紛争地に「食料」という希望を!~「レベル3」緊急支援へのご協力のお願い

イエメン北東部ハッジャの病院で出会った父子。瞳の先に映る風景に思いを馳せてください。©WFP/Marco Frattini

満たされない空腹。それは、今日生きのびることさえむずかしい場所。

紛争が、人びとの日常から奪ったもの。
それは、ふるさとや家、家族との温かな団欒、
生活の糧であった畑や仕事だけではありません。
長引く暴力は、止まらない負の連鎖を招き、
人びとは、今日の食事を手にいれることさえ
困難な窮状に、もう何年も立たされ続けています。
シリアで出会ったある父親は言います。
「世界中から忘れ去られるのが一番怖いのです」
皆さまの思いとともに私たちが届ける食料は
必ず、彼らのひと筋の光となります。
どうか国連WFP に、力を貸してください。

<2020年春・レベル3緊急支援> こちらからご寄付をお願いします

生きるために、空腹を満たす。そこから必ずつながる明日を信じて。

シリアの中でも、支援の届きにくいリュクバン集落で国連WFPから配布された5人分の食料を持ち帰る母娘。©WFP/Marwa Awad

飢餓人口の6割が、実は「紛争」の影響下に。

2005 年から10 年間、着実に減り続けていた飢餓人口が、2016 年に一転して8 億2100万人に増加。その主な原因の一つが、多発化する紛争です。長期にわたる武力衝突は、農地を破壊するだけでなく国の経済やインフラなどの社会基盤をことごとく疲弊させることで、さらに深刻な食料難を生んでいます。

なかでも最も支援の急を要するのがレベル3の国々です。

国連WFPでは緊急食料支援が必要な国の中でも、最も急を要し、大規模で複雑な段階をレベル3と定義しています。特に世界最悪の人道危機といわれるイエメンでは国民の7割近くが飢餓に苦しんでおり、シリアでは約260万人が命を脅かされる状況下で緊急食料支援を待っています。

現在、シリアで極度の貧困状態に苦しんでいる人びと…10人に8人

2011年のシリア危機から約9年。終わりの見えない紛争から国外への避難者は約500万人にのぼり、残された人びとは度重なる暴力の中、過酷な生活を強いられています。

空爆下の東グータで、少年たちは何度も「ここから連れ出して!」と訴えた。©WFP/Marwa Awad

あらゆる手段を使って、包囲下の最前線へ食料を。

2018 年4月15日、6 年にわたる反政府勢力の支配から解放された東グータ。国連WFPは、その直前も緊迫した包囲下にあった東グータで緊急食料支援を行っていました。空爆の音が次第に近づいてくると、トラックから荷下ろしをする人びとに緊張が走り、口々に「急げ!」「食料を運ぶペースを上げろ!」と叫び声が上がります。極限状態の中、わずかな配給で命をつないでいた住民たちに、何としても食料を届ける必要がありました。

国連WFPは、2011年のシリア危機以来、食料を必要とする何百万人もの人びとに支援を続けてきました。現在もシリア国内で毎月約4,600 台を超えるトラックを使い、14 州すべての約900の配給ポイントで、400万人以上に緊急食料支援を行なっています。また人道的ニーズが非常に高いにもかかわらず、空爆などの影響で立ち入りができない地域に関しては、人道支援輸送のリーダーとして他の支援団体と連携や、空中からの食料投下など、あらゆる手段を駆使。シリアの北部と南部の反体制派が支配する地域にも、ヨルダンやトルコからの国境を越えた輸送を行っています。しかし、目の前に切実に助けを必要とする人びとがいる一方で、資金難から支援食料のカロリーを減らさざるを得ない、苦しい状況が続いています。いま、皆さまのお力が必要です。

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急いで作業するボランティアの人びと。©WFP/Marwa Awad

イエメンで食料支援を必要としている人びと…人口3050万人のうち2010万人

2015年から続く紛争により、泥沼化する武力衝突は、インフラの破壊や経済の破綻を招き、いまや世界最悪の人道危機となっています。人びとは空前の飢餓状況にあり、国内避難民は330万人にも及びます。

国連WFP が支援する病院で、慢性栄養不良の治療を受ける1歳8ヵ月の男の子。©WFP/Mohammad Nasher

「忘れ去られた紛争地」の飢餓から、母子を救え!

国連WFPの活動の中でも、最大級の緊急食料支援が続いているイエメン。紛争が長期化し、混迷を深める中で、国民の7 割近くが毎日飢えに苦しむ危機的状況にあります。なかでも5歳未満の子どもと、母親の栄養状態は深刻で、300万人以上が栄養不良の改善、または治療を必要としています。

「この病院で毎日、2〜3人の子どもが命を引き取ります。紛争が始まって以来、あらゆる栄養不良の症状が見られるようになりました。彼らは非常に貧しい地域から来ていて、母親がお米の白いゆで汁をミルク代わりに赤ちゃんに与えているのを何度も目にしました。でんぷん質の水に必要な栄養はありません。でも深刻なインフレもありミルクは非常に高価で、お母さんも栄養不良なことから母乳が出ないのです」。自身も母親であるアル・サバイン病院の小児科長、ナグラ医師は悲痛な面持ちで語ります。

2019 年、国連WFPは支援をさらに拡大。現在、22 州で毎月約1200万人に食料支援を行なっています。しかし、空港及び港の封鎖や、食料や物資を運ぶための道路の寸断など、アクセスは一筋縄ではいきません。また紛争報道の減少も、長く苦しい生活を続けるイエメンの人びとへの関心を低下させています。国連WFPは引き続き全力で支援を行っていきます。

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栄養不良の2歳児に栄養補助食品を食べさせる。イエメン・ハッジャ県の医療施設にて。©WFP/Annabel Symington

国連WFPの「緊急食料支援」だから、できること。

ウェブサイトでは、緊急事態発生48時間以内から将来までを見すえた、途切れのない支援メニューをご紹介しています。

緊急支援輸送・通信支援自立支援

あなたのご支援で、紛争地の人びとに「食料」を!

絶望の淵に立たされた一人でも多くの命を救うために、国連WFPの緊急食料支援へのお力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。

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国連WFPの活動に関する主要な公式発表や、支援活動の現場から様々なストーリーをお伝えします。

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