米雇用統計の重要4指標と
【超入門】ホームページでの確認方法

 まずは米雇用統計が発表されたときに何をチェックすべきなのか、重要4指標をリストアップした。

(1)非農業部門雇用者数

 農業従事者を除いた雇用者の数。他の重要3指標と比べて前月比の変化が大きく出やすいため、景気の動向を見極める指標として特に注目度が高い。

(2)週平均労働時間

(3)平均時給

 民間企業に勤める雇用者の1週間の平均労働時間と1時間当たりの平均賃金。二つを掛け合わせると労働者の所得水準が割り出せるため、世界経済の動向を左右する米個人消費支出の先行指標として重宝される。

 また、前述したFRBの使命の一つである「物価の安定」を実現するため、賃金の伸びをウォッチすることでインフレ動向を見極めているとされる。

(4)失業率

 労働力人口に対する職探しをしている失業者の割合。もう一つのFRBの使命である「最大の雇用」を実現するため、そして政界からの圧力を回避するためにも重視するといわれる。

 では、これらのデータはどこで見ることができるのかといえば、米労働省労働統計局のホームページの雇用統計に関するページだ。英語が苦手な人でも臆する必要はない。なぜなら決められた場所にある数字を4カ所チェックするだけでいいからだ。

 そのページへ行くと下図のような画面が出てくるので、矢印で示した場所にあるニュースリリースを開いてみよう。

 英語で内容の要約文がずらずらと並んでいるが、大事なのは本文の下に付いているリンク集だ。その中から一番上と上から2番目にあるリンク先に飛べば、ミッションクリアだ。

 一番上のEmployment Situation Summary Table A. Household data, seasonally adjustedというリンク先に飛ぶと、失業率を確認することができる。「Unemployment rates」の「Total, 16 years and over」という項目に並んでいる数字がそれだ。

 次に上から2番目にあるEmployment Situation Summary Table B. Establishment data, seasonally adjustedというリンク先に飛ぶと、残りの重要3指標を一気に確認できる。

 最初に目に入るのが、前月比の非農業部門雇用者数だ。表の最上部にある「EMPLOYMENT BY SELECTED INDUSTRY」の「Total nonfarm」という項目で確認できる。

 そこから少し下にページをスクロールしていくと、「HOURS AND EARNINGS ALL EMPLOYEES」という項目が見えてくる。その中にある「Average weekly hours」が週平均労働時間、「Average hourly earnings」が平均時給だ。

 この4指標さえ確認できれば、あなたもちょっとした「米雇用統計マスター」といえる。5月に発表される4月の米雇用統計の結果は、3月のそれとは比べものにならないほどコロナショックの影響を色濃く映し出すとみられる。それが発表されるときには、ぜひ自分の手と目を使って生の数字を確認してみてほしい。

Key Visual by Kaoru Kurata, Graphic:Daddy’s Home