横須賀版 掲載号:2018年8月10日号 エリアトップへ

学生が感じた文化の息遣い 横浜市大生が「三浦半島ジャーナル」発刊

文化

  • LINE
  • hatena
横須賀で印象的な場所は、「艦船が停泊する横須賀港と軍港めぐり」(小澤さん=写真左)、「走水の海岸風景や浦賀ドック」(菊池さん=同中央)、「横須賀中央路地裏の立ち食い焼き鳥」(福村さん)
横須賀で印象的な場所は、「艦船が停泊する横須賀港と軍港めぐり」(小澤さん=写真左)、「走水の海岸風景や浦賀ドック」(菊池さん=同中央)、「横須賀中央路地裏の立ち食い焼き鳥」(福村さん)

 「三浦半島という”括(くく)り”を意識したことはなかったが、訪れてみて個々の町に魅力を感じた」。横浜市立大学(横浜市金沢区)の学生がこの春立ち上げたサークルの名称は、ずばり「三浦半島研究会」。6月に学内の公認団体となったばかりだが、既に4月から隔月でフリーマガジン「三浦半島ジャーナル」を発刊。街歩きやフィールドワークを絡めた誌面作りに力を入れている。

***

 研究会のメンバーは現在18人。その半数を4月に入学した1年生が占める。同会代表で発行人の福村暁さんは山梨県出身。入学を機に市外からこの地に初めて降り立ったメンバーも多い。大学のある金沢八景は三浦半島の付け根。「ヨコハマ」のイメージを覆される街の佇まいと、「その先の南側にある半島に興味を抱いた」と福村さんは話す。ふらりと遊びに訪れてみて、半島内のそれぞれの町の文化圏や空気感の違いを感じた。発足したばかりのサークルでは、活動の中心に冊子の発刊を据えることにした。

街の「アーカイブ」に

 「土地に息づく普遍的な故郷を探し、その概念を編纂するために作る」―創刊1号で、そう綴っている。ガイドブック的な存在ではなく「住む人の人生にスポットを当てたい」。歴史や文化など街の「アーカイブ」を作っていくことに意義を見出す。

 第1号は大学のある金沢八景、2号目のタイトルは「横須賀は『異国』なのか?」。表紙の写真は夜のドブ板通りだ。初めて足を踏み入れた時の体験を、先入観を隠すことなく表現する。EMクラブのほか、軍港や走水神社といった「横須賀の由縁」にも着目。取材や資料にあたり、まっさらな視点で取り組む楽しさもあるという。自らの言葉で表現すること、記事を書くことに苦戦しながらだが「活動でのフィールドワークを自分の学びにつなげたい」と菊池大介さん(1年)。小澤京介さん(1年)は「社会や地域に根付いた研究をしたいと思って進学した。4年間過ごすこの街を中心に、今しかできないことに挑戦したい」と意気込む。

 執筆だけでなく、モデル、撮影までメンバーが手分けして担当。見開きの写真やデザインなどの紙面構成も目をひく。今後も隔月で発行する計画で、次号は三浦を特集。現地で泊まり込んで取材活動を行っている。

***

 「SNSやネットが隆盛の時代に、なぜ紙の媒体なのか」―。これには「形になる達成感がある」との答え。手に取ってもらう「出会い」を楽しみにしながら、独自の視点で発信を続ける。

横須賀版のローカルニュース最新6

善意のマスク 続々と

【Web限定記事】

善意のマスク 続々と 社会

事業者ら市へ寄贈

4月17日号

「手づくり」を楽しもう

【Web限定記事】

「手づくり」を楽しもう 教育

クラフトキットプレゼント

4月17日号

「除菌水」を無料配布

【Web限定記事】

「除菌水」を無料配布 社会

市内企業や市役所

4月17日号

環境体験の授業成果 冊子に

横須賀市

環境体験の授業成果 冊子に 教育

市サイトで閲覧可能

4月17日号

「テイクアウト」専用サイト開設

「テイクアウト」専用サイト開設 経済

飲食店と利用者つなぐ

4月17日号

市内3事業者が登録

県推進「SDGsパートナー」

市内3事業者が登録 社会

4月17日号

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2020年4月17日号

お問い合わせ

外部リンク