全日本空輸(ANA/NH)グループは4月16日、不足する医療用ガウンの縫製を支援すると発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により、一時帰休するグループ社員が製造にあたる。ガウン製作会社が指導し、4月末から当面の間続ける。
ガウン製作に協力するのは一時帰休するスタッフで、1日あたり最大30人を想定。ガウン製造会社のヴァレイ(奈良・上牧町)のスタッフが指導し、羽田空港近隣にあるANAグループの総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」で作業する。ANAのスタッフは職種や性別を問わず、縫製と補助作業で支援する。ガウン製作時間は勤務時間に含まれず、ボランティア扱いとなる。
製作するガウンは、感染症防護に利用できる医療用アイソレーションガウンで、手術以外の施術や簡易的な処置、面会者・患者用として使用する。
ANAは、政府から医療用ガウン製作の支援要請を受け、製作支援を決定した。16日夕方には、ANAなどを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長が、安倍晋三首相らとのテレビ会議に参加。会議の席で、片野坂社長は安倍首相に対し、ガウン製作を支援することを伝えた。
新型コロナウイルスの影響により、ANAでは国際線の9割が運休。4月1日から客室乗務員の8割に当たる約6400人の一時帰休が始まり、現在は間接部門やグループ会社の地上係員などにも対象が広がり、約2万人が一時帰休の対象となっている。
ANAグループの一時帰休
・ANA、半数弱の2万人に休業拡大 間接部門や地上係員など、今後グループ30社に(20年4月16日)
・ANA、客室乗務員8割が一時帰休 6400人、最長1年間(20年4月1日)
ANA
・ANA、17日の国内線追加減便 羽田-神戸など運休も(20年4月16日)
・787機内にマスク入り段ボールも 国際線9割運休のANAとJAL、貨物輸送を強化(20年4月15日)
・ANA、国際線9割運休 通常運航は成田-LAのみ、5月15日まで(20年4月13日)
・ANA、国内線34%減便 6路線運休(20年4月9日)
・ANA、1.3兆円の融資枠要請 政投銀など(20年4月4日)
緊急事態宣言後の羽田
・【空撮】緊急事態宣言後の羽田空港、ANAとJAL大型機並ぶ 4月入り予約減(20年4月8日)
作業場所のABB
・ANA、総合訓練施設にローカル5G NECと21年春実用化へ(20年3月30日)
・ANA、機内清掃の達人コンテスト 初代優勝は松山・上田さん(19年12月4日)
・ANAの空港接客コンテスト、ハノイのリンさん優勝 海外勢2連覇(19年11月2日)
・ANA、総合訓練施設「ANA Blue Base」公開 20年6月に全面運用(19年5月30日)