誰もがスマホを持つ時代、Wi-Fi完備で充電もできる街中のカフェの利用価値が高まっている。そして、どうせ立ち寄るならオリジナルの美味しい料理にお金を払いたいもの。今回は、その条件をバッチリ満たす名古屋のカフェ3店を紹介しよう。
Yahoo!ライフマガジン編集部
覚えておきたい! Wi-Fiが使えて料理も美味しい名古屋のカフェ
スマホの充電が切れた! 通信速度制限でストレス!
そんなときの救世主は、フリーWi-Fiで充電もできるアクセスのよい街中のカフェだろう。しかもお料理まで美味しいとなれば、「超使えるカフェ」として覚えておいて損はない。
\紹介するのは、この3店/
1.西アサヒ(名古屋駅、国際センター駅)
2.ワイン&カフェ ル・テロワール(上前津駅)
3.ボンカフェ 栄店(栄駅)
1.西アサヒ(名古屋駅、国際センター駅)
老舗喫茶が、旅行者の拠点としてリニューアル
▼西アサヒの基本情報
・営業時間:11:30~23:00
・定休日:月曜日
・Wi-Fi接続:パスワードなし
・電源:各席にコンセントあり
・席数:約40
・喫煙可否:全席禁煙だが、喫煙スペースあり
地下鉄国際センター駅から徒歩5分、円頓寺(えんどうじ)商店街の中にあるのが「西アサヒ」。ユニモール地下街を通れば、名古屋駅からも歩いて行ける距離だ。
昭和初期から80年以上にわたって営業してきた老舗喫茶店・西アサヒは2013年に閉店。しかし2015年、2階にゲストハウスを備えた新しい西アサヒとしてリニューアルオープンした。
店内は明るくスタイリッシュで、大規模な改装はしていないという話が信じられないほど。しかしよく見ると、レトロな雰囲気もしっかりと残っている。
西アサヒのリニューアルを手掛けたのは、商店街周辺の空き家対策プロジェクトを担っている「ナゴノダナバンク」だが、古き良き物件を再生させるその手腕は見事と言うしかない。
西アサヒのオーナーは、株式会社ツーリズムデザイナーズ社長の田尾大介さん。
カフェ事業のほか、外国人旅行客のための観光事業プロデュースやツアー企画も行っている。実は、名古屋の活性化と国際化のための重要人物なのだ。
復活したタマゴサンドが看板メニュー
西アサヒの名物は、なんといってもこのタマゴサンド。旧・西アサヒ時代からの名物だがレシピがなかったため、地元の人たちや関係者で試作と試食を重ねて再現された。
焼きたての厚焼き玉子とマスタードが効いたキュウリ、ふかふかのパンが三位一体となった幸せなサンドイッチである。
- 田尾さん
- 田尾さん
- 「タマゴサンドには、約3個の卵を使っています」
当たり前だが、玉子焼きは注文を受けてから手作業で焼かれる。焦げ目ひとつないふわふわの厚焼き玉子を作れる腕に敬服!
西アサヒは「喫茶、食堂」と名乗っているため、カレーや生姜焼きなどの定番メニューもある。喫茶カレーは一見どこにでもある家庭風だが、口の中でホロホロと崩れる豚肉は明らかに違う。
家では食べられないものをさりげなく出す、おもてなしの心が嬉しい。
- 田尾さん
- 田尾さん
- 「喫茶カレーの豚肉は隣の精肉店『丸小』から仕入れています。ずばり、『いい肉』です!」
人気のコーヒーゼリーは、きちんとドリップしたアイスコーヒーから作られている。トッピングがアイスクリームとホイップクリームのダブルなのも、コーヒーゼリー好きからポイントが高い。
- 田尾さん
- 田尾さん
- 「西アサヒのコーヒーはオリジナルブレンド。老舗喫茶店『喫茶神戸館』を営む『BEANS BITOU』から仕入れています」
Wi-Fiの接続方法はこちら!
Wi-Fiの接続方法は至って簡単。
パスワード不要なので、Wi-Fi設定画面で西アサヒのWi-Fiを選ぶだけだ。
カフェ用のWi-Fiとゲストハウス用のWi-Fiは、別々に用意されている。
2.ワイン&カフェ ル・テロワール(上前津駅)
異色の経歴を持つオーナーが作った、理想の店
▼ル・テロワールの基本情報
・営業時間:[火~金] 15:00~23:000(L.O.22:30) 、 [土・日・祝] 12:00~23:00(L.O.22:30)
・定休日:月曜日(祝日の際は営業、翌火曜日休み)
・Wi-Fi接続:パスワードなし。「NAGOYA Free Wi-Fi」も利用可能
・電源:座席にコンセントはないが、お店の方にお願いすれば充電可能
・席数:26
・喫煙可否:全席禁煙
名古屋きっての観光スポット、大須にあるのがワインの揃う「ワイン&カフェ ル・テロワール」(以下「ル・テロワール」)。居心地の良さは抜群で、うっかり長居してしまうカフェだ。
ル・テロワールがあるのは、旅行者でにぎわう大須。最寄り駅は大須観音ではなく隣の上前津で、8番出口から徒歩2分とアクセス良好な立地がありがたい。
店内はカウンター席とテーブル席があり、1人でもグループでも利用しやすい席の配置。
そして壁の額縁に収まっているのは、布に包まれた吸音材だというから驚きだ。不快な音が響かないようにという配慮で、居心地の良い空間を作り出す大きな要素になっている。
オーナーの井戸田元さんの前職は、なんと元東海ラジオのプロデューサー。
ワイン好きが高じてソムリエの資格を取り、ついには退職してお店を開いてしまったという異色の経歴だ。もともとはお店に通う側、取材して紹介する側だったこともあり、「自分が行きたい店を作る」という想いは並々ならぬものがある。
- 井戸田さん
- 井戸田さん
- 「ワインは、自分が客だったころに『これくらいだったらいいな』と思っていた値段にしています。ワインをよく知っている方なら、安くて驚くと思いますよ」
松坂屋の「ごちそうパラダイス」にも出店! 料理の味はお墨付き
「小腹が空いているが、スイーツという気分でもない」
そんなお酒好きの「あるある」を解決してくれるのが、こちらの「デリ3種盛りセット」だ。ドリンクは赤ワイン、白ワイン、ビールから選ぶことができ、お料理の内容はドリンクに合わせてアレンジもしてくれる。
- 井戸田さん
- 井戸田さん
- 「チーズもソーセージも、自分が食べて美味しいと思ったお店から仕入れています。11月には、松坂屋のごちそうパラダイスでお惣菜を販売しますよ」
ル・テロワールにはパスタやピザもあるので、きちんと食事を摂ることもできる。土日祝は12時から営業しているので、ランチ利用もオススメだ。
- 井戸田さん
- 井戸田さん
- 「お店のワインとの相性を考えて、パスタソースの隠し味にフォンドボー(動物の骨や野菜からとるだし汁)を加え、イタリアンではなくフレンチ風の味付けにしています」
同じ大須にある「ジェラート&カフェ おぶせ」は、ル・テロワールの姉妹店。松坂屋の「ごちそうパラダイス」にも期間限定ショップとして出店したことがあるほどの人気ジェラートで、ル・テロワールでも食べることができる。
- 井戸田さん
- 井戸田さん
- 「当店ではカップ詰めのみの提供ですが、『おぶせ』では、できたての手作りジェラートを提供しています」
Wi-Fiの接続方法はこちら!
ル・テロワールでは、お店のWi-Fiと名古屋市の「NAGOYA Free Wi-Fi」が使える。お店のWi-Fiはパスワード不要、「NAGOYA Free Wi-Fi」はメールアドレスやSNSアカウントでのログインが必要だ。
座席にコンセントはないが、充電はOK。お店の人に一声かければ、快くOKしてもらえる。
3.ボンカフェ 栄店(栄駅)
落ち着いた雰囲気のオシャレカフェ
▼ボンカフェの基本情報
・営業時間:11:00~23:30(L.O.23:00)
・定休日:年中無休
・Wi-Fi接続:パスワードなし/パスワードありの2種類
・電源:各席にコンセントと充電ケーブルがある
・席数:45
・喫煙可否:全席禁煙
「ボンカフェ 栄店」(以下「ボンカフェ」)は栄駅からすぐ、アパホテルエクセレントの2階にある。女子会にも最適な料理の美味しいカフェとして、女性人気が高いお店だ。
栄駅の2番出口を出て直進していくと、大津通に面して「BON CAFE」の大きな看板が目に入る。
ホテル内のカフェのせいか、店内はホテルのロビーラウンジを連想させるような雰囲気になっている。圧迫感を与えない程度に空間が仕切られているので、周りを気にせず寛げる。
ボンカフェの真骨頂は、料理とドリンクのクオリティ
各テーブルにコンセントと充電ケーブルがあることから、充電切れのときに助かるという声が多いボンカフェ。しかし、リピーターが多いのは美味しいからにほかならない。
カフェ飯らしいフォトジェニックさを保ちつつ、レシピにも材料にも妥協のないオリジナル料理を提供しているのだ。
例えばタコライスのサルサソースはオリジナルレシピで、隠し味として青パパイヤが入っている。ランチタイムはこれにサラダ・スープが付いて、880円(税別)という良心的な価格。
ドリンクとデザートはオプションになっているので、節約したい人や急いでいる人にはありがたい。
- 不破さん
- 不破さん
- 「リピート率No.1は『辛旨レッドHOT海老カレー』。海老の旨味がルーにまで溶け込んだ、ボンカフェにしかない特製カレーで、これしか食べない常連さんもいらっしゃいます」
名古屋コーチンの卵を使った「天使のスポンジ」(単品・800円・税別)は、しっとりした口当たりのシフォン。軽やかで牛乳の風味豊かな純生クリームは甘さ控えめで、甘いスポンジとの相性は抜群だ。
ドリンクと一緒に頼むと200円引きになり、かなりお得!
- 不破さん
- 不破さん
- 「スポンジもクリームも、完成までに30回は試作しました。生クリームはベストな風味にするため、2種類をブレンドしているんですよ」
牛乳を注いで仕上げる「フラペオーレ」は、ボンカフェのオリジナルドリンク。細かく砕かれた氷が溶けるまではシェイクのようだが、後半はミルク入りの冷たいドリンクになる。
- 不破さん
- 不破さん
- 「フラペオーレはショコラのほか、抹茶とマキアートがあります」
ボンカフェでは、ドリップ、フレンチプレス、エスプレッソの3種類の方法でコーヒーを抽出している。フレンチプレスは贅沢なカップでたっぷりサーブされるので、時間に余裕があるときにゆっくり楽しみたい。
- 不破さん
- 不破さん
- 「名古屋では珍しいフレンチプレスは、紅茶のように抽出します。少し雑味がありますが、コーヒー本来の味を引き出す方法です」
Wi-Fiの接続方法はこちら!
ボンカフェのWi-Fiは、パスワードなしで簡単に接続できる。しかし、セキュリティ面での不安や会社の規約等で、パスワードありで接続したい人もいるだろう。ボンカフェではパスワードありのWi-Fiも別途用意されており、スタッフに尋ねるとパスワードを教えてもらえる。
ボンカフェの各席にはコンセントだけでなく、充電ケーブルも用意されている。かゆいところに手が届く、至れり尽くせりのサービスだ。
取材メモ/駅やショッピングモールでもフリーWi-Fiが使えるところが増えているが、居心地の良いカフェという条件を付けるとまだまだ探すのは難しい。今回ご紹介した名古屋のカフェ3店はいずれも市街地にあってアクセスも良いので、いざというときのために覚えておくと安心だ。
構成=シーアール 取材・文・撮影=一番ヶ瀬 絵梨子(日本プリコム)