・動画を編集加工、作成してYouTubeに投稿したいけど、どのパソコンがいい?
・今持ってるパソコンで動画編集しようとしたけど、重すぎて出来ない。
こういう悩みを持つ方は、ここ数年で一気に増えました。YouTubeだけではありません。会社のプレゼンや結婚式の催しに、編集したビデオを上映する方も多いです。
動画編集で重要なPCスペックはCPUとメモリです。そこにSSDとグラフィックボードの性能が少しだけ。これらについての知識があれば、適切なパソコンを選ぶことができます。
CPU 超重要
メモリ 重要
SSD そこそこ
グラフィックボード 少し
以下、詳しく説明していきます。
1. 動画編集に必要なパソコンのスペックは?
- CPU
- メモリ
- SSD
- GPU(グラボ)
最重要パーツであるCPUから順に解説していきます。
1-1. CPU
CPUは、パソコンの頭脳のようなものです。動画編集において最も重要となってきます。
CPUが悪ければ、いくら他のパーツが高性能でも意味がありません。
動画編集におけるパソコンの動作速度は、ほぼCPUの性能で決まります。
CPUの性能が低ければ、動画編集の動作が重くなり作業は遅々として進まないでしょう。
逆に高性能ならサクサクと快適に編集作業を進められます。
CPUは性能が高ければ高いほど良いです。
動画編集はパソコンに高負荷の作業なので、目安としては「Core i5」以上のスペックが必要です。
かなり昔の規格だとCore i〇の数字が大きくても新型のPentiumに負けたりするので、正確に表現すると新型のCore i5ですね。
(わざわざ昔の規格を購入する人はいないと思いますが)
YouTubeのほとんどの動画の最高画質は1080p(2k、フルHD)ですが、この画質の動画編集なら「Core i5」が最低条件です。
4k(2160p、ウルトラHD)画質の動画編集なら、「Core i7」以上のパソコンを持っていたほうがいいです。
動画編集用パソコンでは、「Core i7」搭載パソコンが一番人気があります。
予算が許すのであれば、「Core i9」搭載パソコンが理想です
動画編集は、どんなに高性能なパソコンでも十分ということはありません。
動画の画質や時間など動画容量が大きいほど動画編集時にパソコンは重くなります。どんなに高性能なパソコンでも、動画編集中にフリーズしてしまうことはあり得ます。
低性能なCPUである「Atom」「Celeron」「Pentium」「Core i3」は、動画編集するなら絶対に選んではいけません。
最低限のスペックも満たしていないため、編集作業をまともに行えません。ストレスがたまるだけです。
Atom | ダメ |
Celeron | ダメ |
Pentium | ダメ |
Core i3 | ダメ |
Core i5 | OK!(動画編集としては最低限) |
Core i7 | OK!(本格的な動画編集はこれ。 YouTube投稿動画など) |
Core i9 | OK!(高度な4K動画編集) |
・CPU性能比較一覧はこちら
1-2. メモリ
2番目に重要なパーツです。
メモリは、CPUが計算した内容を高速で連絡・一時的に保存する役割があります。
CPUは高性能であるほどいいですが、メモリは動画編集に必要とする容量があれば十分なのです。
例えば、現在の地上デジタル放送の画質は2k(1080p)です。
最近の液晶テレビでは、超高画質である4k(4096p)対応のテレビが増えていますが、地上波放送に限って言えば、この4k対応というのはオーバースペックに過ぎないのです。
4k対応というスペックをフルに使いたければ、4k動画がアップロードされているYoutubeをテレビと連動して見るなどしないともったいないわけですね。
メモリもそれと同じなんです。
高いお金を払って高性能メモリを買っても、用途によっては無用の産物。猫に小判。
といっても動画編集はパソコンの用途の中でも、高負荷の操作の一つです。
ある程度の性能は必要になってきます。
現在販売されているパソコンのメモリ容量は、4GB、8GB、16GB、32GBがほとんどです。
動画編集するなら、4GBは心もとないです。情報を保存しきれずパンクする心配があります。
市販のパソコンを御覧いただければわかりますが、動画編集の目安である「Core i5」のCPUを持つパソコンのメモリはほとんどが「8GB」です。
それがユーザビリティ的にも理にかなっているということです。
簡単な動画編集で十分な方でも、最低限スペックとしてメモリ8GBは欲しい。
ただ、有料動画編集ソフトによる高度な技術を用いた動画編集だったり、動画が長時間に及んだりする場合であれば、「16GB」を見積もる必要があります。
例えば、YouTuberになって定期的な動画投稿をしたい方は、「Core i7」「16GB」の組み合わせが最適ですね。
4kレベルの超高画質動画の編集になると最低でも「16GB」、できれば「32GB」欲しいところです。
4K動画を高度・長時間編集したい方は「Core i9」「64GB」の組み合わせが理想。
4GB | 不安 |
8GB | フルHDの動画編集が可能 |
16GB | 複雑なフルHD動画編集、 簡易な4Kの動画編集も大丈夫 |
32GB | 4K動画編集から、 簡易な3DCG映像の編集も |
64GB | 4Kも3DCGもストレス0 |
1-3. SSD
動画編集ソフトをHDDではなくSSDにインストールすると、データの読み書きが速くなりより快適に編集作業を行えます。
SSDは低価格のパソコンにはあまりついていません。HDDよりSSDのほうが容量当たりの単価が高いため、SSDがついたものは自然と値段も高くなるからです。
高いパソコンにもSSDは搭載されず、HDDだけの製品はあります。後付けで購入できるという点と、CPUやメモリに比べると重要度が低いからです。
ですが、動画編集はパソコンに高負荷&長時間の作業になりますので、予算が許すのであればSSD搭載モデルを購入するべきです。
1-4. SSD搭載モデルの注意点
同価格だった場合、HDDに比べるとSSDは非常に保存容量が少ないのです。
動画の解像度が高く、時間が長くなるほど動画ファイルは大きくなります。
4k動画だと、数分の動画でも1GBを超えることがざらにあります。
動画編集用パソコンだと、保存容量はかなり大事な要素です。
デスクトップパソコンだと3TB、ときには6TBという大容量のものまであります。
256GBくらいでもやれないことはないですが、頻繁に編集動画を別の保存容量へと移す必要があります。
動画編集用のパソコンとしては、出来れば1TBは欲しいです。
コストパフォーマンスで考えると、(256GB程度のSSD)(1TB程度のHDD)の両方を搭載したモデルになります。
動画編集ソフトをSSDにインストールして動画編集作業はSSD、編集した動画の保存をHDDにするということですね。
これなら動画編集の読み書きの速度が速くなり、動画容量も1TBと大きいので気にする必要がなくなります。
YouTuberなら「Core i7」「16GB」に、(256GB程度のSSD)(1TB程度のHDD)がいいですね。このモデルも需要が高いため、簡単に探せます。
動画編集においてSSDはあったほうが快適ですが、保存容量もある程度ないとストレスになります。
最低でも1TBの保存容量は欲しいが、SSDで1TBは高額。
SSDで編集作業をしたい場合、256GBほどの小容量SSD&1TB以上のHDDのパソコンモデルがコストパフォーマンス的に優れています。
ちなみにSSDは後付け可能で、最近では1TBのSSDで4万以下の商品も出てきたので、金銭的な余裕があるなら有力な候補です。
1-5. GPU(グラフィックボード)
グラフィックボード(GPU:Graphics Processing Unit グラフィックス プロセッシング ユニット)。略称グラボ。ビデオカードと呼ばれることも。NVIDIA(エヌビディア)社のGeForce(ジーフォース)などが有名。
グラフィックボードはグラフィックス処理に特化した演算装置です。グラフィックスという言葉から動画編集には重要なパーツに思えますが、そうとは限りません。
グラフィックボードは、人によって必要か不必要かが分かれます。動画編集に使用するソフトが、グラフィックボードに対応しているかどうかです。
対応していれば、映像に関わる処理やエンコード(動画圧縮・変換)などをグラフィックボードが効率よく行います。
なければ、マザーボードに搭載されているチップセットが映像に関わる処理を行います。
グラフィックボードに対応している動画編集ソフトは限られており、すべてが有料です。有料の動画編集ソフトでもグラフィックボードを必要としない人気ソフトは多いですし、無料の動画編集ソフトを使うなら、グラフィックボードは必要ありません。
無料の動画編集ソフトとしては、「AviUtl」「DaVinci Resolve」「Lightworks」などが高性能で有名です。有料の動画編集ソフトと比べるとさすがに分が悪いですが、基本的な動画編集はこなせます。
他にも有名な無料動画編集ソフトに、Windows「ムービーメーカー」・Mac「iMovie」・「Avidemux」などがありますが、こちらは機能が相当限られます。
特にレイヤー機能。ムービーメーカーとAvidemuxはそもそもついておらず、iMovieも一つだけ。
*レイヤー:日本語訳で「重ね合わせ」。この機能がないと、元の動画に複数のテキストや音楽を追加できません。
動画編集の基本にして、最も重要な機能がレイヤーといっても過言ではありません。
予算の上限を決めていらっしゃる方は、有料の動画編集ソフトを購入するなら、その予算でより高性能のパソコンを買ったほうがいいです。
(もちろん既に高性能のパソコンをお持ちであれば、有料動画編集ソフトの購入は真っ先に視野に入れるべき選択肢)
動画編集ソフトは無料でも結構いけます(ただ、動画編集を日常的に行う方は、無料ソフトだと不満を感じる日がくる)。
有料の 編集ソフト | グラフィックボードが 必要 |
無料の 編集ソフト |
グラフィックボードは 不要 |
2. デスクトップパソコンかノートパソコンか
2-1. デスクトップパソコン
・同じ性能ならノートパソコンより低価格(コスパが優れている)
・冷却性に優れる(内部スペースが広いため)
・拡張性が高い
デメリット
・持ち運びが難しい
2-2. ノートパソコン
・小型/軽量/薄いので持ち運びに便利(携帯性が高い)
デメリット
・同じ性能ならデスクトップパソコンより高価(コスパが悪い)
・画面が小さいので目が疲れる(編集にもストレス)
2-3. 動画編集だけを考えるならデスクトップ
価格も編集のしやすさもデスクトップパソコンに軍配が上がります。外出先でも動画編集を考えている方ならノートパソコンの選択肢もありです。
人気YouTuberの方でも、コラボ相手の住居にノートパソコンを持ち込み作業している様子をよく見かけますよね。
人によりけり、ですね。
3. WindowsかMacか。コスパならWindows
WindowsかMacかで悩む人の中には、編集ソフトの違いを気にする人もいるかもしれませんが、これは気にしなくて大丈夫です。
有料の動画編集ソフトでも、YouTuberに人気の「VideoStudio」「PowerDirector」はWindows対応、「Adobe Premiere Elements」「Adobe Premiere Pro CC(Elementsの上位版)」は両OSで使用可能です。
ずばり、コストパフォーマンスはWindowsが優れています。同じ性能ならMacよりWindowsが安いです。
*ちなみに、OSは最新の状態に保っておく必要があります。WindowsだとWindows10ですね。
編集ソフトとの互換性は、最新OS用にアップデートされるのが常です。Windows2000,XP,Vista,7,8,8.1だとWindow対応の編集ソフトでも動作しないことがあります。
セキュリティ面でも重要です。
4. 動画編集用パソコンはBTOでの購入がオススメ
同価格帯のパソコンならBTOパソコンのほうが性能が高く、性能が同じならBTOパソコンのほうが安いからです。
これは、パーツメーカー供給のパーツで組み立てるBTOより、メーカーPCの専用設計のほうがコストがかかるためです。
メーカー製PCが無駄なソフトを多くいれることも理由の一つで、これはパソコンそのものの動作を重くするというデメリットまであります。
Amazonもドスパラ(Dospara)などのBTOパソコンを取り扱ってはいますが、種類が少ないです。
それに、BTOから直接取り寄せたほうが、Amazonなどの仲介業者を介さないために、人件費が浮いて商品そのものも安いです。
ゲーム用・動画編集用など用途に応じたパソコンが用意され、パソコンを初めて買う人にも簡単に目的のパソコンが見つかります。
どのパソコン専門店のホームページにも「動画編集向けPC」「クリエイターPC」のようなページがあるので、そこから探すと間違いないです。
下記リンクから公式サイトに飛びますので、よかったらどうぞ。
【公式サイト】
マウスコンピューター
【詳細記事】
5. 動画編集におすすめのパソコン
今までの結果から、下記のようなパソコンが動画編集に最適です。
5-1. おすすめスペックとQ&A
Q:おすすめスペックは?A:
CPU | Core i7以上 (高性能であるほど良い) |
メモリ | 16GB以上 |
SSD | ダブルストレージタイプで、 SSD[256GB]HDD[2TB]くらい |
GPU | 有料ソフトでの編集を見越して、 GTX 1050以上 |
Q:デスクトップかノートか?
A:自宅作業ならデスクトップパソコン、外出先でも使用するならノートパソコンです。
ただ、デスクトップとノートでは、ノートのほうが普及率は高いです。普段からノートパソコンになれている方は、高機能なノートパソコンでも全然イイです。
Q:OSはWindows or Mac ?
Q:Amazon/楽天 or BTO ?
A:価格が安く、故障時の補償も万全のBTO
5-2. おすすめノートPC
値段 | 139,980円 |
CPU | Core i7-9750H |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
GPU | RTX2060 |
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
ドスパラのゲーミングノートPC。
GALLERIA GCR2060RGF-E。
ゲーミングPCと銘打ってありますが、動画編集用としても打ってつけのノートパソコンです。
[Core i7-9750H]は、ノートパソコン用[Core i7]シリーズの中で最も性能の高いCPUです。
メモリ16GBで、GPUは[GeForce RTX2060]を搭載。
動画の書き出しや変換の高速化だけでなく、編集中のプレビュー表示や高度なエフェクト処理でも、高い効果を実感できます。
このスペックなら、フルHDでの長時間編集もサクサクですし、4K画質の編集も軽めであれば可能です。
画面解像度はフルHD画質ですが、4K画質の動画を編集するだけなら可能ですので。
ゲーミングPCとしても使えるので、ゲーム実況系YouTuberを始めようと考えている方にもおすすめの機種。
ストレージがSSDの上位互換である[NVMe SSD]の512GB。
SSDとHDDのダブルストレージを推奨するのは、SSDの容量当たりの単価が高く、HDDに保存媒体としての役割を担ってもらうためですが、この機種には無用の心配ですね。
とても安い。
「ダブルストレージタイプならもっと安いのでは?」と探してみましたが、[Core i7-9750H][メモリ16GB][GPUそこそこ]のノートパソコンは、この機種が最安でした。
他BTOでこのスペックのノートパソコンを探すと、1~2万円は高くなります。
ドスパラ・フロンティア・マウスコンピューター・ツクモ・パソコン工房など、低価格に定評のあるBTOメーカーを調べましたが、価格と性能から見たコストパフォーマンスはこのパソコンが随一でした。
⇒
5-3. おすすめデスクトップPC
値段 | 155,980円 |
CPU | Core i7-9700K |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD +2TB HDD |
GPU | RTX2060 SUPER |
ドスパラのデスクトップパソコン。
GALLERIA(ガレリア) ZV。
CPU[Core i7-9700K]とメモリ16GBは、本格的な動画編集でもサクサクな動作。
フルHD画質の高度・長時間編集はもちろん、4K画質の編集も快適。
参考として、ノートパソコン用の[Core i7-9750H]の性能が100とすると、[Core i7-9700K]は122ほどあります。
PassMark数値(大きいほど高性能)
Core i7-9750H:14100
Core i7-9700K:17200
ノートパソコン用CPUの末尾につく「H」は省エネを意味するため、処理性能自体は少し低くなります。
対して、デスクトップパソコン用CPUの末尾につく「K」は、高性能であることを意味します。
デスクトップパソコンは、パーツを収めるスペースが広く、熱も逃がしやすいため、省エネで熱処理を考える必要性が少ないんですね。
GPU(グラフィックボード)のPassMarkは[RTX2060 SUPER]が13750、[RTX2060]が12800。
[Core i7-9700K]の性能を引き出すには、最適なGPU。
このスペックでこの値段は、破格です。
他BTOのデスクトップパソコンと比較しましたが、同スペックだとこのパソコンが一番安かったです。
ノートパソコンのおすすめより約1万5千円高いですが、動画編集において最重要のCPU基準に考えた場合、[Core i7-9700K]搭載の「GALLERIA ZV」が最もコストパフォーマンスに優れています。
なるべく安い値段で本格的な動画編集をしたい方は、このモデルが一番です。
⇒
6. まとめ
動画編集は一大作業です。動画に望む質、編集作業への慣れによっても変わりますが、多くの労力と時間を消費します。
【BTO公式】
この記事でご紹介したおすすめのパソコン2機種は、コスパを重視したパソコンでした。
以下の3記事で、動画編集におすすめのパソコンをスペック・価格別にご紹介しています。低予算用や、超ハイスペックパソコンなど。
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