今回は、必勝倶楽部の面接講座を受講されて特別区に最終合格された方からいただいた本番の面接再現です。
面接官の発言にもありますが、この方の場合は、1つの質問についてそれぞれの面接官からさらに深堀りされていることが分かります。
その深堀りに対して的確かつコンパクトに受け答えできたのが高評価につながったのだと思います。
面接官がどのように深堀りするのか、また、合格者はそれに対してどのように回答したのか、そういう点に注目しながら読んでみてください。
男性 合格先:東京特別区事務
<面接官>
A:中(男性:50代)
B:左(男性:40代)
C:右(男性:30代)
私:失礼します!
A:受験番号と名前をどうぞ
私:受験番号◯◯番、◯◯です。本日はよろしくお願いします。
A:◯◯さんですね、では座ってください(ここで荷物を置きました)。本日は特別区人事委員会面接にお越しいただきありがとうございます。よろしくお願いします。
私:こちらこそよろしくお願い致します。
A:今日は何できましたか?
私:はい、電車できました。
A:何線を使ってきましたか?
私:はい、京浜東北線を使ってきました。
A:緊張していますか?
私:はい、もう非常に緊張しています。
A:緊張せず、リラックスして普段の◯◯さんを見せて下さいね。では早速3分間PRをお願いします。
〜3分間PR〜
(黒田先生に言われた通り、3分PRで流れに乗れたおかげでその後の質問にもスムーズに答えることができました)
A:ありがとうございます。早速質問に入りますね。カフェのバイトで高齢者の方と接して最も印象に残っていることは何ですか?
私:はい、ご高齢の常連のお客様から、「昔はね~テレビが壊れたら叩いて直すんだよ」、というお話を聞いて、私はまだ生まれてないのになぜか懐かしく感じて心が温まったことです。
A:では、カフェバイトで1番辛かったことは何ですか?
私:はい、提供時間が遅くなってお客様から怒られてしまったことです。
A:◯◯さんはその時どうしましたか?
私:はい、お客様のお話しを親身に聞きました、あとは、お客様から聞かれたことに対して素直に正直に答えることを意識しました。
A:結果的にお客様とはどうなりましたか?
私:はい、結果的には笑顔で帰って頂くことができました。お客様のお話を最後まで聞き、なぜ提供が遅れてしまったのか素直に答えたところ、「少ない人数で頑張ってたんだね、怒ってごめんね。」と言ってもらえました。
A:それでは、なぜ高齢者のお客さんがカフェに来ると思いますか?
私:はい、、、カフェが高齢者の方にとっている憩いの場だからだと思います。毎朝、いつも一生懸命に階段を上って来てくださり、高齢者の方にとって楽しみな場なのかなと思いました。
A:現在、特別区では地域の繋がりが薄れてしまっていますが、高齢者を見守るために何が必要だと思いますか?
私:はい、私は挨拶が日常的に行えるような、地域の絆を高めることが必要だと思います。
A:なぜ、あいさつで見守りができるのだと思いますか?
私:はい、先日参加した「認知症サポーター講座」で地域の方に認知症の方の見守り活動としてあいさつ運動をしました。その時、全く知らない人でもあいさつを返してくださり、見守りに参加をしてくださりました。その時に、気軽に行えるあいさつならば、高齢者の方の見守りができるようになると思ったので、あいさつが必要だと思いました。
A:では、どんな施策が必要だと思いますか?
私:はい、あいさつの俳句を小、中学生や商店街など区民の方から募集して、優秀賞を決めるような施策が必要だと思います。あいさつについて考えることで、自然とあいさつの重要性を高められると思います。
A:では、特別区職員としてあいさつ俳句を実現するためにどう行動しますか?
私:はい、小、中学校や商店街などに自ら足を運んだりして参加を促すために自らの声で伝えていきたいと思います。
A:あいさつをさらに普及させるためにはどうすべきだと思いますか?
私:はい、HPやSNSはもちろんですが、例えば大学生の中では美しさやかっこよさを決める「ミス・ミスターコンテスト」というものが行われております。その出場者に特別区職員として足を運んであいさつの俳句を考えてもらえないかと説明して普及するのもよいと思います。昨年度では、ツイッターのフォロワー数が16万人を超えているので、広く普及できるようになると思います。
A:では、地域と距離を置いてしまっている高齢者にはどう見守りをしていく必要があると思いますか?
私:はい、、、どんな状況でも声をかけ続けたり、もし厳しそうなら高齢者のコミュニティの場があるというチラシや区政新聞などをポストに入れて知っていただき、アプローチを変えたりして少しでも外に出られるような取り組みが必要だと思います。
A:地元のNPOで見守り事業を行っていることを知っていますか?
私:はい、「ただいまプロジェクト」というのを知っています。
中央:そのNPOは何をしているのですか?
私:はい、認知症の方が道に迷っても自然と声をかけられるように地域の繋がりを高めています。
A:NPOに知り合いとかがいたのですか?
私:あ、いいえ。認知症サポーター講座に参加して知りました。ただ、その時知り合った方とはたまにご飯などいったことがあります。
A:そうなんですね、では次の質問に移ります。
C:では、2番目の項目について私から質問します。東京マラソンの練習はいつから始めたのですか?
私:はい、昨年の9月から始めました。
C:ゼミ以外にも授業などあったのですか?
私:はい、授業やたまにボランティア活動などに参加していました。あ、公務員の勉強もありました。
右:授業は休まず出席しましたか?
私:はい、、、(苦笑い)、少し欠席したこともありましたが、単位は無事に取れました。
C:では何が最も困難だったんですか?
私:はい、今までと違って大きな目標が2つ重なって、ゼミの研究の3000行のプログラムを完成させることと練習の両立が困難でした。
C:そこで乗り越えるためにあなたは何をしましたか?
私:はい、1つ1つ小さな目標を立て続けて、常に高い意識を持つことを心掛けました。また、隙間時間を有効活用するために、重荷を背負いながら最寄り駅の4つ手前から走ることを続けました。
C:1つ1つ小さな目標を持つとは具体的にどういうことですか?
私:はい、日誌を書いていますが、その日誌に「今日の5kmは25分で走れたから、明日の5kmは20分で走る」というように日々の目標を私なりに作っていました。
右:最寄り駅の4つ手前とは、何キロくらいでしたか?
C:はい、正確には計っていませんが、5km~7kmだと思います。
右:大変じゃなかったですか?
私:はい、大変でした(笑)、ですが絶対成功してみたいという気持ちがあったので諦めず毎日走り続けました。
C:東京マラソン出場してみて得たことは何ですか?
私:はい、絶対に何事もあきらめない忍耐力はもちろんですが、走り終えるまでずっと沿道で応援をしてくださった方、私の走りを支えてくださったボランティアの方、共に走ったランナーの方など温かさや絆の強さを知ることができました。
C:倍率12倍の東京マラソンにもし出場できなかったら、あなたは走ることは続けていましたか?
私:はい、、、おそらく続けていなかったと思います。ただ、落ち着いたらまた申し込んで走り続けたいと思います。
C:ランニング以外の趣味2つ挙げてください。
私:はい、料理と、、、少し重なってしまいますが日記を書いています。
C:いつから日記をつけているのですか?
私:はい、高校2年時から書いています。
C:日記を書き始めたきっかけは何だったんですか?
私:はい、高校の陸上部長距離に所属していた際に、自身の課題や問題点を知るために練習日誌を書き始めていたことがきっかけです。
C:高校の練習時で日記の効果をどう感じましたか?
私:はい、食事でラーメンを食べた日は調子が悪いと感じ、それから辛い練習の時は納豆を食べるようにしてタイムを伸ばしました。このように日記の効果を感じました。
A:今後職員としてどんな趣味を続けたいですか?1つ挙げてください。
私:はい、ランニングを続けたいです。例えば、川内優輝選手のような公務員ランナーになりたいです。
A:公務員ランナーとは具体的にどの程度走りたいと思っていますか?
私:はい、仕事第一優先で、週末など余裕ができた日など走りたいと思っています。
A:学科に◯◯学科と書かれていますが、何でその学科を志望したのですか?
私:はい、プログラミングが好きなのと、今後IT化が急速化するため、その時代に遅れないようにするために志望しました。
A:そちらではどのようなことを学んでいるのですか?
私:はい、画像処理について学んでいます。C言語というプログラミングを用いて、元画像にぼかしや解像度を変えてより鮮麗な画像を作り上げています。
A:難しいとは思いますが、そのような技術を高齢者支援で特別区に取り入れたいのですが、生かせることはありますか?
私:はい、、、直接的には難しいですが、その他にも色覚障害の方に向けたHP作成もしたことがあります。そういったところで私の情報スキルを活かしていきたいと思います。
A:なるほど、ちょっと肩に力が入っているようなので、リラックスして頂いて大丈夫ですよ(笑)
私:あ、すみません。(深呼吸)
B:では、私から最後の項目についてお伺いします。ペットボトル大作戦とは何ですか?非常に気になります。
B:はい、まずはルールから説明します。ゴミ拾い甲子園は荒川の河川敷を会場として、大学対抗でゴミの拾ったポイントを競い合うというルールです。例えば、バイクや冷蔵庫などのゴミを拾ったら10ポイント、ペットボトルなどの小さいゴミを拾ったら1ポイントというルールでした。そこで、前回前々回出場した際に他大学はポイントの大きいゴミを中心に拾っていたことを知り、私たちはそこを逆手にとってポイントの低いペットボトルを拾い集めたほうが効率が良いと思い、ひたすらペットボトルを拾う事を決めた、という作戦です。
B:少人数の利点はどう活かせましたか?
私:はい、ポイントの大きいゴミですと少人数だと負担がかかり、効率が悪いと思いました。そこでペットボトルなどの小さいゴミならば少人数でも負担が減り、メンバー全員が責任をもって猛獣のようにペットボトルを拾うことができ、少人数の利点を活かすことができました。
B:ペットボトル大作戦はなぜ成功したと思いますか?
私:はい、1.2.3度目の出場で悔しい結果になり、欠点ばかりのチームでしたが、決してあきらめずに最善の方法を探し出せたことが勝因だと思います。またペットボトル大作戦を提案する際にも、メンバーの意見を尊重しつつチームが一丸となってペットボトルを拾えたことも成功につながったと思います。
B:すみませんね、もう一個深堀しちゃいます。ペットボトル大作戦以外で優勝できた要因は何だと思いますか?
私:はい、、、ペットボトル大作戦と私が提案するだけでなくて、私が自ら積極的にペットボトルを誰よりも拾うという意思を見せ、行動に移したからかなと思います。大会最中は私の体力を活かして永遠と走り続けていました。
B:ではペットボトルのゴミがなんでそんなに多いと思いますか?
私:はい、漂流物なので仕方ない部分があると思いますが、ペットボトルを捨てることによって、公害などの問題につながるということがあまり知られず、捨ててしまう方がいらっしゃるのかなと思います。
B:話は戻りますが、先ほど3分PRでコミュニティの希薄化と言ってくれましたが、なぜ希薄化していると思いますか?
私:はい、特別区でもコミュニティの場がたくさんありますが、それがあまり知られていないからだと思います。カフェのアルバイトで高齢の常連のお客様からは「いつも一人で寂しいから毎朝カフェに来てるんだよ」と言ってくださり、コミュニティの場があまり知られていないのかなと思います。
B:では、自治会加入率の低下が特別区では大きな問題となっていますがどう思いますか?
私:私が以前地元の自治会に参加した時、大学生である私が1人しかおらず、ほとんど高齢の方で非常に深刻な課題だと思います。
B:では、自治会加入率を高めて地域の絆を高めるためにどうするべきだと思いますか?
私:はい、先ほどの、地域でのあいさつを通して自治会の楽しさを広めたり、例えば、区民祭りの一部などに自治会が集まることができるブースを作り、若い方などどんな人でも気軽に参加できるような仕組みが必要だと思います。
A:◯◯さん、ハキハキ喋って頂いて聞きやすいです。時間があと少し残りましたので、志望動機をもう一度聞かせてください。
私:はい、特別区ではコミュニティの希薄化が問題とは言われていますが、本当はコミュニティが形成される要素を秘めていると思います。幼少期に出場した◯◯区のマラソン大会では、私は転んでしまっても最後まで沿道の方がずっと応援をしてくれました。大学のボランティアでも高輪商店街の方とイルミネーションを完成させたときの感動が忘れられません。認知症サポーター講座で地域の方とあいさつしたら、全く知らない人でも明るく返してくださりました。このように特別区の温かさや絆の強さをさらに広めて、大好きな特別区のまちづくりに強く貢献していきたいと思っています。以上です。
A:熱意は伝わりました。是非特別区職員となってもその心意気を忘れずに頑張ってください。これで面接を終了します。お気をつけてお帰りください。
私:ありがとうございました! 失礼いたします。