おれは竹ノ内豊かな
- mik***** さん
- 2016年11月2日 13時17分
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- 総合評価
これだけメディアや口コミで絶賛されていながら、これほど落胆させられるとは思わなかった。
この映画は、演者の言葉一つ一つが聞こえずらく、一般人には酷く難しい台詞の応酬でげんなりした。しかも回りくどくわかりきったことを全て喋らせてるから尺の都合上どうしても早口や怒号になる。
映画なのに映像で説明するのでなく、演者に説明口調で語らせるからこんな馬鹿なことになる。加え、SEなどが無駄に大きく邦画のダメな部分をいかんなく発揮する。
物語も、肝心のゴジラより人間がgdgdと会話してオタク集めた連中で勝手に事を進めてなんか上手くいきました、という本当にかったるい物語だった。
一番不満なのは上映時間の3分の1以下の時間しかゴジラが暴れていない件。
政府の対応の遅れとか「想定外」とか蛇足にもほどがある。どんだけ尺割いてんだ。あくびは出る肩は凝るで映画に集中するどころじゃない。
我々目線の一般人は一瞬だけ登場する倒壊したマンションで逃げ遅れ圧死した3人家族だけ。おいおい、ゴジラによって生活が奪われ職を失い家族を殺されるという身近な脅威が、恐怖が、全く描かれていないんだけどどういうことなのこれ。
政府や社会の上層の人たちの内輪で物語が完結し、映画が先に進めば進むほど全く入り込めない。
トップレビュアーたちが「立ち上がれニッポン人!!」「誇りを胸に!!」とか言ってるのホントどうかしちゃってるよ、怖いし恥ずかしいどうしちゃったの日本人。
東日本大震災ネタとか政府批判も良いけどもうちょっとバランス考えた作品作れない?こんなの3.11を経験しその後の政府対応までを見てきた身からするとむしろ「政府があたふたするのなんて想定内だろ?」。今更血眼になって騒ぐことなのだろうか。怪獣想定して対策する奴の方がイカレてるだろ。
震災への政府批判の視点を取り上げるなら、死んでいった一般市民・自衛官・SPなどのパーソナルな部分をクローズアップすべきだったのではないか?
長谷川博己演じる矢口は失敗しないカリスマとして描かれ過ぎてないか?最初に「巨大生物の可能性が」「もっと迅速に対応していれば」とか抜かしてたけど、真偽不明のネット情報を元に総理大臣に「高熱の巨大生物(怪獣)じゃね?」と進言するのは流石に馬鹿げている。たまたま当たって良かったねとしか。「宇宙人の侵攻じゃね?」「某国の巨大ロボじゃね?」を疑うのと同じ。それに今の政府の対応マニュアルから考えても劇中の対応は現実的に取り得るものとしてかなり頑張った方。
規模や範囲の大小はあれど、本来想定して然るべき地震・津波災害や原発事故と大怪獣東京に現る()を一緒にして議論や批判など全くの無意味だ。明日大怪獣が東京に上陸することを想定しておけというのだろうか?アホらしい。それよりも原発の安全性や再稼働の危険性に想定外の事態を検討しているか?を考えるほうが現実的。
作中の主人公である矢口チームが「英雄」として描かれておりそのことを取り上げて「日本の誇り」としたいレビュアーがいるようだが、私がもっとも共感したのは竹ノ内豊演じる首相補佐官・赤坂である。
彼は一貫して「現実的に今できること」を真っ当に模索する真の英雄である。もし矢口のヤシマオリ作戦(ヤシマ作戦のもじり?ダセぇ)が失敗した際には、彼を庇って責任の一端を担うなどなんとしても矢口をフォローする役回りをするだろうことは明らか。
3.11の緊急時の対応に問題があったのは確かだが、この映画で政府を動かしたいのか?それとも無知な国民の目を醒まさせたいのか?巨大怪獣を想定し米軍のように強力な防衛力を持つべきということなのか?私が恐ろしく感じたのは現実にこれだけの軍事力をゴジラでなく対人間用に開発・使用しているということ。
創作からインスピレーションを受け想像力を働かせるのは結構だが、賢者は現実の出来事(震災・原発事故)から十分に現実的な想像力を働かせそのために何をすべきか自分自身で日頃から考える訓練をしている。
シン・ゴジラから勇気を貰ったり感動したという人は、もっと現実の政治や災害へのリアリティを持ってほしい。この映画は幼稚な茶番でしかない。庵野秀明が真に賢者ならばこの先の現実を描くべきだ。
出来合いのどこから引っ張ってきたのか不明のオタクどもを集めてきて即席チームで勝手に周りも動いてくれて運よく解決に至りました、だなんてラッキーは非現実的にもほどがある。
より具体的で確実性のある政策・提言がなされるべきだと思う。それでも想定外の対応には必ず不備が出る。それが現実。地道で目立たなく泥臭くとも、不確実性を含むベスト(矢口)を求めるよりもマスト(赤坂)を行うことが政府・行政のやるべきことだと思う。この映画は奇跡を起こす夢を見るアマチュアたちの桃源郷だと感じた。私は綺麗事だと断ずる
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