「安価な食糧を大量生産。圧倒的な武力を背景に、経済侵略を企むですか…流石はアインズ様」…とデミウルゴスと感激させた。アインズの絡め手【アンデッドを働かせて領地を富ませる】計画
通称:プランテーション計画が実行された。
食糧の量産計画事態はアウラの協力で、第6階層での生産実験は成功しているが、あれはナザリックの力で完全に整えられた環境での実験でしかない。
「農業に向いている配下のモンスターが欲しい、農業出来る奴何ていないし指揮官役が必要だ。
傭兵モンスターは戦闘にしか向かないし〝壊す〟は得意だが〝創る〟は苦手なのばかりだ」
アインズは召喚できるモンスターの能力を思い出しながら悩み続ける…
そんな中、過去に貰ったアイテムで、器用な不死者を呼び出す物があったと思い出す。
「たしかブループラネットさんがファンだった大昔の番組関係のだっけな?」
◆
呼び出したモンスターは〝東京屍鬼〟と言う食屍鬼の亜種、それが5体。
levelで言えば60程度で戦闘力は低いが(ユグドラシル基準)反面、各種豊富な生産スキルを所持している。オーバーオールに白シャツを着て頭にはタオルを巻いた奇妙な格好で、食屍鬼の亜種なはずが、肌の色を気にしなければ人間社会に潜り込めそうなほど人間に近い。
「なにこれ?知らんへん景色なんやけど」「リーダー知らないの?異世界召喚って奴」
アイテムで呼び出した魔物は普段の召喚と違い、呼び出された者どうしで和気藹々としてるようだ。…なにか微妙に気になる内容を話しているが、アインズは気にしない事にした。
性質はカルネ村に居るゴブリンに近い気がする。…まあ仕事が果たせればいいかと判断する。
「実はアンデッドの皆さんで大規模農業地を作って欲しいという企画がありまして…」
何故か口調を改めて喋ってしまうアインズ。
「大規模農業地を作るってどのレベルで?野生植物から農作物へ形質転換させる所から?」
「それだと大掛かりになるなぁ~」
「1回この世界の農家を見てみたいよね?」
その意見に納得したアインズは、一行を魔導国提携農村であるカルネ村へ移動させた。
「あぁーいい景色だなぁ」
「すっげえ、小さな村なのに防御壁が作ってあるよ」
5体のアンデッドがふらふらとカルネ村へ到着する、
外見は人間に近いとは言え不審な男達に武装したゴブリン達が警戒して取り囲む。
「こんにちわー」とアンデッドとは思えない明るさで村を守っているゴブリンに挨拶する。
ゴブリンも村人も慣れたもので、アインズ・ウール・ゴウン産のアンデッドと説明すると簡単に中に入ることができ、カルネ村村長、エンリ・エモットに面会し畑を見せて貰うことになった。
「うわぁ、見てみ、キャベツがあるで、種類としてはグリーンキャベツが一番近そうやな」
「そうだね、作物の種類はあんまり変わらない感じはあるね」
ラール麦など独自の品種は見つかったももの、作物自体は大きな違いが無い事に一行は安堵する。
〝東京屍鬼〟達は大規模農場で何を重点的に作るかその計画を話し合っていた。
「宜しければ、お昼食べていかれません?」
村長のエンリさんがそんな提案してくれた。
〝東京屍鬼〟達は顔に親しみの溢れる朗らかな笑みを浮かべる。
出された料理は焼きたてのパンと、新鮮な野菜とお肉をたっぷり使ったスープだ。
「うっめー」
「うーんまいっ」
「これは美味しい」
「あれやな、調理法も上手いが野菜の質も良いんやろな…」
リーダーと呼ばれる個体種がカボチャのような野菜を食べ、謎の固有スキルを発動させた、
「糖度19以上あるな!」と言葉を呟くが、エンリもゴブリンも理解できなかった。
その後、薬師のンフィーレアと肥料と農薬に対して話し合った、得るものは少なかったが、安全な無農薬農薬は現地の薬師をも感心させ、カルネ村にも導入する事となる。
一行はカルネ村で学んだ事を生かしカッツェ平野へ戻る。
無限に人員を増やせ、それでいて疲労しないアンデッドによる開拓は順調であった。
森司祭であるマーレや、ドライアドやトリエント協力の元、不毛の大地は緑豊かな土地へと変わる。農薬を使わずともコキュートスやエントマの協力により害蟲問題も発生せず、世界のバランスを崩すレベルの生産性を生んだ…
帝国併合時に居場所を無くしたエルフをカッツェ平野の開拓村、通称:カッツェ村で保護して、生産者の一部に組み込む事で、不死者の農場へのイメージ改善、自然環境への配慮アピール、萌え麦のブランド化にも成功する。
それでも〝東京屍鬼〟達はこう語る、「まだまだ」だと。これは今ある物に満足せず、より良いものを作り上げていく姿勢だ。これからも彼らはナザリックのために改善を続けていくだろう。
アインズ「これはあれだ、チートキャラと言う奴だな」