兵庫県宝塚市の民家で住人のブラジル国籍の男女ら3人が死傷した放火事件で、3人と同居していた中学3年の女子生徒(15)と、同級生の少女(14)=いずれも殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕=が、少なくとも事件の数日前から犯行を計画していたとみられることが10日、学校関係者への取材で分かった。
また2人は女子生徒宅の台所から包丁2本を持ち出し、それぞれが1本ずつ所持していたことも、捜査関係者への取材で判明。兵庫県警宝塚署は、2人が家族への強い不満を背景に、計画的に犯行の準備を進めていたとみて、詳しい動機や経緯を調べている。
宝塚署によると、2人は9日午前2時半ごろ、宝塚市の女子生徒の自宅で、階段や壁にゼリー状の着火剤をまいた上で火をつけ、女子生徒と同居する3人を殺害しようとした疑いが持たれている。この火災で女性(31)が死亡、男性(39)ら2人が意識不明の重体となるなどしている。
2人の同級生によると、この前日の8日、2人は通学する中学校の昼休みに、「今日の未明に火を付けようと思ったが、起きられなかった」と話していたという。
2人は女子生徒宅に放火した後、同級生の少女宅に移動。台所に油をまいていたところ、母親(36)が気づいて通報、駆けつけた宝塚署員に身柄を確保された。
宝塚署は10日、2人を殺人と殺人未遂、現住建造物等放火の疑いで送検した。
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