2016.05.13





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株式会社ニシヤマ

所在地 / 〒 143-0016 東京都大田区大森北 4-11-11

TEL / 03-5767-5351(代)

資 本 金:4億8430万円 創 業 : 1916 年 設 立 : 1947 年

売 上 高 : 312 億円(2014 年度実績)

従 業 員 数 : 299 名(2015 年 3 月末現在)

http://www.nishiyama.co.jp/



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技術開発型の専門商社

ガス分野におけるスマートメーター用部品や鉄道輸送の安心・安全・快適に配慮した商品、半導体製造装置向け計測器などの開発、海洋資源探索に関わるロボットアームといった高機能製品の輸入など、社会インフラ から先端分野まで「ニシヤマ」 が貢献した製品は数多い。1916 年に工業用ゴム製品の専門商社として創業して以来、顧客の要望に応える形で事業は広がり、 現在ではエネルギーからプラント、輸送、機械設備、情報通信、 半導体などの分野でも実績を重ねている。

これほど多様な製品を提供できるのは、99 年にわたって伝承されてきたノウハウと優れた提案営業力があるからこそ。案件 によっては設計段階から携わるケースもあるだけに、社員には豊富な知識とチャレンジ精神が求められる。

「お客さまに最適なご提案ができるかどうかは、営業担当者の裁量次第です」と管理本部の荒井秀俊氏(人事グループマネージャー)が語るように、事業の成長は顧客の課題を的確に捉え、解決策を導き出す自立した人材を確保できるかどうかに懸かっている。


学生から社会人へ

同社が人材採用・教育に取り組む上で指針とするのが「自立・ 向上・協調・大局・礼節」の5要素だ。2014年にタナベ経営と人事制度を見直した際、経営理念の実現に向けて求める人材像を明確化した。

教育制度も5要素に基づいて設計されており、階層別を基本にOJTと社内外の研修を組み合わせることで戦略的に人材を育成する。新卒を対象とする新入社員研修にも外部機関が主催する研修が含まれている。

「ここ数年はタナベ経営の新入社員研修に参加しています。社員が学生の顔から社会人の顔になって帰ってきますね。また、コーディネーターが付いており、 研修結果についても一人一人のコメントが詳細に記載されているので、その後の教育に役立っています」と荒井氏は言う。

新入社員研修が終わると約1 年間は配属先の先輩に同行して営業スキルを学ぶOJTが中心となるが、その間も7月と 10 月 に新人フォロー研修を実施。配属された環境によって生じるスキルのバラツキを小さくするのが主な目的だが、標準化しているわけではない。同社が目指すのは自立した人材の育成。そのために荒井氏は、一人一人の個性を見て長所を伸ばすようなフォローを心掛ける。

「女性や留学生など多様な人材を活用するには、従来のような一律の教育では対応しにくくなっています。会社の規模が小さいほど個々に目を向け、きめ細かく対応しながら会社が目指す方向にベクトルを合わせていくことが大切です」(荒井氏)

海外展開を進める同社は、昨年初めてタイとインドネシアからの留学生を採用した。海外の関連会社で働く現地社員を育てていくには、会社の歴史や経営理念などニシヤマスピリッツを持った社員を派遣する必要があるとの判断からだ。社員一人一人をフォローするには手間と時間がかかるが、そこをおろそかにしないことが今後の人材育成の鍵となりそうだ。


部署を超えたつながり

また、同社の特長である部署を超えた横のつながりが、人材 育成の良好な土壌となっている。「社員同士だけでなく役員との距離も近いと思います。社員食堂や部活動などの福利厚生を充実させることで自然とコミュニケーションが生まれる仕組みを大切にしています」(荒井氏)

この関係が人材の成長にもたらす影響は大きい。部署や階層を超えた周囲のサポートがあるからこそ、新しい領域にも思い切って挑戦できる。その挑戦が社員を成長させ、会社を強くしていく。一人一人に目を向ける教育が自立した人材を育て、技術開発型の専門商社としての飛躍を支えているのだ。


(左)タナベ経営 コンサルティング戦略本部 副本部長 川島 克也
(中央)タナベ経営 コンサルティング戦略本部 人材開発部 アソシエイト 真鍋 祐磨
(右)タナベ経営 コンサルティング戦略本部 人材開発部 アソシエイト 渡邉 雄太



タナベ コンサルタントEYE
営業担当者の裁量が大きいスペシャリスト集団。そのようなニシヤマの組織風土の中、社員の幸福を「最大公約数」にしたいと考える荒井氏。そのためには、全社員が同じベクトルを持ち、 経営理念に対する考えの共有が必要だ。 ニシヤマでは、 全社員が入社時に経営トップから「経営理念」「会社の歴史」について直接講話を受ける。 創業100年を迎える企業こそ、常にミッションを念頭に、自社のやるべきことを考えているのであろう。