、男は、困り果てます。◆◆
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この続きは、明日発表します。◆◆
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本編は、takebe さんの掲示板への投稿をヒントに書きました。◆◆
オウム・サリン事件と株価(後編) |
7月3日、事件の原因物質がサリンであることが判明します。河野さんの自宅から、サリンが検出され、7月7日頃から、無実の河野さんを犯人扱いする新聞記事、テレビ報道が溢れだします。
この疑惑が完全に晴れたのは、翌年3月20日の地下鉄サリン事件が起こった後のことです。
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男は、予想外の展開で株価が値上がりしないので、焦りを感じ始めます。何せ、高利で借りている資金です。こんな流動性の乏しい株を売れば暴落が必然です。男は、損失を出しながら少しずつ株を処分します。
1995年1月17日、阪神淡路大震災が起こります。
震災現場の必需品として、防塵マスクの売れ行きが増えます。
重松製作所の出来高も少し増え、男は損切りを完了します。
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麻原は、警察にもぐりこませた信者からの通報で、上九一色村の強制捜査が近づいていることを知ります。 裁判関係の記事によれば、3月18日、麻原は、リムジンの中で、村井に地下鉄サリン事件の総指揮をとることを命令します。 しかし、その男は、村井よりはるかに早い3月6日に、この情報を掴んでいたようです。
1995年3月20日、東京都内の営団地下鉄日比谷、千代田、丸ノ内線各線の5本の地下鉄車内のラッシュ時。 場所は政府機関が集中する霞ヶ関周辺。 林郁夫らオウムの犯罪者は、ビニール袋に入ったサリンを傘の先で突き、無差別テロを実行します。 (地下鉄サリン事件) |
この犯行で、12人が死亡、5311人がサリン中毒の被害を受けました。
3月22日、鳥かごのカナリヤを先頭に防毒マスクと防護服を装着した警察官が、サテアンなどを強制捜査します。
狂気の犯罪集団オウムの正体が明らかになります。
・・・・・・・・・・・
「近い将来、サリンのテロと強制捜査が行なわれる。」、男は地団太を踏みます。
もう少し前だったら重松を売らずにすんだのに、ついていません。
警察の強制捜査にも大量のマスクは必要です。オウムは、上九一色村に立てこもり、警察との長期戦になるかも知れません。 男は、再び防毒マスク株を買うことにします。
今回は、銘柄を換えて、防衛庁や警察に強い興研を買うことにします。
3月6日、2500円(360円高)で8万株、7日2580円(80円高)で118000株。
その後、株価は低迷しますが、男は、その時を固唾を飲んで待ちます。
3月20日、地下鉄サリン事件発生。
しかし、この瞬間に、サリンの犯人は、河野さんではなくオウムだと誰もが確信をもちます。
この日の興研株は、250円値上がりしますが、1970円に回復しただけです。
男の買値を2割以上、下回っています。
21日は、春分の日。さて、翌日の強制捜査の日。
事件の解決を見越して、興研は220円も暴落し1650円になります。
男の思惑は、完全に失敗し、後は破滅が待っていました・・・・
しかし、最近の炭そ菌テロに関連して、重松や興研が値上がりしたのを体験すると
この男の読みは的外れとも言い切れません。
◆◆インサイダー取引にもリスクがあることがよく分かります。◆◆
◆◆
調べるとこの話は、かなり有名なようですが、この男って誰でしょうね。◆◆
米ウォルマートと西友の 提携と株価(前編) |
・・・・その日は、2002年3月14日でした・・・・・
世界最大の小売業米ウォルマートが西友と提携する。
そのスクープが最初に公表されたのは、午後2時のNHKニュースでした。
テレビを見て直ぐ、買い注文を入れた方は凄い方だと思います。 この相場の最大のチャンスは、放送後の僅か約10分間でした。 |
この後、株価はストップ高の380円(+26.7%)に張り付き、約20万株が比例配分されます。
買い残は、なんと644万株・・・
・・・・・・翌15日の朝刊一面トップは、すべて、このニュースについてでした・・・・・
西友がウォルマートに買収されることを、全ての人が知ったのです。
市場が開かれると、買い注文が殺到して、ストップ高、特別買い気配のまま終了します。
午後3時、460円(+53.3%)で145万株が、比例配分されます。
買い残は、空前の26,404,000株。当選者は、19.2人に1人の割合でした。
午前8時より前に、成行買い注文を入れた人は幸運をつかんだようです。
この日の信用の売り残は、1,569,000株でした。
たまたま、信用売りをしていた人は、交通事故に遭ったようで、本当にお気の毒です。
二日間は、どうすることも出来なかったと思います。
しかし、過熱した値動きに疑問を感じる人も多くなります。
よく考えると正論のような気がします。
・・・・・さて、土日の休みの後、18日の市場が始まります。・・・・・・
数百万株の買い。先週よりは減ったものの、ストップ高に張り付きます。
540円、特別買い気配となります。
今日も、このまま比例配分か?
・・午前10時・・
◆◆その注文は新光証券から出された可能性が高いようです。◆◆
◆◆
300万株の売り!◆◆
◆◆
この続きは、3月21日、発表します。(2日間仕事で休みます)◆◆
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