この素晴らしき骸骨に祝福を   作:とし3

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…考えてた別タイトルがオナホだった。


この救われない不死者にも祝福を

 「前世の生活ってクソゲーだと思ってたけど、未来の日本ってヘルモードじゃねえか!」

 

 「カズマの住んでたと言う時代だと…120年ちょいくらい前の世界になるのか?

  不死者化に異世界転移となんでもありだと思ったが、まさか時の差まであるとはな」

 

 支配者演技に疲れ、異世界から息抜きに来たモモンガは、カズマ達と情報交換を繰り返す。

 モモンガはカズマが幸せな世界の特権階級(ヒキニート)から、この理不尽な世界へ転移した事を不憫に思い、

 カズマはモモンガが悲惨な世界から転移したのに、不死者(アンデッド)化して飯も楽しめない事に同情した。

 …男達2人が優しい顔して見つめ合ってる空間に、空気を読まない自称女神が会話に入り込む。

 

 「原・因・はアンタじゃないの、このヒキニート!

  日本担当の超エリートである女神の私をこんな辺境の未開のエリアに連れ込んだせいで、

  日本からゆとりと寛容さは失われ、日本は退廃と衰退の道へと突き進んだのよ!

  だからちゃんと魔王を退治して私を元の女神に戻して、ちゃんと私を崇拝して称えてよ!」

 

 自称女神に悲惨な未来の原因を聞かされたモモンガは、退廃の要因に怒る事無く、遠い目をして

 (るし★ふぁーさんが常識人に見える…比較してゴメンね)と思い出の中の仲間に謝っていた。

 

 

★ こ の す ば

 

 

 ある日のこと、カズマが隠密スキルを使い、姿を隠して大通りからちょっと外れた道へと向かっていくのを見かけた。…その動きはとても洗練されており、一流の殺し屋を思わせる動きだった。

 普段からは想像できぬ真剣な顔をするカズマに興味を持ち、〈インヴィジビリティ/透明化〉の呪文を使い、後をつけてみることにした。

 

 路地裏に入った先の1件の小さな店の前で立ち止まる、一見するとただの飲食店に見えるその店に、カズマは周囲を警戒し慎重に店に入って行った。…良く見れば周囲に見張りの冒険者もいる。

 

 (何があるんだ…?)

 

 何故かその光景が気になったモモンガは次にギルドに集まる時に聞いてみようと考えた。

 

 「なぁカズマ…この前、路地裏の飲…「わーわー!アレダヨ、アレデスヨ、モモンガさん」

 

 質問の内容を言いきる前に突然大声を出したカズマに会話が遮られる。

 …よほどの事があるのだろうか、悪い事を聞いてしまったか。

 

 「珍しいですねカズマ、ここより安くて美味しい店は無いと思ったのですが」

 「ふむ、そうだな、ここは値段の割に、と…言うか普通に旨いと思う」

 

 「ま、まあ色々な店を開拓しようと思って、美味しい甘味とかあるとイイヨネー」

 

 「どーせ可愛い女の子が居たーとか言うバカな理由なんでしょうね、プークスクスクス」と笑うアクアにビクリとしたカズマは、強引に話を切り上げ、モモンガを店の外に連れ出した。

 

 「…モモンガさんもあったんですね、性欲」

 「はぁ?」

 

 モモンガはつい素っ頓狂な声を上げてしまった…なんだよ性欲って。

 落ち着いて話を聞いてみると、あの界隈にはサキュバスが経営する店があるらしい。

 なるほど、なるほど、俺の居る世界では乱暴者な冒険者が、この街では誰もが落ち着いていて犯罪が少ないのはそのためか…ペロロンチーノさんが言ってた賢者タイムと言う奴だな。

 …女性陣の前で話題にしたくないのも納得の話だ。

 

 「チン○が無くても、精気を奪えなくても…お願いすれば夢くらいなら」

 

 「まて、まてまて、落ち着くのだカズマ。私の体は睡眠不要だし睡眠の状態異常にはならない。

 正直な所、興味は無くも無いのだが…肉体の構造上それは不可能なんだよ、残念ながらな!

 …不死者《アンデッド》にも精神状態異常が効くマジックアイテムでもあれば」

 

 そう呟いた時、…モモンガに電流走る。

 

 

 ★ こ の す ば

 

 

 サキュバス喫茶での交渉は思いのほか簡単に成立した。

 モモンガさんが漆黒の後光を放ったせいだとは思いたくはないが、簡単に成立した。

 相手を威圧したんじゃない、ただ童貞にはあの光景がキツかったのだ…

 

 最初こそ渋っていたサキュバス達だったが、正直に童貞のまま骸骨になってしまった事を伝え、更には実現可能だと思える計画を伝えたら、プロ意識を刺激したのか引き受けてくれた。

 

 モモンガはサキュバスに渡されたアンケートを記入する。

 それを横から覗き見たカズマは(童貞が好む系だな…)と感心したが、黙っていた。

 

 

 宿の一室を借り、指定された時間が来る直前に、【完全なる睡眠】を発動させる。

 これはお約束の【完全なる狂騒】の姉妹品で、全種族へ強制睡眠3時間を与える消耗品だ。

 これを自らに使用し、抵抗しない事によりモモンガは睡眠状態へと入る。

 

 ちなみにモモンガが記入したアンケート用紙には

 

 【黒髪】【ロング】【落ち着いた大人の雰囲気】【小悪魔系】【巨乳】【服は清楚に白】

 【処女】【でも夜は娼婦】【母性がある】【新婚】 etc.

 

 このような無茶な内容が書かれいた。

 ‥無論サキュバスの叶える夢の中では無茶ではないが、

 現実世界で願えばどこの完璧超人だよ!と言わざるを得ない存在ではある。

 

 そして夢の中に現れたサキュバスは…

 

 




YES/YES枕を持って、発情したアルベドしか出て来ませんね

…ちなみにやってきたお店のサキュバスは依頼を果たせず、
簀巻きにされて路上に転がされてたと言う噂。


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