東京2020 祝祭の風景
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【社会】<コロナ 医療を守ろう>コロナ病床数 政府過大公表 空きベッド数=対応病床扱い 自治体困惑新型コロナウイルス感染症を巡り、政府が対応できる病床数を実態より過大に説明していることが分かった。安倍晋三首相は国会などで、二万五千を超す病床を確保していると説明してきたが、病床の確保を担う都道府県が「めどが立った」としている数を足しても半分に届いていない。複数の県は「国に報告したのは空きベッドの総数でコロナ対応病床とは限らない」と反論する。 (井上靖史) 「現在ある二万八千床の病床を五万床まで増加させる」。首相は今月六日、首相官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、感染拡大への対応方針をそう強調した。三日の参院本会議でも、二万五千床を超える病床を確保していると説明している。 感染症の患者を受け入れる病床は都道府県が地域の病院と協議し、確保を進めている。 陰圧制御など特別な備えをした感染症指定医療機関の感染症病床は昨年四月一日現在で全国に千八百七十一。新型ウイルスのまん延に備え、厚生労働省は都道府県に指定機関以外の一般病床で対応できるところを探すよう求めてきた。 新型ウイルスに対し、各都道府県は最近、どれだけ確保できたかを相次ぎ公表している。六日以降、公表されたものや本紙の取材で分かった全国の病床を合算したところ、計一万千床ほどにとどまった。 厚労省の担当者は、これまで説明してきた病床数の根拠について「指定医療機関にある一般病床も含めた空きベッドの数を都道府県に報告してもらい、足し合わせた」と説明する。 だが都道府県の担当者は、国に報告した空きベッド数がそのまま「コロナ対応の病床」として計上されていることを知らなかった。 青森県の担当者は取材に「報告した空きベッドの数字はコロナ対応病床の調査とは違う」と困惑した。 香川県も「空いているからコロナに使えるとは言えない。感染防護の措置など受け入れ側の対応もあり、個別に県が病院に当たって確約を取る必要がある」と言う。 宮崎県の担当者も「実際にコロナに使うには病室のハード面の改修やスタッフ確保、養成が必要だが、国には単に空いている数を答えた。国の指示があればコロナ用に転換できるものでもない」とした。 NPO法人「医療ガバナンス研究所」理事長の上昌広医師は「特に地方は指定医療機関でも結核病床などに空いている所が多い。それらを足し合わせれば病床を確保したように見せられる。実態のない数合わせを見せている」と話す。 ◆一般病床算入は妥当<厚生労働省結核感染症課の梅田浩史・感染症情報管理室長の話> 感染症指定医療機関にはもともと専門的に対応できる医師・看護師がいるので、同じ病院の空いている一般病床もコロナ対応に数えるのは妥当だ。 ◆医療現場の窮状・対策 発信します新型コロナウイルス感染者の急増で、医療崩壊の恐れが高まっています。「医療を守ろう」キャンペーンでは、疲弊する各地の医療現場や関係機関の窮状を伝えながら、医療崩壊を防ぐための提言や方策を発信していきます。情報、ご意見をお寄せください。 「医療を守ろう」へのご意見、情報は、〒100 8505 東京新聞社会部へ。社会部のメール=shakai@tokyo-np.co.jp、ファクス=03(3595)6919=でも受け付けます。 PR情報
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