一歩一歩迅速に

　社内の雰囲気は「転職したてでも、まるで１０年前からいたようになじめた」という。２０１５年に半導体素材メーカーから転職。定年まで勤めることも視野に入っていたが、５６歳でシニア転職を果たす。これまでの知見を生かして、悔いのない仕事をしたいと思ったことが入社の決め手となった。現在、技術開発統括室長として２０人強の部下を束ねる。

　大口径シリコンウエハの拡大投資を続ける同社。自動車メーカーで製品採用の増大を目指す。集積回路（ＩＣ）や大規模集積回路（ＬＳＩ）など顧客需要の拡大から将来性を見込む。同業界の裾野はまだ広がると分析するが同時に「一足飛びにジャンプするのでなく、一歩一歩確実に、かつ迅速にかけあがることが重要」と技術の空洞化も危惧する。確固とした土台を築く上で、年齢に関係なく、機械・電機・材料系と幅広い分野のエンジニアと共につくりあげたい思いがにじむ。求める資質に、“１＋１＝３にはならない”というように技術者としての原理原則を知っていることと、考察力をあげる。

仲間との一体感

　同社の強みを「言語が違っても、思いを共有できる仲間との一体感があること」と強調する。２００２年に中途入社。現在、自動車の温調シートなどに使用されるサーモモジュールの営業部長と技術課長を兼務する。

　海外の他拠点や子会社との連携横断プロジェクト「自動車プロジェクト」に携わる。電気自動車（ＥＶ）など進歩めざましい自動車市場だが、今後、重量や環境といった課題が顕著化するととらえている。起こりえる課題を未然に解決する意義ある取り組みとみており、同社のサーモモジュールが使用される場面の増加を予測。市場の成長可能性を確信し、特に半導体や光通信分野に注目している。

　技術開発は「独り善がりにならないお客さまのニーズ把握と対応が必要だ」と強調。素直で真面目な人材を熱望する。“顧客に満足を　地球に優しさを　社会に夢と活力を”という企業理念に共感し、一人の人間としてもグローバルな価値観を日々磨く。

知的好奇心を携えて

　旧社名・フェローフルイディクスだった１９８９年に新卒で入社。大学時代は機械工学を専攻。就職先に悩んでいたときに、釜石市の誘致企業として同社を見つけて興味をもったことがきっかけだ。入社後は釜石工場に配属。９９年に当時本社があった東京・上野で技術営業の経験を積む。２０１６年から真空シールやサーモモジュールの製造現場の千葉工場の工場長としてモノづくりの現場に携わる。

　山村章社長の「経営者・技術者の姿勢に感銘を受けた」という。入社２－３年目の若手社員と直接話す機会を設け、コミュニケーションを大事にしている山村社長の背中を見て、人材育成に取り組む。心がけていることは、きちんと分かるように説明すること。「背中を見て覚える方式だけではなく、今の時代に合わせた伝え方がある」と感じている。

　「自分自身で考え、行動に移せる」知的好奇心のある人と共に、事業発展させていきたい思いをにじませる。

※インタビュー時は、株式会社フェローテック　製造部 部長

チャレンジ精神を

　１９８８年に中途で営業として、関西営業所に入社。２０１４年にフェローテックホールディングスの１００％販売子会社「フェローテック台湾」の総経理に就任し、真空シールの販売や修理などをはじめとする製品を取り扱う。台湾・新竹市にオフィスを構え「名だたる大手半導体メーカーの本社機能を備える工場に近く、営業効率が良い環境」を誇る。

　同ＨＤは海外の他拠点の同僚と事業戦略について会議など他拠点との連携も緊密だ。フェローテック台湾の社員１２人のうち、唯一の日本人という環境下で総経理を務める。「グローバル企業と特段かしこまって意識することはない」といい、固定概念にとらわれないしなやかさが光る。

　現在、石英やシリコンを取り扱うマテリアル事業で、世界で存在感を出すことを課題のひとつにあげる。「エレクトロニクス業界の動きは速く、スピーディーな対応が必要」と強調。顧客の要望に応える、チャレンジ精神をもった人材が成長のカギだと確信している。

バランス感覚を大切に

　２０００年に新卒入社。ニッチトップ戦略で成長を続けるグローバル企業に魅力を感じたのが入社の動機。入社後は、技術開発部門で真空シールの研究開発、設計、その後営業技術などを経験。２０１３年には１年間、米国拠点に駐在し、真空シール設計の標準化に取組み、グローバル感覚を養った。帰任後、真空シールの営業部門の責任者となった。

　この会社では「出る杭を打つ」のではなく、意欲のある従業員の「その独創性や挑戦意欲」を会社としてサポートしようという文化が根付いている。また、自身が仕事に取組む際に心がけているのは「ハートは熱く、頭はクールに、バランス感覚を大切に」と言う点だ。部下や若い世代のメンバーたちにも、お客様、社内の関係者と出来るだけ密なコミュニケーションを取り、自らが果敢に新たなチャレンジに取組んでもらいたいと語る。

　真空シールの営業は、半導体や有機ELなど、技術革新の著しい市場と向き合い、製造装置の部品を供給する事で顧客や社会に貢献出る点が魅力だ。今後は、当社の持つ機械加工技術や磁性流体技術を応用した新規事業を創出する事が自身の夢でもある。　

責任ある仕事も任せてくれる

　2017年に新卒として入社。学生時代は、心理学を専攻していたが、日本の強みである製造業のモノづくりに興味を持っていたことから、サーモモジュールや磁性流体など、ニッチなコア技術を持つ当社に魅力を感じた。当社のコア製品で磁石に反応する液体「磁性流体」の営業担当として、日々スピーカーメーカーやバイオ（医療）関連の顧客などを訪問し、顧客のニーズを的確にとらえ、密なコミュニケーションでより良い製品、サービスを提供する事を心掛けている。

　若手社員の新鮮な目でこの会社を見た時に、この会社では年齢や社歴に関係なく、業務に対して意欲があり、チャレンジ精神が旺盛な社員に対し、与えられる自由裁量が大きく、自ら手を挙げれば、様々な責任ある仕事も任せられる点が大きな魅力と捉えている。また、担当製品の中でも、「感温性磁性流体」や「バイオメディカル用磁性ナノ粒子」などは、今後日本国内のみならず、欧米や中国など海外でも売上伸長が期待される事から、業務を通じ、自身の国際感覚も徐々に磨き、ビジネスマンとしてのスキル向上も図っていく。