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【ドラニュース】

“外出自粛”に井端弘和ふと思う「五輪が無観客でなくて良かった…」見られてナンボの侍たち 東京で快感を

2020年4月14日 11時6分

野球ファンに届ける 本紙評論家リレーコラム]井端弘和

 新型コロナウイルス感染拡大による影響はいつまで続くのか…。プロ野球の開幕も見えない中、本紙評論家7人が毎日リレーでコラムを執筆する。題して「野球ファンに届ける 本紙評論家リレーコラム」。

WBC2次ラウンド台湾―日本 9回表2死二塁、中前に同点適時打を放ちガッツポーズする井端=2013年3月8日、東京ドームで

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 新型コロナウイルスによる東京五輪の1年延期。この予想もしない衝撃の出来事は、侍ジャパンの内野守備走塁コーチと強化本部の編成戦略担当を兼務するボクにとっても大幅な予定変更を余儀なくされた。当初は3月にアメリカへ足を運び米大陸予選、4月は台湾に出向き世界最終予選をそれぞれ視察。金メダルに向け出場国の情報収集の準備期間にする予定だったが、それもすべて白紙に戻った。

 タイムスケジュールでいえば、東京五輪より先に3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が行われる予定だが、ここもMLBが開幕されない今、開催を含めて不確定要素が多い。ボク自身、日本野球機構(NPB)から内々で引き続き侍ジャパンのコーチの打診は受けているが、まだ正式に決まったわけでもない。プロ野球の開幕を含め、この先、どうなるのだろうかという一抹の不安もある。

 ただ、新型コロナの影響による外出自粛期間中に漠然と浮かんだのが、東京五輪が無観客で実施されなくて良かったという点だ。侍ジャパンに選ばれるほどの一流選手であれば、満員の球場で己の力を発揮するのが通常の姿。見られてナンボの世界に慣れているだけに、無観客で本来のプレーができたかの疑問は残る。

 ボクも選手時代は日の丸をつけて、2013年に第3回WBCを経験。2次ラウンドの台湾戦では、土壇場で同点タイムリーを放ちチームに貢献できた。今、この瞬間を思い出しても鳥肌が出るほど、あの熱狂を忘れられない。

 日本での開催は、球場のほぼ全ての人が応援してくれる完全ホーム。これは、中日でも巨人でも経験できないことだった。球場全体が興奮のるつぼと化す光景は、もはや快感…。無観客ではなく来年の五輪で通常開催ができ、侍ジャパンの選手にはグラウンドで暴れ回り、そんな快感をぜひ味わってもらいたい。

 

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