大学生活に必須のアイデムであるノートパソコン。決して安い買い物ではなく、四年間使うものであるため、将来困らないような性能があるものを選びたいものです。ですが自分で調べて最適なパソコンを選べる人は多くありません。そのため阪大生協では毎年生協推奨PCを販売しています。今回はこちらについて解説していきます。Robohanに興味がある人もそうでない人も、パソコンの購入を考えている人はぜひ見ていってください。
生協PCとは
生協PCとは大学生協が販売しているPCを指し、大阪大学では大阪大学生協が販売しているPCを指します。保証が手厚く、ほとんどの故障は直してもらえます。性能は良い方で大学生活の四年間で大きく困ることはないでしょう。
生協PCの評判
「生協PC 評判」と調べてみてください。アンチ生協PCのサイトが多く出てきます。なぜこれほど批判的なサイトが多いのかはあとで説明するとして、その主張の根拠を並べると、
- 値段が高い
- 保証が手厚すぎる
- 無駄に性能が高い
- 性能がそれほど高くない
矛盾している点がありますがこれらはターゲットの違いによるものです。はっきり言って文系学生でしたら某激安の殿堂にて20000円で売っているパソコンで性能的には十分です。(オススメしているわけではない)そのため性能が無駄に高いという主張になります。反対に性能が低いという主張は値段の高さによるものです。この値段になるのは主に保証のせいであり、その保証は通常の使用では起こらない故障までカバーしています。そのため、最低限の保証のパソコンを別の場所で買った方が安く、同じ値段ならより高性能なものが買えることが多いです。しかしこれらはネットでブログなどを書いている人が書いているものがほとんどで、生協PCのターゲットであるパソコンに詳しくない人たちではないでしょう。
生協PCの性能
では実際のところ生協PCの性能ってどうなのよ?その疑問に偏見ゼロでジャッジしていきます。
- 富士通 LIFEBOOK UH シリーズ
このPCは世界中で最も使われているWindows OSを搭載したPCです。Windows OSの利点は使用者が多いので使い方がわからないときに情報を得やすい点です。また最も数の多いWindowsは市場規模の観点からソフトがMac OSなどに比べて優先して作られることが多いため、ソフトの数が豊富です。
-
CPU
CPUは計算装置で、PCの性能を決める際に最も重要な部品です。最新のIntel Core i7が使用されています。こちらはCPU業界で圧倒的なシェアを誇るIntel社が製造しているもので、i7は一般向けで最高ランクの製品です。かなり高性能なCPUでほとんどの作業を快適にこなす性能を持ちます。
コラム
実は型番が詳しく書いていません。おそらくi7-8565Uであると思われます。独立した演算装置が4つあり、同時に4つのことができます。この数字はのちのMAC編で問題になります。
-
メモリ(RAM)
現在PCが行っていることを一時的に保存しておくための領域で大きければより多くのこと、より複雑なことを行えます。このPCは8GBのメモリを積んでおりこの量は普通といえます。このメモリで不足することは基本的にありません。
コラム
常識的な値段のノートPCは多いもので16GBのメモリを搭載しています。ただ多くのPCは8GBです。
-
ストレージ
高速な256GBのSSDを使用しています。ただし、Robohanで使うソフトをほぼすべて(自分の担当以外も)入れてある同じ容量の私のPCはパンク寸前であり、使い方によってはかつかつになります。まあ、大多数は大丈夫でしょうけど。
-
グラフィックス
ごく一般的なCPU内蔵のグラフィックです。ゲームをするのは厳しいです。ゲームをしたい人は別記事にまとめたRobohan推奨PCのNvidia社のグラフィックスがついたものを買ってください。
-
外部接続
USB3.0が二つ付いているので困ることはないでしょう。映像出力はHDMI端子で、旧来のVGAには付属の変換ケーブルで対応するようです。SDカードが入るのはカメラやAndroidスマホとのやり取りに役立ちそうです。
-
バッテリー駆動時間
24時間を謳ってますが、絶対に持ちません。私はもって8~10時間ほどであると思います。ただ、それでもバッテリーの持ちはいいようです。
-
重量
かなり軽いです。ただ軽い理由によっては最悪の結果を生むことになる可能性があるので個人的には軽すぎるのも考え物です。詳しくは後日投稿の「先代生協PC Let’s noteの悲劇」をお持ちください。
-
その他
付属品としてウイルス対策ソフトがついてきます。しかし、Windowsには公式のウイルス対策ソフトが付属します。昔はあるだけましといわれた公式ウイルス対策ソフトも、最近では有料のものと比べて遜色のないぐらい強固になっていると言われており、必ず必要なものではありません。
全体的な講評
ごく一般的な高性能ノートという印象である。特徴的なのは軽さであり、この一点においてはほとんどの市販PCに対して優位である。軽くした弊害が出なければ、かなり優秀であるといえそうである。
- Apple MacBook Air
Apple社が製造するMac OSを搭載したPC。Appleにはよくアンチと信者がいるといわれ、私はアンチ側の人間です。ですがそんなことが問題にならないぐらいこのMacBook Airはひどいといえる性能です。
-
CPU
最新のIntel Core i5が使用されています。i5はi7の次に優秀なグレードですが、同じ時期に開発されたi7とi5に劇的な違いは基本的にありません。しかしこのMacBookに搭載されたi5は違います。実は消費電力が半分ほどの低電力モデルなのです。そのため性能はLIFEBOOKの半分ほどしかないといわれています。
コラム
CPUは同じグレードの中にターゲットとする製品が異なるCPUが存在します。それを見分けるのが型番最後のアルファベットです。最新のノートPC向けモデルであればHは45W、6コアのゲーミング用。Uであれば15W、4コアのモバイルノート用。Yであれば5~7W、2コアのタブレット用となります。(例外もあると思います)LIFEBOOKはUですがMacBookはYであるため性能面で劣るということになります。これがばれないようにかどうかはわかりませんが、生協は型番を公開していないので悪質だと感じます。
-
メモリ(RAM)
LIFEBOOKとほぼ同じなので割愛
-
ストレージ
LIFEBOOKとほぼ同じなので割愛
-
グラフィックス
LIFEBOOKとほぼ同じなので割愛
-
外部接続
一般的なUSBの形状であるType-Aを搭載していないため変換器を持っていなければつなぐことができません。映像出力も変換が前提なので拡張性が悪すぎます。
コラム
Thunderbolt 3という高速規格に対応しており、これはMacBookがLIFEBOOKに勝る数少ない要素の一つである。ただ、対応する機器が少ないので使う機会はほぼないと思われる。
-
バッテリー駆動時間
省電力CPUにしてはそれほど長くない。まあ困らないでしょう。
-
重量
普通。この程度の重量であればほかにもたくさんある。
全体的な講評
LIFEBOOKに勝る点はディスプレイ解像度と使う機会のないThunderbolt 3だけであり、ほぼ完全下位互換と言って差し支えない性能である。これで安いならいいのだが、3万円近くも高いのだから話にならない。周りに聞こうにも、Macはわからないと言われたり、このソフトはMacでは動きませんと言われたり(実際Robohanの設計ソフトは動かない)することも踏まえると、やめた方がよい。
で、結局生協で買うべき?それとも市販品を買うべき?
ここまで生協PCについて解説していきましたが結局どうするのがベストなのか。いろいろな要素についてみていきましょう。
-
価格
LIFEBOOKに近い性能のPCは10万円以内で購入可能です。四年間使用した時の壊れる確率を考えても安く済むはずです。価格重視なら市販のものを買いましょう。
-
使用者のスキル
使用者がPCほとんど使うことができない場合、生協PCはお勧めです。PCの使い方から修理まで、手厚いサポートが受けられます。ですが、我々Robohanのような技術系の団体に所属する予定であれば、私のような人間が一人はいるので、その人にサポートしてもらう手もあります。
-
PCゲームしたい
生協PCでは無理です。その場合はゲーミング用に設計された市販品を買いましょう。
私個人としては、PCサポートに頼らず、ネットで調べて自力で解決をしていく方がよいと思います。将来的に、PCないしそれに代わる情報端末を使いこなせることが第一条件となる日が来る可能性が非常に高くなっています。その際に自力で一通りの操作ができ、わからない場合は調べて解決する能力が必要となります。安易にサポートに頼らず、調べて理解する練習をこの機会にしてみてはいかがでしょうか。
もしよろしければ別記事にRobohanが推奨するPCを紹介していますのでご覧ください。PCの性能の見方なども記載しています。Robohan制御長による生協PCの解説でした。
別記事:Robohan推奨PC