求人 NEW

笑顔膨らむ
日本で唯一の
手づくり風船職人

※この仕事は募集終了いたしましたご応募どうもありがとうございました

カラフルな色にまんまるなその形

糸で手首につけてもらったりなかなか膨らまなくてお父さんに空気を入れてもらったり

記憶をたどると風船がある光景ではみんなが笑顔になっていたような気がします

そんな誰もが触れたことのある風船現在はそのほとんどが東南アジアの工場でつくられており日本での製造はごくわずかだそう

そのなかで唯一手づくりにこだわって風船をつくり続けているのが千葉県銚子にあるマルサ斉藤ゴム銚子工場

つくり手は4年前に日本仕事百貨を通して採用された伊藤貴明さん伊藤さんは先代の職人から技術を受け継ぎマルサ斉藤ゴムの代表斉藤靖之さんと一緒に手づくり風船の未来を広げてきました

その伊藤さんがマルサ斉藤ゴムを離れ新たなチジをすることに

今回は伊藤さんから技術を受け継ぎ日本で唯一の手づくり風船職人として働く人を募集します

ものづくりを淡々とこなしていくというよりは風船づくりの技術や工場全体のマネジメトも含めて斉藤さんと一緒に改善しアップデートしていくメージです

斉藤さんは風船を通していろんな夢を膨らませている人その夢に共感して風船職人として一緒に歩んでいけるそんな人にぜひ来てほしいと思いました



朝9時東京墨田区

曳舟駅を降りスカツリーを見上げながらマルサ斉藤ゴムの事務所へ

この日は月に一度斉藤さんが千葉県銚子にあるマルサ斉藤ゴム銚子工場へ行く日一緒に乗せてもらい車で2時間半の道のりを銚子まで向かう

マルサ斉藤ゴムは斉藤さんのおじいさんが設立した会社今年で創業69年を迎え親子3代に渡ってゴム風船を届けてきた

斉藤さんが会社を引き継いだのは今から10年前のこと斉藤さんのお父さんが倒れたことがきっかけだったという

急だったから心の準備もできていない状態で社長として何をすればいいのかわからないというのもあったしなによりいざ継いでみると風船の未来がないって思っちゃって

風船ってやっぱり買って遊んでくれるのは子どもだから子どもが減っていくなかでこの先やっていけるのかなってそのときすごく悩んだ

風船をどうやって売っていくか会社を続けていけるのか社長になることで直視しなければならなくなった現実に斉藤さんは苦しんだという

悩みを脱していく大きなきっかけになったのが北九州発祥のふうせんバレーボールというスポーツを知ったことだった

お年寄りや障がい者や子どもみんなが一個の風船で楽しそうに遊んでいてそれを見たときにものすごく感動したんだよね風船って子どもだけのものじゃなくて実はいろんな人が楽しめて笑顔になれるものなんだって気づくことができた

そうやって目の前が開けたら楽しくてしかたなくて大人やお年寄り向けの風船をつくれたらもっといろんな人のあいだで広がるし風船の可能性ってまだまだあるんだって

目指したのはどんな人でも楽しめるような手づくりでしかつくれない風船デザナーとタッグを組んで商品開発を進めた

そして生まれたのがmarusa balloonシリーズ

膨らませると色が変わる“HEN-SHIN BALLOON”や一定の空気量で止めることで動物の形を維持できる“mammal P”膨らませずに指にはめて遊ぶ“mammal puppet”など子どもだけじゃなく大人も欲しくなるような新しい風船が完成した

マルサバルーの人気は徐々に広がり海外の展示会に出展するほどに現在ではヨーロッパや東南アジアなどにも広がっている

手づくり風船の可能性を感じた斉藤さんは当時後継者がいなかった工場を引き継ぎ新たな風船職人を募集することに

そして来てくれたのが伊藤くんで先代から技術を受け継いでもらって今は風船職人として5年目になるかな

話が一息ついたころ高速道路を降りて一般道へ一面に広がる畑のなかに野菜の無人販売所が点々としている

たまに野菜を買って帰るんだよね今日は良さそうなのはないかなぁ運転席からのぞき込む斉藤さん

そんなことを話していると次第に海が見える景色に海沿いの道を進み住宅街を抜けると現れたのは一面のキベツ畑その隣にあるのがマルサ斉藤ゴム銚子工場

工場とキベツ畑が広がるなんとも不思議な光景

斉藤さんに案内されて工場の中へ聞こえてくるのはFMラジオの音と風船を型からはがすペリッペリッという音

ゴム風船のつくり方は意外とシプルガラスやプラスチックでできた風船の型を色をつけた天然ゴムの液体につけて高温の温室で乾燥させる細かい作業はあるけどこの基本的な作業を何度も繰り返すことで厚みが出て丈夫なゴム風船ができあがる

そしてしっかりと乾燥させたら型から一つひとつ手で剥がしていく試しにやらせてもらうとこれがなかなか難しい膨らんだ部分がスムーズに抜けないし意外と力も必要だコツは手のひら全体を使うことだそう

慣れてコツがつかめれば簡単なんですけどね自分も最初はうまくできなくて腱鞘炎になったりしました

そう話すのは4年前に手づくりゴム風船職人の後継者としてマルサ斉藤ゴムにやってきた伊藤さん柔らかい丁寧な雰囲気それでいて作業する手つきは職人そのものなのが印象的

ひと段落したところで風船づくりについて聞いてみる

一番神経を使うのはゴムの粘度管理ですね暑いときはさらさらになって型につかないし寒いときはどろっとしちゃって型にべっとりついてしまうのでその調整が大変です

先代は粘度管理や型をゴムの液に何秒つけるのかっていうのを感覚でやっていて最初メモ取らないで見て覚えろって言われたんですよでもそのおかげで今は自分の感覚を信じてやっています

伊藤さんは先代のもとで2年ほど勉強していくなかでその感覚を磨いてきた同時に手間をかけない方法はないか感覚の部分を数値化できないかということにも取り組んできたそう

たとえば粘度管理これまで伊藤さんは先代から学んだ感覚を頼りにやってきた

粘度を数値化することができる粘度計というものを最近導入してもらったんですこれを使えばこれくらいの数値のときに何をすればいいのかがわかりやすくなるので適切な粘度管理ができるようになると思います

ほかにもゴムの液体に入れる薬の配合の仕方を変えてみるとかまだまだ改良できるところはたくさんあるので引き継ぐなかで一緒に考えていけたらいいですね

技術を継承しながらよりよくできるところは改良していくその積み重ねが品質の安定につながるし今後手づくり風船の技術を伝えていくためにも必要なことだと思う考え方としてはデータ分析をしながら問題解決に向かっていく理系的な思考があるといいかもしれない

すると隣で聞いていた斉藤さん

設備も新しいものに変えていければいいんだけど一気に変えるのは難しい今あるもので工夫できること設備的な部分から考えたほうがいいこと両方含めて一緒に考えながらやっていけたらと思っていて

技術改良だけじゃなくてデザや商品開発とかクリエブなこともできる環境なので単なる職人や工場長とは違った魅力があると思うよ

職人だけどその言葉だけでは収まらないようなことにもチジできる

伊藤さんはどうして風船職人になろうと思ったんでしょう?

以前はずっと車関係の仕事をしていましたそのなかで英語ができないといけないと感じて2年間青年海外協力隊としてフリピに行ったんです

そこでフリピの人たちが家族や恋人つまりを生活のなかで大切にしていることにすごく感銘を受けて日本だと仕事が一番みたいな考え方が多いように思うんですがそうじゃない考え方もあるんだなって

日本に帰ってきてからもリピで感じたことがずっと心の中にあったというそんなときに日本仕事百貨を眺めていて見つけたのが風船職人の記事だった

風船ってそれまで自分がまったく知らない世界で知らないから逆に興味を持ったし日本で唯一の職人に価値というか魅力のようなものを感じました

銚子という場所も住んでみるとすごく良いですよこの風船屋さんって有名みたいでいろんな人が声かけてくれて銚子はトも多いので地域の催し物を通して知り合いも早くからできました

風船職人として働いてみてどうでしたか?

最初に思ったのは体力を使う仕事だなって風船って軽いものというメージがあったんですが意外と重いものを扱うことが多いんですゴムの液体が入ってるドラム缶とかは想像以上に重かったですね

コツがあるのでやっていけばできるようになりますよ僕が来たときはその仕事を70歳超えた先代の職人が普通にやっていたのでこの人すごいなって

体を動かすことクリエブな風船づくりの仕事どちらも楽しめる人に来てほしいと伊藤さん

一番印象に残ってるのは北九州にふうせんバレーボールの大会を見に行ったときかな子どもも大人も高齢者も障がい者もみんなが楽しんでいるそこで自分のつくった風船が使われているっていうのはうれしいしやっていてよかったなと思いましたね

僕もその感覚は同じだなぁと斉藤さん

ものをつくることによってお客さんにいい影響を与えられる笑顔になってもらえるこれってすごく素敵なことだし一番嬉しいことだと思うからものづくりって結局はそういうことだと思うんだよね

斉藤さんはどんな人に来てもらいたいですか?

僕はパートナーっていう言葉を使っていてもちろんものづくりの大変さはあるかもしれないけど自分で考えて動いていける手づくりゴム風船の未来を一緒に歩んでいけるそういう志がある人かな



銚子からの帰り道斉藤さんは一番やりたい夢について話してくれた

マルサ斉藤ゴムの技術を海外の人に伝えて現地の人だけで生産できるようにしたいマルサ式風船の文化を華道や茶道みたいにマルサ風船道として根付かすことができたら最高だよね

風船を通して世界中の人たちが幸せな気持ちになって笑顔になってほしいなって風船ってそういう力があると思うから

みんなを笑顔にする風船の力それを信じて一緒に夢を膨らませる

なにかひとつでも引っかかったらぜひ応募してほしいです

2019/1/31 取材 稲本琢仙

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事