はじめまして、私は静岡県賀茂郡河津町(伊豆半島)にある日本最大の爬虫類・両生類専門の体感型動物園【iZoo(イズー)】園長の白輪剛史(しらわつよし)と申します。
【iZoo(イズー)】には、世界の珍しいトカゲやヘビ、カメやワニといった生き物たちが集められており、貴重な爬虫類たちと直接触れ合うことができます。世界でも【iZoo(イズー)】でしか見られない希少な動物の飼育や世界初となる繁殖に成功するなど絶滅危惧種の保全活動も積極的に行っております。
また、爬虫類・両生類を飼育されている方の増加に伴い、近年、捨てられたり遺棄される生物が増加し一部で深刻な社会問題に発展しているため、2012年の【iZoo(イズー)】開園以来、社会貢献活動として飼いきれなくなってしまった爬虫類・両生類の引き取りをしています。2018年12月には、外来種である「ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)」の引き取り後に収容する池がキャパシティオーバーとなってしまいました。そのため、将来にわたり継続して「ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)」を引き取り、カメたちも快適に生活ができるように、新しい“巨大池”建設のためのクラウドファンディング「緊急SOS!外来生物から日本を守る外来種収容『巨大池建設プロジェクト』」を実施させていただきました。
この度、私たちの大切な使命の一つである<自然を守ろう!動物の生命を守ろう!>のもと「ニホンザル300匹を救え!南伊豆 波勝崎モンキーベイ誕生プロジェクト!」を立ち上げました。
波勝崎苑は、地元、伊豆の自然の素晴らしさを多くの人に知ってもらうにはどうすれば良いのだろうと普段から必死に頭を悩ませていた下田市出身の沢村久右衛門(さわむらきゅうえもん)さんが肥田与平(ひだよへい)さんと出会い、1957年(昭和32年)に多くの困難を乗り越え開苑。野生のニホンザルに餌付けをした「サルの楽園」として全国から親しまれてきました。中でも肥田与平さんは、25年間、 野生猿と一緒に生活をし、失敗を繰り返しながらも野生猿の生態研究に打ち込み、一方ではサルと人間の共通点や特徴をとらえて、サルの社会と人間社会を結ぶ大きな掛け橋をつくりました。
しかし、入園者は1973年(ピーク時)の年間46万人から減少の一途を辿り、2018年は最盛期の5%にも満たない2万人以下にまで落ち込んでしまいます。入園者数の減少による経営難と激しい施設の老朽化のため2019年9月閉苑を余儀なくされました。
私は2019年の9月に閉苑するというニュースを聞いて、はじめて波勝崎苑の存在を知りました。そこは【iZoo(イズー)】から一時間程、車で走っただけなのに、「ぜんぜん雰囲気の違うすごい世界が広がり、そのギャップに驚かされた」というのが率直な感想でした。
来園者数減少により施設のリニューアルやメンテナンスが手つかずのまま現在に至っているため施設の老朽化が進みもう限界です。さらに雨漏りや電気水道等の基本設備などすべてにおいて課題が山積です。
波勝崎は、国立公園内の第1種特別地域に指定されており、その厳しい規制の中で園地事業ということで特別に許可をされている場所です。そのため、施設についても法律によって決められた限られた条件の中で、台風等で壊れてしまったり、老朽化により朽ち果ててしまった既存の建物や設備をリニューアルすることが前提となります。壊して建て直すよりも経費がかかってしまい、その費用は莫大で自分たちだけではその捻出は困難な状況です。
これまでサルたちは園のスタッフさんに餌を貰うのが当たり前の状況でした。
この休業状態が続くとサルたちに餌を与えることができず、飢えたサルが餌を探してさまよってしまう。サルには町の境なども関係ないんです。周りの町とか農作地に行って畑を荒らしたり、家の中に入って食べ物を盗んだりするようになってしまいます。