「 白と黒はメイドのしるし!二十四時間戦えますよ!
ナザリック~ ナザリック~ 我らの~ナザリック!
ホワイトブリムは清楚のしるし、休日返上、叶いませんか!
アインズ・ウール・ゴウン アインズ・ウール・ゴウン
栄光の!アインズ・ウール・ゴウン!」
「止めよ、歌は本気(マジ)で色々まずいから歌うのを止めよ!」
団結して歌っているのはナザリックの一般メイド41人。
彼らが崇拝するSKO41のリーダーであるアインズの元に決死の覚悟で直訴に来ていた。
それはアインズの新しく出した公布がどうしても耐えられなかったからである。
「有給休暇はんたーい!」
「ナザリックのために働かせてくださいー!」
「私たち何か悪い事しましたかぁ~」
「謝罪致しますので、なにとぞなにとぞ」
「申し訳ありませんアインズ様ー!」
原因は有給制度の追加である。
有給と言っても給料は出していないので、実際には任意に取れる特別休暇であるが。
年に数日この特別休暇を取るように指示したのだが、これが二度目の直訴に繋がってしまった。
アインズは当然気が付いていないが、ホムメイド達にとって仕事を奪われると言うことは、存在意義を奪われるに等しい事態なのであろう。直訴など守護者が聞いたらブチギレ金剛レベルの事案なのだが、メイド達の要望が「ナザリックのためにもっと働きたい!」との意見であり、1回目の交渉時にアインズが「内容はともかく主張してきてくれて嬉しい」と語ったために、不問となっている。
(彼女達はへろへろさんの子でもあるから、こうも仕事を頑張るのかな?)
――いやいやいや、休めるなら休みたいです。今ではへろへろどころか、血液どろどろさんですよ…ハハッ――
…そんな事を考えてると、イメージに出て来たへろへろさんが無気力に否定する。
このナザリックの支配者として彼女達には幸せに生活して貰いたいと思っている、
…いや、彼女達だけではなく、ナザリックに住む全てのNPCがだ。
「落ち着くのだメイド達よ。お前たちの行動には非は無い。
ナザリックへの献身も理解している。だが、考えても見るのだ…
事前に有給休暇を申請すれば、仕事を休んで他に好きな事ができるのだぞ?」
「好きな事はナザリックのために働く事です!」
「特別な休暇なんていりません!」
メイドたちは否定的な意見を述べる、これにはアインズも参ってしまった…
そんな中、インクリメントが全員に受けるべきだと提案する。
メイドたちは円陣を作って話し合いが始まり、全員が納得したのか満面の笑みを浮かべた。
「有給休暇とやらを申請すれば、申請した日は本当に好きな事をして宜しいんですね?」
「無論だ、このナザリック地下大墳墓の支配者である
私、アインズ・ウール・ゴウンの名において誓おう」
アインズの回答にメイド達全員が安堵する、アインズもまた納得してくれたと安堵する。
…メイド達が有給休暇の申請をして、アインズ様係の補助役に付くと言う現実に直面するまでは。
…だって好きな事をして良いって!