旧型ELの更新工事
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昔は、どこの模型屋さんでも真鍮の電関用エアータンクは買えましたが、今はどこにもありません。仕方なくオリ
ジナルの樹脂製エアータンクを加工することになりました。

(1)床板に焼き止めされている部分をナイフでそぎ落とし床板から取り外します。タンクの中心に1.2mmの穴をピン
バイスであけ、最終的に穴径
1.5mmで中心位置修正を精密ヤスリで削り、目立つバリはヤスリとカッターナイフで削
りますが、この材質は粘りがあるので手間がかかります。


(2)0.6mm真鍮線を型紙にあわせて先細ヤットコで図の状態に曲げます。

(3)エコーモデルの精密パイプをカッターナイフで転がして必要数を切り出し、切り口のバリ処理はドリル刃と
耐水ペーパで行います。


(4)真鍮線にパイプ・タンクを通してから片側の真鍮線を曲げ加工します。型紙にあわせて瞬間接着剤でパイプ
をタンクの定位置に仮止めして、これを床板に取り付けます。タンクには下穴をあけておいて床板へは
2×6mm
タッピングビスで取り付け真鍮線は床板にあけておいた
1mm穴に通して半田付けします。最後にタンク内側のパイ
プ、真鍮線へ二剤混合型接着剤を盛り付けておきます。


樹脂製タンクの粘りが原因で加工に手間がかかり、プラ丸材で原型を作りシリコンゴム型でコピーした方が楽だっ
たと思います。そして、
10年ぐらい物置でサビ増殖中の卓上旋盤を整備して真鍮丸棒から作る気力はありませんで
した。

変形し割れたダイキャスト
ウォームギヤ2種類、右は初期ロットEF57で2軸目はフリーです。
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EF15の運転台・尾灯周辺                 EF58の運転台・尾灯周辺

更新工事前の記念撮影、手前EF15、奥EF57ともに初期ロットです。

今回の更新工事にあわせてスパーギヤの58も尾灯のLED点灯化工事を実施

40年以上前に、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入した天賞堂EF15EF57EF58ED75があります。MH-7
モータとウォームギヤの動力は特にEFで機関車らしい騒音と低速で重々しく走行してまいりましたが、皆様経験
されているスポンジ付着に始まり車体塗装ハゲ、ダイキャスト台車枠の変形等、オーナー同様かなり老化してし
まいました。
機関車1台は、当時サラリーマンの月給1カ月分に相当し今も同じですが、年金受給者には新車への
買換えは出来ません。残された時間は少ないはずですが、日々の自由時間は贅沢にありますから、更新工事を実
施することにしました。問題は部品購入不可能なダイキャスト台車枠、スパーギヤ動力、運転台はオークション
等で部品取りが出来そうなジヤンク品を探し、時間をかけて入手しました。

旧製品のEF15デッキ下フレームも樹脂製ですが、割れてきました。この材質は粘りがなく硬いものです、カプラー
が取り付けられる部分なので列車牽引では力がかかりますから。それに対応した修理が必要です。見えない場所に
両端を曲げた
0.5mm洋白線を埋め込み、二剤混合型接着剤で固定します。この機関車は何故かカプラーが先端下が
りで取り付けられますので、取り付け台をヤスリ整形し水平にしました。結果、水平になりましたがカプラー位置
が上昇しましたのでケーディは
6番から13番に変更しました。

車体塗装はホームセンターを物色して、アサヒペンの強力塗料はがし液(自然に優しい)と一番安かったロイドの
ラッカーうすめ液を準備しました。はがし液とブラシだけで短時間できれいに塗膜は除去されました。洗浄、乾燥
後にアサヒペンのメタルプライマー非鉄金属用をスプレーし乾燥後に、マッハの調色塗料をエアーブラシで吹きま
した。ホームセンターを物色していると、そのまま使ってみたい色合いのカラースプレーが見つかりますので、一
度試してみたいと思います。下回りでは以前からアサヒペンのクリエイティブカラースプレーのマットブラックを
使っています。プライマーとの二度塗りも面倒なので最近トピカのトップガードを買ってみましたので試してみる
予定です。ホームセンターと模型屋さんの調色技術料が加算された鉄模用塗料は価格差が大きいですが、狙った色
合いを調色することは素人には不可能に近いです。今回も何とか天賞堂オリジナルの色に近い再塗装をしたいもの
ですが、全塗装ですから気にせずに美しい仕上がりを狙いましたが、これもエアーブラシの技術に問題が残ります。

静寂性とタンク付きで小型軽量を求めて、買い換えたエアテックスのコンプレサーですが塗装作業より車両の埃取
りに活躍しております。

EF58-46 電球色LEDの前照灯点灯            赤色LEDの尾灯点灯

EF58-4 12V電球の前照灯点灯                赤色LEDの尾灯点灯

EF15-84 電球色LED・イルミネの点灯               赤色LEDの尾灯点灯

電子回路部品は基板に組み立てれば見た目が良いのですが、機関車の場合は空間が少なく空中配線で組み立てた
ものを、隙間を確認した位置に絶縁を兼ねてゴム系接着剤で固定し、上下分離には
ICソケットを使っています。

両軸モータ仕様の床板は
1.5mmですが、片軸モー
タの床板は厚さ
1mmなの
で糸鋸による切断はサク
サク(ヘラクレス刃使用
)進みますが、写真のよ
うにウエイト等搭載した
下回りだけでは少し頼り
ない状態ですが、車体に
組付ければ確りします。

更新工事が完了した
下回り、左よりウォ
ーム・
MV-8EF58
、ウォーム・CN-22
EF58、スパー・
CN-22EF57

更新された左よりスパー
ギヤ動力ユニット、ウォ
ームギヤ動力ユニット。
この3種類を使うことに
なりました。

オークション等で入手したジャンク品のなかには程度の良い物もあり、何輌かは再生する価値がありますので、
集まった部品を検討し更新1、更新
2の二種類の工事を実施することにしました。違いは動力ユニットがスパー
ギヤかウォームギヤで両軸モータは
MV-8も程度の良い物は再使用します。天賞堂の旧型ELの台車、動力ユニット
は、この更新工事では動力車輪以外は互換性が確認され簡単に組立が進みました。

ネジ1本、ガラス1枚、ギヤ1個まで分解し、洗剤と歯ブラシで充分洗浄後に乾燥。動力ユニットの再組立では
シリコングリスをギヤ、軸受部に塗布。動力車輪は良好な集電確保のため回転させながらデザインナイフや耐水
ペーパで磨いておきます。

車輪の洗浄中に40年ぶりで発見しましたが旧製品の車輪はスポークのバリが物凄く、精密ヤスリで削り始めま
したが何軸かやっていやになりました。スパーギヤの製品にはバリがありませんでした。

更新工事待ちのEF58EF15車体です。EF58旧製品の側面窓横幅を広げるか、このままレストアするかで考え出したら
作業が止まってしまいました。

オークションで入手した運転台CA-1(EF58)は尾灯をLED点灯化のため、かなり大胆にドリル、ヤスリ、ニッパ、
エンマを駆使して柔らかい材質に空間を作り、運転室床板に運転台取り付けの穴をあけ、
LED尾灯が干渉しますか
U型に糸鋸で切り取ります。

CA-3(EF15)1mmLEDを使いましたので少しの加工で使用できますが、車体前後の床板取り付け用板の位置も
尾灯と干渉するので、回転工具で
U型に削り運転台取り付けの穴をあけます。絶縁されたLED尾灯はこの板と運転台
にサンドイッチされることになります。

CA-2(EF57)EF15同様ですが、上記この板にライト用セレンが取り付けてあり、このベース板だけを外そうと
100Wの鏝を使いましたが、渡り板がボロっと先に外れたり、残半田の処理でキサゲを窓や側面フィルタから入れて
シコシコやることになりました。

屋上モニターのフックは、モニターから屋根板まで0.6mm穴を貫通させ0.4mm真鍮線をU字型に曲げ屋根板裏面で
半田付けしました。

EF15の屋上には、手持ちのエンドウLA-15避雷器、電関用汽笛、パンタ碍子を白色にエアーブラシ塗装し、天1034
EF58パンタ導体)を追加しました。この後で天1036白色プラのパンタ碍子が手に入りました。パンタは当時物を
黒色で塗装し再使用です。

前照灯・尾灯の点灯化にはイルミネライトとLEDにしました。
EF15HL-1(旧型電機用)、EF58HL-12EF58用)ではレンズ径が大きくHL-10DF50用)が収まります、EF57
HL-5EF57用)を購入し検討しましたが工作が大変そうなので、HL-10に決定。