アインズは時折ニニャの日記を時より読み返す。
この世界の情勢の復習と、少しばかり持った仲間意識と…暇つぶしのためだ。
睡眠を取らない分、夜間に時間が余ってしまうのだ。その時間を勉強に使うのが正しいのだが、難しい本とかは目が滑ってしまう。…アインズは適当にペラペラ本をめくり適当な所を開いた。
○月○日 天気:晴れ
今日は良い依頼が見つからなかったので体力作りをすることになった。
「ニニャは魔法使いなのに訓練頑張ってるな、しっかり胸筋も付いてきた気がする」と
ペテルが胸元を触って来た。反射的に手をやって避けようとしてしまう、危ない所だった。
そんな事をしたら私が女だとバレてしまう。
○月△日 天気:曇り
ゴブリンの部族の討伐が成功した。みんな抱きしめ合って喜んでいる、友情っていいなぁ。
でも、私との抱擁の時だけ回数や時間が長い気がするのは何故だろう?
…それだけ大切にされていると言う事だろうか。
○月×日 天気:曇り
仕事が成功したばかりなので今日は休憩日だ。
攫われた姉の行方を捜すために時間を使うが、一向に情報は集まらない。
エ・ランテル周辺でなく王都で探さないと駄目なんだろうか。
姉さん…無事で居て、もう1度会いたいよ!
○月×日 天気:曇り
魔法使いは魔力が尽きた時に無力になってしまう、だからルクルットに弓を習う事にした。
そうすれば魔力切れ後も戦闘に参加できるはずだ。ルクルット曰く弓の基本は腰らしい。
「大事なのは腰だよ腰ぃ~ほら動かさない」と何度も安定するように腰を弄られた。
…どうやら私には弓の才能は無い用だ。
タレントの件もあるし、魔法使いとして専念した方がいいとアドバイスされた。
たしかにそうだろう、姉さんを…いや仲間達を守れるくらい強くなりたい。
○月×日 天気:晴れのち曇り
ダインが「男同士、友情を確かめるために一緒に立ち小便をするのである」とか言い出した。
できるわけないだろ!ペテルとルクルットは喜々として同行して行ったけど。
…うーん、男の人の考えることは良く理解できない。
○月×日 天気:雨
雨の日は苦手だ、どうしても姉さんを奪われたあの日を思い出す。
盗賊ギルドに金を支払って調査して貰ってるが進展しない。
費用はかさむが調査する範囲を広げるべきだろうか…姉さん。
「……ふぅ、相変わらず酷いな!」
アインズは日記を閉じ。溜息を吐くと、遠隔視の鏡を覗き込む。
覗くのは遠方でなく、配下の寝室。
「ふふっ、ちくちくします…でもこのキスは何度しても幸福です」
「あぁ、ツアレ…私もですよ」
そこには1人の執事と1人のメイドがいちゃついてる姿が映る。
二人だけの空間を作り、そこだけが幸福な甘ったるい空間で包まれている。
「…酷いよな!?」
ニニャ「ねぇーさーん」(2回目)