Archaïscher Torso Apollos/Rilke

Wir kannten nicht sein unerhörtes Haupt,

darin die Augenäpfel reiften. Aber
sein Torso glüht noch wie ein Kandelaber,
in dem sein Schauen, nur zurückgeschraubt,sich hält und glänzt. Sonst könnte nicht der Bug
der Brust dich blenden, und im leisen Drehen
der Lenden könnte nicht ein Lächeln gehen
zu jener Mitte, die die Zeugung trug.

Sonst stünde dieser Stein entstellt und kurz
unter der Schultern durchsichtigem Sturz
und flimmerte nicht so wie Raubtierfelle

und bräche nicht aus allen seinen Rändern
aus wie ein Stern: denn da ist keine Stelle,
die dich nicht sieht. Du mußt dein Leben ändern.

 

髪をばっさり切ったら、言われた言葉。

Du mußt dein Leben ändern.

ミラン・クンデラの、「存在の耐えられない軽さ」を読んでいる。

ミラン・クンデラのこの小説は6年前、入院中に読んでいたものである。

 

なんてキッチュな小説だろう!

男性の身勝手さが嫌いであったし、当時は理解できなかった。今読んでいるこの小説は、全く世界を変えている。(私の視点が変わった。)

 

この滑稽でグロテスクで、リアリスティックな描写は哲学的思索を掻い潜って(或いは構造的な美しさを持って) 関係の複雑さを描写している。その描写の現実味が、実生活の愛情をこの小説に投影する要素になっている。

 

重さと軽さとめまいがモチーフとなっているこの小説に印象的な場面が出てくる。

テレザがスイスからチェコまで1人で帰ってしまい、トマーシュが追いかけるために病院を辞める場面で、院長がmuß es sein? と聞いてEs muß sein! とトマーシュが答えるというところ。クスっと笑ってしまうエピソードだ。

 

一瞬や、人生のテーマに何の脈略もないものが価値を持っているというのは、なかなか誰も考えない。けれど、そうした小さなエピソードに価値を持たせるということそのものに、私は価値を感じてしまう。

 

トマーシュはとうとう今日、労働の最下層にまで降りていった。彼は、自分の天職を捨ててまで体制への批判と知識人としてのプライドを貫き通した。その行為は美しく思われる。どんな女とも寝るような自分の欲望に忠実になっている性格像は、彼の持つアンバランスな美を際立たせる。

 

テレザの技師との情事のように、身体が十分に欲していない男とのセックスへのためらいが表現されているのは面白い。それでも受け入れるのは女性の弱さなのだろうか。その点サビナは強い。

 

私は身体が十分に欲する瞬間を知っている。主導権が私にある時は弱さを行使することはできない。庇護下には入れない。問題は、私が十分に強くないことだ。人間愛と欲望の間に宙ぶらりんになっている。

 

サビナは愛に対して美意識がある。愛は暴力のひとつなのか?命令は Es muss sein のモチーフを思い出させる。いつだって男が命令権をもつ。その構造を壊そうとしても、ただのパターナリズムへの反抗にしかならない。

 

サビナは、私のイメージでは短髪の女性だ。最上に美しい。美しい女性だけが自分の恋愛の主導権を持つことができる。小説に現れてもただの眼鏡の女子大生にはなり得ない。ワインが似合う大人の自立した女性だ。

 

一方わたしはどうか?

 

彼のセックス・ライフを駆り立てるサビナ的な女性の存在を夢想してみる。私は彼の女子大生だ。彼が本当に教授であることは皮肉なことだ。私は全てを重ね合わせて見てしまった。それだから、実際の関係にもひびがはいった。

 

サビナがフランツとの愛人関係を終わらせ、トマーシュとの思い出を回想するシーンは美しい。既になき愛を死んだ後も思い返してくれるような人が、知り合いにもいたらな、と思う。

 

サビナの逃避癖は男性的だ。誰も自分の所有者にしない突き放した関係の持ち方も男性的である。

 

昨日ワインを飲みすぎたせいで気持ちが悪くなってきた…

 

サビナのように軽やかな死を迎えたい。空気より軽く、パルメニデースによれば、否定的なものから肯定的なものへの変化、に。

les feuilles mortes

Oh! je voudrais tant que tu te souviennes Des jours heureux où nous étions amis.
En ce temps-là la vie était plus belle, Et le soleil plus brûlant qu'aujourd'hui. Les feuilles mortes se ramassent à la pelle.

Tu vois, je n'ai pas oublié...

 

Les feuilles mortes se ramassent à la pelle, Les souvenirs et les regrets aussi Et le vent du nord les emporte Dans la nuit froide de l'oubli.

Tu vois, je n'ai pas oublié La chanson que tu me chantais. C'est une chanson qui nous ressemble.

Toi, tu m'aimais et je t'aimais Et nous vivions tous deux ensemble, Toi qui m'aimais, moi qui t'aimais.

Mais la vie sépare ceux qui s'aiment, Tout doucement, sans faire de bruit Et la mer efface sur le sable Les pas des amants désunis.

Les feuilles mortes se ramassent à la pelle,

Les souvenirs et les regrets aussi Mais mon amour silencieux et fidèle Sourit toujours et remercie la vie.

Je t'aimais tant, tu étais si jolie.

Comment veux-tu que je t'oublie?

En ce temps-là, la vie était plus belle Et le soleil plus brûlant qu'aujourd'hui.

Tu étais ma plus douce amie Mais je n'ai que faire des regrets Et la chanson que tu chantais, Toujours, toujours je l'entendrai!

暫く映画を見終わった時の感覚が抜けないかもしれない。ぼーっと、というか唖然としているかもしれない。

新型コロナの時代の愛(マルケス,コレラの時代の愛を文字って)、なんて変なことを言われたけれど、どの時代だって男性は身勝手で、来る時のように自然と去ってゆく。

それが自然な性なら、結婚の方が不自然だと思うけれども、なぜだか私たちは何も考えず、あるいはそう願うことで、永遠を誓ってしまう。carpe diemなんて洒落た言葉を贈られたら、一瞬の恋だって美しく感じてしまう。それでも、私は家族を作って子供を育てた経験はないし、その若さというものを持て余しているだけで。ね。

 彼にとっては過ぎ去った過去が特別なんだろうなと思う。それがまだ今も続いていれば尚更。

 

別に一瞬の恋であってもいい。物分りがいい女を演じている訳じゃなくて、本当に心からそう思う。私は対して自分に価値を置いてないから、きっと他人が望むように自分が望むということに、大して違和感がないんだと思う。色々言い訳しても、彼に対して感じた魅力はきっと本物だと思うから、あまり悔やんだり悲しんだりしたくはない。けれど帰ってしまうのは本当に悲しいかもしれない。もっと一緒に居たかった。できれば永遠を誓いたかった。彼と。

 

それでも色々と感情的に経験させてもらって、本当に素晴らしい時間だった。愛しているからこそ別れを素直に受け入れられると思う。子午線の向こうへ行っても、あなたとまた会える気がする。きっと。私があなたの自由でありますように。

散文

あまりにも近い孤独、微かなひかりに照らされた身体、一晩中抱き合うだけの、あまりに遠い

あまりにも遠ざかる
恐らく完全に理解し得ない 分かりあえない悲しみがあるかぎり 私はあなたから背を向けてしまう あなたの白い横顔を眺めることしか 接吻がひとつの慰めになり得るだろうか 

 

 

 

剥ぎ取られた自己はどのような社会性を身に纏うのか-再び。
他者のための化粧。完全に他者のための。個人の表層の厚みを増すこと。傷つかないための。

 

 

 

きっといつか、何処かしら海辺の側で散歩しているだろう 白いワンピースを身に纏いゆったりと生活に身を委ね 側に愛する人々がいることを 密やかに願おう たとえどんなに孤独な夜を過ごそうとも。

 

 

 

 

美しい生活というものがどこに潜んでいるのか 言葉のうちになのか その閉鎖的な生活空間なのか 朝起きて目覚めカーテンの遮光に目を細めるとき 夜灯りを消して静寂に見開くとき 或いは 誰もいない海で 考えに耽るとき 私は私の清らかさとともにあるのだろう

Carpe diem

Tu ne quaesieris, scire nefas, quem mihi, quem tibi finem di dederint, Leuconoe, nec Babylonios
temptaris numeros. ut melius, quidquid erit pati,
seu pluris hiemes seu tribuit Iuppiter ultimam,
quae nunc oppositis debilitat pumicibus mare
Tyrrhenum: sapias, uina liques, et spatio breui
spem longam reseces. dum loquimur, fugerit inuida aetas. carpe diem quam minimum credula postero.

 

An Leukonoë“ des römischen Dichters Horaz (* 65 v. Chr.; † 8 v. Chr.).

 

 

 

 

 

微睡のなかで

あなたを想うでしょう

アネモネの花を

明るく湿らせて

微かな光に導かれ

瞼の真珠を象り

オルフェウスは謳いましょう

 

黄泉の国の天使よ

なぜ罪深きものを捕らえるのか

滴り落ちる雨を

静寂が包みましょう

死に寄り添う墓石は

もう破壊されはしない

 

自由よ なぜ苦痛を

恩寵を授け賜う

あゝ 白日の時

細く穿つ傷

太陽の糸に刻まれ

子午線は我々を引き裂く定め