最新秋服トレンドとコーデで意識したい5つのポイント

最新秋服トレンドとコーデで意識したい5つのポイント

今年の秋服はどう着こなすのが正解なのか。その指針としてトレンドコーデや旬の要素を解説しましょう。手持ち服に取り入れるだけで旬度を高める方法、必見です!

平 格彦

2018.11.09

秋の着こなし・コーデ

秋服の着こなすコツは?

ビッグシルエットに象徴される“リラックス感”が春夏のキーファクター。また、“90年代テイスト” が注目されたのも大きなトピックでした。この大きな流れは秋以降も継続しそうですが、さらなるアレンジや進化も加わります。たとえば、“リラックス感”は“キメ過ぎない”という解釈も強くなり、“90年代テイスト”は80年代のテイストと融合しながらストリートだけでなく当時の“スポーツ”や“トラッド”といった要素も強くなりそうな気配です。

秋の2大ファッショントレンドはコレ!!

独断と偏見で注目のトレンドスタイルを2つに厳選しました。1つは“ダサかっこいいスポーツカジュアル”。もう1つは“ちょっと野暮ったいトラッドルック”です。それぞれを具体例とともに解説します。

▼最新秋ファッション1:ダサかっこいいスポーツカジュアルスタイル

1990年代のテイストだけでなく、1980年代のテイストも感じさせるようなスポーツ調の着こなしに注目。スニーカーはもちろん、インパクトのあるロゴやトラックパンツなども用い、よりスポーティな印象のあるMIXスタイルを築くのがポイントです。数年前まではダサいと一蹴されたような着こなしこそ新鮮。DA PUMPの「U.S.A.」がヒットしている事実からも、“ダサかっこいい”がトレンドとして頭角を現すのは間違いないでしょう。スポーツ系のアイテムを多用することでリラックスできる快適性が高められるのも特徴です。

ジャケット以外はスポーツ系のアイテムを使用。Tシャツのロゴに加え、トラックパンツ&スニーカーがスポーツ感を主張しています。アクセントになっている真っ赤なヘッドバンドがダサかっこいいイメージを加速!

真っ赤なトラックパンツが鮮烈。実は『グラミチ』と『チャオパニック』のコラボ品で、他のカラーも展開されています。スニーカーでスポーツテイストを加速しつつ、インナーダウンでアウトドアテイストをMIX。90年代や80年代を感じさせるスポーツ系アイテムは人気が続くアウトドア系アイテムとも合わせやすいので重宝します。

▼最新秋ファッション2:ちょっと野暮ったいトラッドルック

この秋は、1980~90年代のトラッドなスタイルも脚光を浴びそうです。トラッドというと難しい印象もありますが、チェック柄のブルゾンやコートを使ったコーディネートであれば、簡単にトラッドの雰囲気を纏えます。キーワードとして“トラッド”ではなく、“レトロ”や“クラシック”などと表現されることもありますが、いずれも古き良きノスタルジックなムードがトレンドになるということ。その証拠に、『メンズ・ファッジ』や『クルーエル オム』といった雑誌も秋の立ち上がりに同テイストの特集を組んでいます。

チェック柄のビッグシャツを用いて今季的なトラッドスタイルを築いたお手本。パンツとスニーカーをホワイトで統一することで、クリーンなイメージを打ち出しています。ブラウンレンズのサングラスも知的なトラッド感の演出に貢献。

トラッドなガンクラブチェックを主役のコートで取り入れて一気にレトロなムードに。足元にローファーを合わせて主役アイテムの印象を上乗せしているのもポイントです。オレンジのニットをアクセントとして効かせ、野暮ったさを適度に緩和しているのも見事。

秋コーデに取り入れたいアイテム選びの5つのポイント

2つのトレンドスタイルを築く際に重宝するだけでなく、普段のコーディネートに取り入れるだけで鮮度をアップしてくれるアイテムをピックアップしました。

▼秋コーデのポイント1:とりあえず“チェック柄”は必須!

ノームコアの影響でしばらくシンプルな無地が定番になっていましたが、その反動で80年代や90年代を感じさせるチェック柄がスポットを浴びそうです。ヴィンテージテイストやトラッドテイストを感じさせるチェック柄を着こなしに取り入れて、ダサかっこよくまとめるのがポイント。

アイテム1『チャオパニック』ネルシャツ

ヴィンテージライクなネルシャツですが、ビッグシルエットや大柄チェックで今っぽくアレンジ。微起毛のコットンテンセル素材で肌触りも抜群です。ライトなアウターとして羽織りやすく、コートなどのインナーとしても活躍!

アイテム2『ナバル』ウールチェックチェスターコート

ブラウン基調のタータンチェックが渋い1着。チェスターコートとテーラードジャケットの中間のようなデザインがトラッドなムードを加速しています。いつものスタイリングに重ねるだけで、秋らしさが演出可能。

▼秋コーデのポイント2:“オープンカラー”は秋になっても人気

開放的なリラックス感を演出するアイテムとして春夏シーズンに人気を集めたオープンカラーシャツ。その人気は秋以降も継続しそうです。特徴的なディテールのオープンカラーを採用したアウター類も登場しているのでぜひともチェックを!

アイテム1『ナノ・ユニバース』微起毛オープンカラーシャツ(ロングスリーブ)

長袖になった秋バージョンのオープンカラーシャツ。微起毛素材を使用しているため、ウォーム感が漂っています。カーキに加え、ブラック、グレー、ネイビー、ブラウンという5色展開。好きなカラーを選んでヘビーローテーションで着回しましょう。

アイテム2『ステュディオス』オープンカラーシャツブルゾン

トラッドなグレンチェックを採用したシャツブルゾン。ウール混紡のストレッチ生地が、レトロなムードを高めています。短めのレングスによる着回しやすさもおすすめの理由です。裾付近にサイドポケットがついているため、軽アウターとして重宝します。

▼秋コーデのポイント3:ダサかっこいいアクセントは“スポーツロゴ”が最適

レトロなスポーツカジュアルを演出するのに持ってこいなのがスポーツロゴ。スポーツブランドやチームのロゴを使ったアイテムをコーディネートに組み込むことで、旬度が一気にアップします。『グッチ』も採用したニューヨーク ヤンキースのロゴはブレイク必至!?

アイテム1『ニューエラ』×『ビームスボーイ』別注 ベースボールキャップ

メルトン素材にアレンジすることで秋らしさを高めた別注キャップ。深めのフォルムが特徴的な定番モデル、9THIRTYがベースになっています。実はレディース用のアイテムですが、サイズ感はメンズでも着用可能。そうしたヒネりのあるセレクトで周囲と差をつけるのもおすすめです。

アイテム2『フレッドペリー』×『ビームス』別注ロゴ切り替えスウェットクルー

90年代からインスピレーションを得て製作した別注品。大きなロゴやワイドなサイズ感でクラシックなニュアンスを演出しています。当時にも稼働していた編み機に作った裏毛スウェットを使用しているため、ソフトな生地感も90年代テイスト。意外と着こなしやすく、スポーティなアクセントとして機能してくれます。

▼秋コーデのポイント4:今季も“セットアップ”で簡単にセンスアップ!

セットアップの人気が右肩上がり。機能素材を使用したジャケット×パンツのリーズナブルなタイプが引き続き支持を集めそうです。ただし秋からはデザインのバリエーションが拡大。とくにトップスをカジュアルダウンしたタイプが増えています。単体使いも視野に入れてアイテムを吟味し、大いに着回してください。

アイテム1『アーバンリサーチ ロッソメン』ストレッチセットアップ

テーラードジャケット×イージースラックスのセットアップは、ビジネスカジュアルでも使える上品な面持ちが最大の特徴。この1着はストレッチ素材で動きやすく、インナーやスニーカーなどで着崩せばオフのカジュアルスタイルを築くのも簡単です。圧巻のコストパフォーマンスも魅力。

アイテム2『フリークスストア』ソロテックス ストレッチオープンカラーシャツ/セットアップシャツ

トップスはオープンカラーシャツ、ボトムスはジョガーパンツかテーパードパンツかを選べるセットアップ。高機能素材のソロテックスを採用しているため、吸汗速乾性、ストレッチ性、形態回復性、ソフトな触感といった機能や特徴を持ち合わせています。何も考えずに上下を着用すれば、大人なカジュアルスタイルがすぐに完成。

▼秋コーデのポイント5:秋らしくて落ち着きもある“ベイクドカラー”が気分

昨年あたりからレディースファッションではキーワードとなっていましたが、今年はメンズにも波及しそうな“ベイクドカラー”。“ベイクド”とは“焼けた”という意味で、少し焦がしたような色味を指します。くすんだ印象ならどんな色でもベイクドカラーに含まれるため、スモーキーカラーに近いニュアンスとも言えます。どうせ選ぶなら、思い切り秋らしいブラウン系のベイクドカラーがイチ押し。ブランドによってはキャメル、テラコッタ、オレンジ、ベージュといった名称がついていますが、とにかくベイクドカラーをメインにすれば今秋らしさが演出できます。

アイテム1『ジャーナルスタンダード』Wメルトンスタンドフーディー

立体的なネック回りが特徴のスタンドカラーコートは定番品ですが、ブラウン系のベイクドカラーが今秋らしさを上乗せ。温もりを感じさせる二重織りのメルトン生地もムードを高めています。シンプルな面持ちで着回しやすく、フードが着脱できるのでアレンジも可能。

アイテム2『ビームス』「ニュースタンダード」1プリーツ コーデュロイ ワイドパンツ

メインはコーデュロイのワイドパンツですが、同じ生地のジャケットやベストもセットアップで着こなすことが可能。ブラウンに近いワインカラーが新鮮なムードを放っています。スポーティなスニーカーなどを合わせれば、今季らしさも十分。

出版社を経て独立。「Men’s JOKER」と「RUDO」は創刊から休刊までほぼ毎号で執筆。さらに「MEN’S CLUB」「GQ」「GOETHE」など、60以上のメディアに関わってきた。横断的、俯瞰的に着こなしを分析するのが得意。そんな視点を活かし、「着こなし工学」としての体系化を試みている。
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