mandom - 株式会社マンダム

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大林宣彦監督ご逝去の報に接し
代表取締役社長執行役員 西村元延 追悼の言葉

 大林宣彦監督のご逝去の報に接し、社員一同を代表し衷心よりお悔やみ申し上げます。

 1970年、当時の丹頂株式会社は変化する生活者ウォンツへの対応が遅れ、経営危機に陥ろうとしていました。そのような状況下、社運を賭した「マンダム」ブランドが誕生しました。
 大林監督にはその「マンダム」ブランドのTVCMの監督を務めていただき、当社の経営危機を救って頂いたと言っても過言ではありません。奇しくも「マンダム」ブランド誕生50周年の年に大林監督の訃報に接したことは残念でなりません。

 「マンダムを愛の世界の象徴として表現したい」という大林監督と「根源的な人類愛」を求める当時の西村彦次社長が深く共鳴、共感し、会社の未来を切り開くべく制作をお願いした「マンダム」ブランドのTVCMは、当時では考えられない現役ハリウッドスターの起用、海外撮影、そして「男の体臭」と銘打ったコンセプトと、何もかもが常識を覆すような取り組みでした。
 撮影現場で、主演であるチャールズ・ブロンソン氏の何気ない仕草から大林監督が生み出した「う~ん、マンダム」というフレーズは、その型破りなCMとともに瞬く間に認知を拡大しました。街中のいたるところで「う~ん、マンダム」が聞かれ、50年を経た今でも耳にするフレーズとなりました。「マンダム」ブランドも大ヒットとなり、翌年、丹頂株式会社から株式会社マンダムへと社名を変更するに至りました。

 以降もご縁は続き、当社の社員にご講演いただいたり、若者の創作活動を支援する「GATSBY学生CM大賞」に特別審査員としてご協力いただいたこともありました。審査員賞にインドネシアの学生の作品を選ばれ、「つい、ものを作る表現者は、自分好みの世界を作りたがるが、そうあってはならない。表現者は“あなたがいるが故に、我あり”でなくてはならない。受賞者の彼が作った映像は、”カメラの向こうのあなた”を尊重しようという空気感に溢れ、映像の背景にある日常の景色も優しさが滲み出ている。」という言葉を贈られていました。商品と人とのコミュニケーションには、生活者と信頼関係を築くことが大事であることを説かれ、社員のクリエイティブに対する心構えに良い影響を与えて頂いたことも感謝に堪えません。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

2020年4月13日
株式会社マンダム
代表取締役社長執行役員 西村元延