パソコン性能の底上げによって、昔より低価格でハイスペックのゲーミングPCが買えるようになったことや、YouTube・TwitchによるPCゲーム(PUBGやAPEXなど)の実況プレイ動画の広まりによって、ゲーミングPCの需要は増加しています。
・PCゲームで遊びたいけど、パソコンのスペック目安はどのくらい?
・今持ってるパソコンだと重すぎてPCゲームを遊べない。
このような悩みを持つ方もここ数年で急増しています。
ゲーミングPCで特に重要なスペックは、CPUとGPUです。
そこにメモリとSSDの性能が少しだけ。
これらについての知識があると、適切なゲーミングPCを選ぶことができます。
この記事では、
①ゲーミングPCに必要なスペック目安を、パーツごとに解説
②おすすめのゲーミングPC(ゲーミングノートPC&デスクトップPC)紹介
という内容をお送りいたします。
1. ゲーミングPCのスペック目安は?
ゲーミングPCにおいて重要な「CPU・GPU・SSD・メモリ・電源」。
それぞれのゲーミングPCにおける役割と、必要となるスペック基準・目安を説明していきます。
1-1. CPU
CPUは、処理能力の速さを担っています。
CPUの性能が低いと、ラグやカクつきが生じます。
コンマ1秒が明暗を分けるFPSゲームでは、特に重要です。
ゲーミングに限らず、動画編集などの高負荷な作業では、CPUは非常に重要なパーツです。
CPUはインテル社の「Core i」シリーズが主流です。
「Core i5」など、iの後に続く数字が大きいほど、基本的には高性能です。
必要なCPU性能は、Core i5以上。Core i3だと少し厳しい。
推奨はCore i7以上です。
美麗グラフィックが売りだったり、FPSやレーシングゲームのような動きが速いPCゲームだと、Core i5だとラグやカクつきが起こる危険があるので、Core i7搭載パソコンをおススメします。
値段は高いですが、CPUの最高性能を誇る「Core i9」シリーズなら、超高画質の4K解像度でもラグやカクつきがほとんど起きません。
予算に糸目をつけない方向けですね。
低性能なCPUである「Atom」「Celeron」「Pentium」「Core i3」は、ゲーミングPCとしては不十分です。
「Core i3」なら画質を落とせばいけなくもないですが、本来の美麗なグラフィックで楽しもうとすれば、ラグやカクつきが発生してしまいます。
Atom | ダメ |
Celeron | ダメ |
Pentium | ダメ |
Core i3 | ギリギリOK(最低限) |
Core i5 | OK(ゲームによっては、 画質を落とさないとカクつく) |
Core i7 | OK!(一番人気。ほとんどの PCゲームを快適に遊べる) |
Core i9 | OK!(超美麗の4K画質でも 快適に遊べる) |
・CPU性能比較一覧はこちら
1-2. GPU(グラフィックボード)
グラフィックの名の通り、ゲームにおける映像を担当しています。
ビデオカードとも呼ばれます。
CPUにも内蔵GPUというものがありますが、ゲーミングにおける美麗な映像を映し出せるほどの性能はありません。
GPUは、CPUと同じく処理速度を司りますが、名前の通りグラフィックの処理に特化しています。
ゲーミングPCにおいては、このGPU(グラフィックボード)が最重要といっても過言ではありません。
PCゲームの特徴である美麗なグラフィックと、ゲームの登場人物や物体を本物さながらに動かすためのフレームレートは、GPU性能にかかっています。
フレームレートとは、1秒間に映像を何回描写するかを表したものです。fps(*1)という単位が使われ、数値が大きいほど映像がなめらかになります。
基本は60fps。レーシングゲームだと100fpsなど高いフレームレートでないと残像が発生することがあります。
(*1)fps=frames per second,フレーム毎秒
fpsの数値が高いと、レーシングゲームなど動きが激しいゲームでもヌルヌル動いて綺麗。
30fps:遅い
60fps:普通。
100fps:ヌルヌルの領域。FPSでも後れを取らない。
144fps:凄い。
GPUは、NVIDIA社のGeForceシリーズが主流です。
AMD社のRadeonシリーズもありますが、世界的に高いシェアを誇るのがGeForceです。
ゲームソフトもGeForceを基に設計、最適化されているので基本的にGeForceシリーズを選ぶべきです。
同じ性能でもAMD社のRadeonだと、最適化されていない分だけ本来のパフォーマンスを発揮できないことが多い。
必要なGPU性能は、GTX1050が最低限。
推奨はGTX1070以上です。
CPUと同じく、数字が大きいほど高性能です。
GTX1070~RTX2080が最も人気があります。性能と価格のコストパフォーマンスが優れ、SLI構成も可能です。
SLIとは、GPUを複数同時に起動させることで処理能力を高めることです。NVIDIA社のGPUで可能。
SLI構成は、2つのGPUを搭載しているパソコンのことです。GPUは同一製品である必要があります(1080+1080など。この場合、GTX1080 SLIと表記されます)。
GTX1050未満 | ダメ |
GTX1050 GTX1050Ti | 最低限 |
GTX1060 | 最新ゲームならここから |
GTX1070~ ~RTX2080 | 最新ゲームを高クオリティで (美麗・高速系はここから) |
RTX2080Ti SLI構成 | 4K画質用 |
・GPU性能比較一覧はこちら
1-3. CPUとGPUの組み合わせ(ボトルネック)
CPUとGPUが最重要なのは、ハイスペックなパソコンを必要とするからだけではありません。
CPUとGPUの性能が釣り合っている必要があることも関係しています。
CPUとGPUはどちらが欠けても駄目です。どちらかの性能が極端に低いと、もう一方の性能の足を引っ張ってしまいます。
ボトルネックといいます。
GPU(グラボ)の性能が高いと、美麗な映像を映し出してくれる代わりに、映像処理に生じる負荷が大きくなります。
その負荷を処理するのはCPUなので、グラボの性能が高いパソコンはCPUの性能も高くしないといけません。
映像美を犠牲にするのであれば、低性能のGPU・CPUでも構わないとも言えます。しかし、最近のPCゲームは最低限のGPUを備えていないと、そもそもゲームが動かない危険があります。
ちなみに、ボトルネックが起きるのはGPUがCPUに比べて高すぎる場合です。GPUがつくる映像美に、CPUの処理能力が追い付かない形です。
CPUが高すぎる分には何の問題もありません。
処理能力は速ければ速いほどいいので。
GPU性能>>CPU性能:ボトルネックが起きる
CPU性能>>GPU性能:問題ない
[GPUとCPUの組み合わせの目安]
GPU | CPU |
GTX 1050 GTX 1050 Ti | Core i5-6500以上 |
GTX 1060 | Core i5-8400以上 Core i7-7700K以上 |
GTX 1070~ RTX 2080 | Core i7-8700以上 |
RTX 2080Ti SLI構成 | Core i9以上 |
1-4. メモリ
メモリは、CPUやSSDのデータのやり取り・そのやり取りの情報を一時的に保管する役割をもっています。
メモリは机に例えられることが多いです。広いほど、沢山の数・大きなものを置けます。
メモリ容量が大きいほど、重いゲームソフト(大きなもの)を遊べるということです。
ゲーミングPC用のメモリは、8GB以上を見積もる必要があります。
理想は16GB。
32GB以上は、ゲーム用に限って言えば必要性は薄い。
高性能なほど快適に遊べるCPU・GPUに対し、メモリはプレイするゲームに必要な容量があれば、それ以上快適にはならないです。
市販のゲーミングPCに、メモリだけ必要以上に大容量なゲーミングPCなどありませんしね。
少し前までは4GB推奨くらいのゲームがほとんどでしたが、最近は8GB推奨のものが主流になりつつあります。
では8GBのメモリ搭載パソコンを選べばいいのかといわれると、そうとも言えないのです。
推奨スペックのメモリ容量が8GBで、メモリ8GBだと、実際にはギリギリなことも。設定によって重くなったり、突然ゲームが落ちたりすることがあります。
8GBを推奨するゲームが増えている今、搭載するメモリは16GBがオススメです。
現在でも16GBメモリを推奨するゲームは存在しますが、少ないです。
例としては、PC版のスターウォーズバトルフロントなど。
もしこのようなゲームを遊びたい時は32GBメモリがいいですが、正直メモリは後で増設することも簡単。
PUBGでも推奨は16GBメモリになります。
ゲーミングに加えて、動画編集も行いたいという方は、32GBあると心強いのは間違いありません。
(動画編集は編集する動画時間・高度な編集エフェクトを使用するほど、際限なくメモリの負荷が増えていくので)
4GB | ダメ |
8GB | OK(最低限) |
16GB | OK!(ほぼ理想) |
32GB | OK!(あると頼もしいが、 優先度は低い |
1-5. SSDかHDDか
ゲーミングPCには、絶対にSSD搭載パソコンを選ぶべきです。
ストレージ(SSD・HDD)の違いによって、
・ゲームの起動時間
・ゲーム中のマップ切り替えのロード時間
が大きく変わってきます。
SSDのほうが断然早いです。倍以上早くなることもあります。
SSDのほうが動作音も静かです。
記事冒頭でSSDの重要度を低く見積もったのは、ゲーミングPCには基本的にSSDが搭載されているからです。
ゲーミングPCにSSDは当たり前の存在、言い換えれば、なくてはならない存在。
SSDはHDDと比べて高価なため、「SSD 250GB+HDD 2TB」のような2種類のストレージを備えたパソコンがオススメです。
デュアルストレージと呼ばれます。
ゲームの読み込みと保存をSSD、それ以外のデータ保存をHDDといった利用法になります。
PCゲーム用としてしか利用しない方は、SSD250GBで2~3本のデータ保存ができます。
500GBあれば5~6本くらい。
人気のゲーミングPCはほとんどがSSD&HDDのデュアルストレージ。
予算に糸目をつけない方は、SSD単体で2TBくらいの高額PCもいいですね。
SSDかHDDか | 絶対にSSD |
オススメ | デュアルストレージ 例:SSD250GB+HDD2TB |
1-6. 電源(デスクトップPCのみ)
電源と聞けば、「パソコンを起動するためのただのボタンじゃないの?」と考える方も多いと思います。というより、初めて聞いたら誰だってそう思いますよね。
私も数年前にゲーミングPCを購入して、しばらくは知りませんでした。
電源は、CPU・GPU・メモリなどに電力を供給する役割があり、PC起動中は常に仕事をしています。
ゲーミングPCのように電力消費量が大きいものほど、電源も高品質である必要があります。
電源が低品質だと、パソコンの故障率が上がります。電源が駄目になると、パソコンの他のパーツも道連れになります。
ただ、市販されるゲーミングPCの電源は、必要とされる品質を備えています。
電源には、W(ワット数)と電源効率の2つから性能を測れます。
W(ワット数)は最大耐久力を示しますが、気にしなくていいです。ゲーミングPCによるゲームで、最大耐久力を超えることはありません。
気にするとしたら、電源効率です。
「80PLUS認証」が目安です。電源効率80%以上という意味です。ゲーミングPCには基本的に備わっています。
電源効率には「80PLUS認証」のなかでもグレードがあります。
グレード[変換効率:%]
STANDARD | 80% |
BRONZE | 85% |
SILVER | 88% |
GOLD | 90% |
PLATINUM | 92% |
TITANIUM | 94% |
グレードが高い(変換効率が高い)と、省電力になり、発熱減少によって製品寿命も長くなると言われています。
個人的な話で恐縮ですが、私の持つゲーミングPCは「80PLUS認証」のBRONZEで、4年以上使っても現役です。
毎日のようにプレイして、日によっては8時間以上プレイする日もありましたが、今のところ元気。
個人的には「80PLUS認証」あれば大丈夫かとも思いますが、世間的にはSILVER以上がゲーミングPCとしては望ましいと言われています。
2. ゲーミングPCスペックまとめ
今までの結果から、下記のようなスペックをもつパソコンがPCゲームに最適です。
2-1. おすすめのPCスペック
下の表のスペックを満たすゲーミングPCがおすすめです。ゲーミングPCとして、最も人気のあるスペック帯でもあります。
このスペックがあれば、フルHD画質でカクつきなくPCゲームをプレイできます。
YouTubeにあげられるゲーム実況動画も、ほとんどがフルHD画質で、キャラクターがラグることなく躍動していますよね。
CPU | Core i7以上 |
GPU | GTX 1070以上 |
メモリ | 16GB |
SSD | 250GB以上 (ゲーム以外の保存用に、 1TB以上のHDDも欲しい) |
電源 | 80PLUS認証があればOK (上記スペックを満たすPCなら 付いています) |
2-2. ゲーミングPCはBTO
ゲーミングPCを販売している会社はいくつもありますが、この記事でご紹介するおすすめのゲーミングPCは、同スペックで比較した際に最も安いゲーミングPCになっています。
値段の安さを重視したのは、単純にお得だからです。
安いからといって、サポートや品質が悪いということはありません。今の時代、そんなことをすれば瞬く間にネットで悪評が立ちますから、やるメリットもないですね。
ゲーミングPCを販売している会社は、BTO(Build To Order:受注販売)と呼ばれています。
BTOを比較した記事もありますので、詳しく知りたい方は下記の詳細記事をご参照いただければと思います。
【詳細記事】
それでは、ゲーミングPCとしておすすめしたいパソコンを、デスクトップPC・ノートPCから1機種ずつご紹介します。
まずはおすすめのデスクトップパソコンからご紹介していきますね。
2-3. おすすめゲーミングPC(デスクトップ)
値段 | 164,980円 |
CPU | Core i7-9700K |
GPU | GeForce RTX2070 SUPER |
メモリ | 16GB |
SSD | NVMe SSD 512GB +HDD 2TB |
電源 | 80PLUS BRONZE |
GALLERIA XF(ガレリア XF)。
ドスパラ(Dospara)のゲーミングPCデスクトップ人気1位。
多くの候補パソコンの中で、一番コストパフォーマンスが高いのが、このゲーミングPCです。
このスペックでこの値段は、破格の安さ。
CPU[Core i7-9700K]は、CPUの最新世代。
Core i7のシリーズの中でも最高クラスの性能を持ち、評価も高いです。
この評価は、コスパ面も含まれています。
GPU[GeForce RTX 2070 SUPER]は、[GeForce GTX 1070]の進化版で、性能は1,5倍ほどもあります。
にもかかわらず、この「GALLERIA XF」はGTX1070搭載のデスクトップパソコンと比べても、値段がほとんど変わりません。数千円くらい。
このスペックなら、フルHD画質で144fpsが望めます。
WQHD(2560×1440)でも100fps、4Kでも60fps弱くらいの数値が出ます。
[NVMe SSD]は[SSD]の上位版ですが、[HDD]と[SSD]のような劇的な違いはなく、「あ、ついてるんだ、ラッキー」くらいの存在です。
[SSD]の時点で処理速度はとても早く、CPUやGPUの足を引っ張ることがほぼないからです。
・電源を[80PLUS BRONZE]から[80PLUS GOLD]へ
+6,500円
はカスタマイズで、是非取り付けたいです。
CPUファンは、オーバーヒートと、起動中の性能低下を防止。
電源は、電源効率による省電力と、発熱を抑えることによる故障防止。
5年以上使っていきたいパソコンと考えると取り付けたいですね。
名実ともにSランク評価のゲーミングPC。
⇒
2-4. おすすめゲーミングPC(ノート)
値段 | 139,980円 |
CPU | Core i7-9750H |
GPU | GeForce RTX2060 |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD |
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
リフレッシュ レート | 144Hz |
60Hzが普通。144Hzは最高峰。
(液晶画面の性能なので、ノートPCのみ)。
GALLERIA GCR2060RGF-E。
ドスパラの人気ゲーミングノートPC。
CPU[Core i7-9750H]は、GPU[GeForce RTX2060]の性能を100%引き出します。
[Core i7-9750H]のHは、ノートパソコン専用のCPUで、性能を少し下げる代わりに省電力性を大幅に向上させている型のことです。
電力を抑えることで発熱性を下げ、長時間プレイを可能にしています。
(ノートパソコンは外殻の小ささから熱がこもりやすいため、デスクトップに比べると長時間プレイが苦手だった)
高性能CPU・GPUに加え、16GBのメモリ、512GBという十分な容量かつ高性能であるNVMeのSSDストレージ、ヌルヌル動作が可能な144Hz対応の液晶。
HD画質での144fpsを実現し、フルHD画質で100fps。
コスパの高さでは、ゲーミングノートPCの中でも随一です。
数年に渡りいくつものPCゲームを、フルHD画質・高fpsで遊びたい方には理想的なゲーミングノートパソコンです。
カスタマイズは特に必要ないかと。
⇒
3. 終わりに
この記事でご紹介したおすすめのパソコン2機種は、コスパを重視したパソコンでした。以下の2記事で、ゲーミングPCにおすすめのパソコンをスペック・価格別にご紹介しています。
低予算用や、超ハイスペックパソコンなど。
よければ、こちらもご覧ください。
【関連記事】
3-1. ご自身で選びたい方は
AmazonもドスパラなどのBTOパソコンを取り扱ってはいますが、種類が少なく、Amazonという業者を仲介するので割高です。
ネットで購入する際は、BTOサイトから手に入れるようにしたい。
ゲーミングPCをご自身で確かめたい方は、
ゲーミングPCおすすめスペック
|CPU - Core i7以上
|GPU - GTX 1070以上
|メモリ -16GB
|ストレージ - SSD[250GB以上]
下記リンクからBTO公式サイトに飛びますので、よければご利用ください。
【公式サイト】
G-Tune
この記事を読まれた方は、BTOの比較記事にも目を通される方が多いです。
興味がある方は、以下のBTO比較記事もご参照いただければと思います。
【BTO比較記事】