コロナ禍のリモート環境でこそ生きる
OKRありきの働き方

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、リモートワークを推奨ないし強制している企業が増加している。こうした環境下では、OKRによる目標管理が価値を生むと及川氏は考えている。

「OKRで重要なことは、無機質な数字目標よりも企業のミッションやビジョン、事業に対する『共感』だ。OKRで掲げた目標に対して、社員が『自分ならこうする』と思えることが大事だ。リモートワークの環境下で、『OKRがあるのだから、それに対して思い付くことをやってください』と言える組織は強い」(及川氏)

 企業活動はよく登山に例えられる。頂上への道のりは険しく、一本道ではない。このときOKRは「道標の役割を果たす」と及川氏は説明する。「頂上にたどり着くためには、時には逆方向に進むことも求められる。新型コロナウイルスの騒動は、“想定外の北風”が発生した状態。登山でいったん避難小屋に退避するように、OKRを柔軟に変えてもいい。なぜ変えたのかきちんと記録を残して、皆で情報を共有し、新たなOKRでまた進み始めればいい」(及川氏)。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy’s Home