ブログ開設から4500日記念SSの第二段です。
今日はどちらかと言うと正統派の悪堕ちSSだと思います。
タイトルは「スートレディ」です。
正義のヒロインチームの活躍をお楽しみいただけましたら幸いです。
それではどうぞ。
スートレディ
「たぁーっ!」
スラッと伸びる足の一撃。
全身を白い全身タイツで覆った男がたまらず壁にたたきつけられる。
頭部も白いマスクで覆われ、目も耳も鼻もない。
まるでゆで卵のような頭だ。
胸の部分には、トランプのスペードのマークと数字の3と書かれていて、ほかにも同様に白い全身タイツと胸にトランプのマークや5だの8だの数字が書かれた男たちが身構えている。
銀河を荒らす広域指定凶悪集団トランプ兵団のトランプ兵だ。
一説にはクローンで作られた人間もどきだとも、さらってきた犯罪者を改造しているともいわれるが、捕らえてマスクをはぎ取ろうにも継ぎ目がなく、また、死体を解剖しても頭部には脳だけしかないため、個人の特定というのがほぼ不可能な連中だ。
このトランプ兵が、最近銀河のあちこちで集団で暴行や襲撃、大量殺人などを犯しており、銀河警察としても対応に苦慮していたところだった。
しかし、今回情報から拠点と思われる場所が判明したことに伴い、一気に中枢をつぶすべく銀河警察は二人の女性刑事を投入してきたのだった。
二人という人数は少ないようにも見えるが、本来銀河警察は各星系に一人の宇宙刑事を配置するのが通常であり、その星系での宇宙犯罪は一人の宇宙刑事が担当するのが普通である。
もちろんサポート役は付くが、そのサポート役は基本は情報収集などであり、犯罪の対処は宇宙刑事が行うのだ。
その宇宙刑事を二人も送り込むということは、銀河警察が本気であることの表れであり、また投入されたのも女性とはいえ数々の宇宙犯罪を解決に導いた二人で、いわば銀河警察にとっての切り札ともいうべき存在だったのだ。
「さすがは拠点ね。トランプ兵の数が結構多いわ」
ピンクのバトルスーツに身を包んだ女性が、バイザーの奥から行く手に立ちはだかるトランプ兵たちをにらみつける。
「でも、ま、所詮はザコ。私たちの相手じゃないわ」
もう一人のパープルのバトルスーツの女性がピンクの女性の隣に立つ。
この二人が銀河警察の女性宇宙刑事たちだ。
ピンクがコードネームリサ、パープルがコードネームレイカと呼ばれている。
「さあ、さっさと片付けて、女王様にご対面と行きましょう」
「ええ」
二人は息の合った動きでトランプ兵たちに突っ込んでいく。
一般の人間では全く歯が立たないトランプ兵も、この二人の宇宙刑事の敵ではなかった。
******
「さて、どうやらここが玉座の間のようね」
「いよいよ女王様にご対面ね」
トランプ兵の集団を倒し、ついに奥までたどり着く二人。
情報ではいまだこの拠点から脱出したものはいないという。
ならば、トランプ兵団のボスともいうべき女王、カードクイーンがまだいるはずなのだ。
トランプ兵団のボスが女王と呼ばれていることはすでに情報として知られていたが、果たしてどのような人物なのかは知られていない。
もちろん女王と呼ばれているとはいえ、男か女かも定かではない。
もしかしたら、コンピュータかもしれないとか、ズムン星人のように男女という概念がないのではとか、いろいろと言われてはいるものの、いずれもうわさの域を出ないのだ。
「用意はいい? リサ」
「いつでもOKよ。レイカ」
二人はうなずき合い、扉を開けて転がり込む。
「銀河警察です! おとなしくしなさい!」
「カードクイーン! あなたを銀河警察の名において逮捕します!」
二人は素早く左右に分かれ、すぐに戦闘態勢を取る。
だが、部屋は広いがらんどうで、豪華な椅子が一つあるだけだった。
「いない?」
「逃げられた? まさか、そんな・・・」
思わず椅子のところに駆け寄る二人。
だが、そこには誰もいた様子がない。
「どういうこと? ほかに出口もなさそうだし」
「椅子が動くとか?」
ピンクのスーツのリサが試しに椅子を動かしてみる。
しかし、椅子はがっちり固定されているようで動かない。
「抜け穴があるというわけでもなさそうね・・・」
顔を見合わせる二人。
「最初からここにはいなかった・・・ということかしら?」
「情報が間違いだった?」
「わからない。トランプ兵の数から言って、ここが拠点の一つであることは間違いないとは思うんだけど・・・」
首を振るレイカ。
「ひっ!」
小さな悲鳴とともに、突然リサがレイカの視界から消える。
「えっ?」
レイカが何が起こったのかを理解する前に、彼女もいきなり視界が回転する。
「な、なに?」
二人が、自分たちが足をつかまれて宙に持ち上げられたのだと気が付くまでに数秒間。
その間に彼女たちは、両手両足を天井から生えてきた触手のようなものに捕らえられてしまっていた。
「な、何これ?」
「いやぁっ!」
二人は触手によって宙づりにされ、手足を大の字に広げられてしまう。
何とか逃れようとするものの、空中では思うように動けない。
「こ、こぉのぉ!」
「は、放しなさい!」
二人はじたばたともがくが、触手はさらに何本もが絡みついてくる。
「く、くそぉ・・・」
「あ・・・あああ・・・」
どうにも身動きが取れない二人。
両手も絡みつかれてひっぱられているので、武器を手にすることもできないのだ。
『ホホホホホ・・・ようこそ銀河警察の女性刑事さんたち』
部屋の中に女性の声が響く。
「なっ、だ、誰?」
「まさか・・・カードクイーン?」
二人はきょろきょろと周囲を見る。
が、部屋には誰もおらず、天井から生えた触手のみ。
「姿を見せなさい! カードクイーン!」
「卑怯よ! 私たちを放しなさい!」
『オホホホホ・・・ここまで来たのはお見事です。さすがは銀河警察の切り札と呼ばれる二人だけのことはある』
相変わらず声だけが部屋に響く。
「姿を見せなさい!」
「カードクイーン! 出てきて私たちと勝負しなさい!」
リサもレイカも身動きのできない自分に歯噛みする。
だが、この状況ではどうしようもないのだ。
『オホホホホ・・・そなたたちは美しく強い。わらわはそなたたちを気に入りました。どうですか? 銀河警察をやめ、わらわに従いませぬか?』
「なっ? ふ、ふざけるな!」
「私たちにあなたに従えと?」
カードクイーンの申し出に一瞬唖然とした二人。
だが、直後に猛烈な怒りが湧いてくる。
冗談ではない。
「私たちは銀河警察の宇宙刑事よ! 犯罪者に従うなんてありはしないわ!」
「バカにするのもいい加減にしなさい! 私たちは絶対にあなたに従ったりなどいたしません!」
『ホホホホホ・・・今のは所詮形だけの質問。そなたたちがそのままわらわに従うなどとは思ってません。ならば、そなたたちを作り替えてしまえばよいのです。わらわに心から従うように』
「なんですって? 作り替える?」
「バカなことを言わないで! どんなことをされても私たちはあなたに従ったりはしないわ!」
『ホホホホホ・・・その言葉、最後までそう言っていられるかしらね。ホホホホホ・・・』
カードクイーンの笑い声が室内に響く。
『では始めましょう』
カードクイーンの言葉とともに、彼女たちを拘束している触手の周りにさらに触手が現れる。
それらの触手たちがうねうねと彼女たちの躰を這いまわりはじめると、驚いたことに彼女たちの着ているバトルスーツが細かい粒子になって消えていく。
「えっ? 嘘・・・」
「いやっ! 何これ!」
リサもレイカも驚きを隠しきれない。
やがて触手は二人のかぶっているヘルメットにもまとわりつき、ヘルメットも消してしまう。
彼女たちの着ていたアンダースーツや下着もすべて消し去られ、もはや二人は身に何もまとわぬ裸のままで、触手に躰を這いまわられていた。
「うう・・・こんな・・・」
「ま・・・負けない・・・私たちは負けない・・・」
唇を噛み締めて、気色悪さに耐えるリサとレイカ。
触手の這いまわる感触がヌルヌルとして気持ち悪いのだ。
「えっ?」
リサは思わず声をあげる。
鎌首を持ち上げたように彼女の躰の上に伸びてきた触手の先端が、思わず男性の性器の先端のように見えたからだ。
まさか・・・
一瞬触手によって犯されるのではと思うリサ。
だが、触手はその先端から白い粘液をビュッと噴き出し、彼女の躰に噴きかける。
「い、いやぁっ!」
まるで男性に精液をぶっかけられたようだ。
気持ち悪いことこの上ない。
「ひぃっ!」
隣ではレイカも同じ目に遭っている。
二人の胸やお腹に白い粘液がべたべたと噴きかけられていた。
やがて触手たちがうねうねと彼女たちの躰にその粘液を塗り広げ始めていく。
「ひいぃぃぃぃぃ」
レイカはあまりのことに大きな悲鳴を上げてしまう。
リサもキッと唇を噛み締めるが、気持ち悪さは耐えがたいほどだ。
だが、粘液が塗り広げられていくに従い、だんだんじんわりと気持ちよさを感じるようになる。
え・・・うそ・・・
リサもレイカもそのことに戸惑いを感じるが、首から下の全身に粘液が塗り広げられることで、ますます気持ちよくなってしまうのだ。
ど・・・どうして・・・でも・・・気持ちいい・・・
いけないとは思うものの、気持ちよさに抗えなくなっていく自分がいることに二人は気が付いていた。
白い粘液は、触手によって塗り広げられ、二人の躰を覆っていく。
覆われた部分は白く染まり、やがて皮膚そのものになっていく。
じょじょに二人の躰は白く覆われ、手指の先から足のつま先まですべてが白く覆われていく。
やがて足を拘束していた触手が二人の足首から下を完全に覆いつくし、ウネウネとうねりはじめる。
ああ・・・ん・・・あ・・・
まるで足のマッサージを受けているかのように気持ちよさが二人の躰を駆け巡る。
やがて触手が離れると、二人は気付かなかったが、二人の足は足の指が消え、かかとがとがって白いハイヒールブーツを履いたような形に変化していた。
それと同時に躰を覆う粘液もナイロン状に変化し、二人はまるで白い全身タイツを着たようになってしまう。
それはまるで、あのトランプ兵のようだった。
二人の躰の首から下が完全に白に覆われると、今度は触手は躰の数ヶ所に色を付けていく。
リサはピンク、レイカは紫色だ。
それは宇宙刑事のバトルスーツのパーソナルカラーでもあったが、今度彼女たちに付けられるのは、トランプのマークであった。
リサにはピンク色のハートが、レイカには紫色のダイヤのマークがそれぞれ描かれていく。
右胸、左の太もも、右の脛。
そういった個所にマークが描き加えられていく。
それと同時に二人の髪も染められる。
リサは金髪からピンクの髪に、レイカは黒髪から紫の髪に変わっていく。
「ああ・・・あああ・・・」
「んふぅ・・・はあぁぁん・・・」
全身を走る快感に二人は悩ましげな声を出す。
自分たちが変えられているというのに、全く抵抗ができないのだ。
そして触手は二人の顔にも粘液を噴きかける。
白い粘液が二人の顔に塗り広げられ、二人は白いメイクをしたように白い顔にされてしまう。
やがて一本の触手がそれぞれの唇に重なり、二人の唇を染めていく。
リサの唇はピンクに、レイカの唇は紫に。
そして二人の左頬にはハートとダイヤのマークが描き込まれた。
『ホホホホホ・・・その粘液で化粧されると、心まで姿と同じに染まってしまうのよ。さあ、仕上げをいたしましょう』
カードクイーンの言葉とともに、黒い稲妻が二人の躰を直撃する。
「あああーー!」
「きゃぁーーー!」
悲鳴を上げ、全身をしならせる二人。
その左胸に、黒くくっきりと“A”の文字が浮かび上がる。
「ああ・・・あふ・・・」
「ああ・・・ん・・・」
悲鳴を上げるのをやめ、やがて二人の口元に笑みが浮かぶ。
『ホホホホホ・・・どうやら仕上がったようですね。二人とも気分はどうかしら?』
触手によってゆっくりと床に下ろされる二人。
二人のヒールが床を踏むカツッという音が部屋に響く。
「「はい、カードクイーン様。とてもいい気分です」」
先ほどとは全く違い、崇拝するような表情で玉座を見、片膝をつく二人。
『ホホホホホ・・・そなたたちが何者か言ってごらん』
「「はい。私たちはカードクイーン様にお仕えする忠実なしもべ。スートレディです」」
「私はハート」
かつてはリサだった女が誇らしげに胸を張る。
「私はダイヤ」
かつてレイカだった女が妖艶な笑みを浮かべる。
「「どうぞ、私たちに何なりとご命令を」」
声を合わせて唱和する二人。
カードクイーンの言葉通り、二人の意識は塗り替えられてしまったのだ。
『ホホホホホ・・・可愛いスートレディたち。これからは二人で私のために働くのですよ。私のエースとして』
「「もちろんです! カードクイーン様!」」
あらためて誰もいない玉座に一礼し、二人は立ち上がる。
その顔には邪悪で冷たい笑みが浮かんでいた。
「さあ、行きましょうダイヤ。この周囲の銀河警察の奴らを血祭りにあげに」
「ええ、行きましょうハート。カードクイーン様に歯向かう愚かな連中は私たちの手で始末するの」
「うふふふふ・・・」
「うふふふふ・・・」
ヒールの音も高らかに玉座の間を後にするスートレディの二人。
『オホホホホ・・・頼もしいこと』
二人のいなくなった玉座の間に、カードクイーンの笑い声が響いた。
******
「キャッ」
殺風景な部屋に押し込められる女性たち。
その数は10人以上。
制服姿の女子生徒や、若いOLたちもいる。
「うふふふふ・・・結構上玉がそろったようじゃない?」
「ええ、ダイヤ。私たちにはかなわないけどね。ふふふふ」
おびえる女性たちを前に二人で笑っているハートとダイヤ。
銀河警察の切り札と言われていた二人の女性刑事は、今やトランプ兵団のエース(切り札)として暗躍しているのだ。
今日も拉致してきた女性を一人連れて来たところだった。
「うふふふふ・・・安心なさい。お前たちを殺したりはしないわ。それどころかちゃんとかわいがってもらえるところに連れて行ってあげる」
「地球人の女性は高値で売れるわ。あなたたちのおかげで私たちトランプ兵団も潤うってわけ。ふふふふ」
二人のスートレディはもはや人身売買など当然のこととしか思わない。
カードクイーンのためならどんなことでも行うようになってしまったのだ。
「ねえ、ダイヤ。私カードクイーン様にお願いしようと思うんだけど」
「あら、ハート。何をお願いするの?」
「この“女子高生”っての、私たちの部下に作り変えていただかない?」
「あら、いいわね。私も専属の部下が欲しいって思っていたところよ。トランプ兵たちじゃ面白くないものね」
顔を見合わせて笑顔になる二人。
「決まりね。今ここに四人いるから、二人ずつ部下にしていただきましょう。スートガールズなんてどうかしら」
「いいわね。スートレディとスートガールズ。トランプ兵団にぴったりだわ」
「それじゃ早速戻って・・・」
「ええ、カードクイーン様に・・・うふふふふ・・・」
「うふふふふ・・・」
自分たちの運命を想像して青ざめる女性たちを前に、二人の悪に染まった女たちは期待に胸を弾ませながら帰路に付くのであった。
END
いかがだったでしょうか?
明日は三本目。
改造ものSSを投下しようと思います。
お楽しみに。
それではまた。
(23:20追記)
途中からリサとレイカの色が逆になってしまっておりました。
修正をいたしましたので、すでに読んでしまわれた方は若干違和感を感じられるかも。
失礼いたしました。
- 2017/11/12(日) 20:20:02|
- 洗脳・戦闘員化系SS
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