ヘッケランlevel99   作:とし3

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…誰かもうやってそうなネタですが。


ヘッケランlevel99

 ――「もし許可があったとしたら?」

 

 ナザリックに許可なく土足で入り込んだ1匹の害蟲が突飛な事を言い出す。

 アインズはこの可能性も考えていた、自分の他にもこの世界に転移した仲間たちが居るのではないかと。最終日に最後まで残ってはくれなかったものの、4人の仲間たちがナザリックに顔を出している。もしも連絡も無しに突然ログインをしなかった仲間が、先に転移していたとしたら…

 ナザリックを捨てて行ったのではなく、先に飛ばされてしまったのだとしたら。

 その可能性を考えてしまい、アインズの思考が一瞬止まる。

 

 「……何?」

 

 細く繋がった糸が切れるのを恐れるように、振るえる声でアインズが尋ね返す。

 

 「もし許可があったとしたら?」

 

 「馬鹿な…ならば何故…」

 

 孤独な心に甘露のように染みわたる、まるで麻薬のような中毒性のあるこの考えは、

 アインズの心をしっかり攫んでしまった。

 

 「どんなことを言っていた?」

 「ナザリック地下大墳墓にいるアインズと名乗る男に宜しく頼む、と」

 「……アインズ?いや、と名乗る男なら…」

 

 そうなのだ…アインズを名乗る男だとすると、相手にしてもギルド名を名乗る男が、ナザリックを乗っ取った可能性も考えるだろう。だからPKの待ち伏せを恐れてナザリックに顔を出してくれない、…そんな可能性を考えてしまっていた。

 

 「ちなみに支配者が複数居た場合は、餡ころもっちもち、ウルベルト・アレイン・オードル、

  源次郎、死獣天朱雀 たっち・みー、タブラ・スマラグディナ、ぶくぶく茶釜、武人建御雷、

  弐式炎雷、ぷにっと萌え、ブルー・プラネット、ヘロヘロ、ペロロンチーノ、ホワイトブリム、

  やまいこ、ぬーぼー、ベルリバー、音改、ばりあぶる・たりすまん、スーラータン、

  ク・ドゥ・グラース、チグリス・ユーフラテス、以下略の皆様に宜しくとも言ってました。」

 

 男は急に早口になって呪文のようにSKO41(至高の四十一人)のメンバーの名前を暗唱する。

ナザリックのメンバーの事を知っている…しかも外部にはあまり知られていない人も含めてだ!

これは本当に仲間が来ているのかもしてない!そんな希望を持った反面、気になる事があった。

 

 「すまない…早口で聞き取れなかった、もう1回言ってくれないか?」

 

 「ですから支配者が複数居た場合は、餡ころもっちもち、ウルベルト・アレイン・オードル、

  源次郎、死獣天朱雀 たっち・みー、タブラ・スマラグディナ、ぶくぶく茶釜、武人建御雷、

  弐式炎雷、ぷにっと萌え、ブルー・プラネット、ヘロヘロ、ペロロンチーノ、ホワイトブリム、

  やまいこ、ぬーぼー、ベルリバー、音改、ばりあぶる・たりすまん、スーラータン、

  ク・ドゥ・グラース、チグリス・ユーフラテス、以下略の皆様に宜しくと言いました。」

 

  男は再び呪文のような、コピペで文字数を稼ぐような長文を繰り返した。

  …だが肝心の気になっていた点は聞き間違いでは無かったようだ。

 

 「えっ?あれっ?…モモンガに宜しくは?」

 

 「…いえ、残念ながらその名前は聞いていません、本当に居るんですかそんな人?

  あっ…すいません、もしかしたら私が間違えて関係ない所に入り込んでしまったのかも!?

  …謝罪します、許してもらえるのなら、相応の謝罪金として金銭をお支払いますので…」

 

 「クッ、クソガアアアアアアアアアアアァ!!」

 「クソッ、クソッ!クソアッ!」

 

 突然興奮しだすナザリックの支配者。

 感情抑制が怒や心の悲しみにスーッと効いて…これは…ありがたい。

 繰り返される感情抑制は精神は安定させたものの、

 心に刺さる悲しみは何時までも残り続けた。

 

 「…あの、帰っても宜しいでしょうか?」

 

 男が困ったように問いかける、今のアインズにはそれに対応する気力は無かった。

 

 「あ、うん…好きにして」

 

 銘菓ナザリック饅頭を手土産に、お見送り付きで侵入者は帰って行ったのだが、

ショックのあまりアインズはこの男の裏に居る者の名前を聞くのを忘れてしまっていた。

 

 後を付けさせてた者の報告によると、ナザリックを抜けて一定距離を進んだのちに、突然爆発し

肉片も、小さな骨の一片すら残らなかったと言う。貴重な至高の御方の情報を得られなかった事、

これはアインズだけではなく、ナザリックの守護者達をも陰鬱な気にさせた。(アルベド除く)

 

 

数日後、引き籠っているアインズと、お通夜のようになっているナザリックの元に、

「ドッキリ大成功」の看板とお手製のヘッケランゴーレム2号機を持って1柱の堕天使が降臨する。

 

 

 

 




…あっ、ヘッケランあんま関係ないや

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