1251 イシクラゲ
公園の土の上、芝生の間、舗装道路の端っこのなどの、水が貯まるような湿っぽい場所で、こんな物を見たことはありませんか? うっかり足を載せると滑って転げる、ぬるぬるする海藻のような物体。 |
雨水を吸って膨らんでいる時は、触るとプニョプニュした弾力感。乾燥した時は干したワカメ状態。『おお~あれか!』と思い浮かぶ、絶対一度は見たことがあるはずの、物体です。 動物、植物、鉱物? その正体は、動物でもなく、植物でもなく、鉱物でもなく、クラゲでもない、イシクラゲ です。 |
ド・アップで、中味を透かして見たイシクラゲです。粒々が連なった様子が、念珠に似ているので、念珠藻と呼ばれて、藍藻というグル-プの一員です。しかし、藻と名前はついてはいますが、藍藻もそして念珠藻も藻ではありません。その正体は?なかなか謎深い生き物で、それは細菌です。 ではいよいよ正体の部に入ります。 今から30億年以上前。その頃の地球は、二酸化炭素が今の100倍は濃く、灼熱地獄。紫外線ほかが降り注ぎものすごく危険で、地表に生き物の姿無し。 過酷な環境でも平気なイシクラゲは世界中に生息していて、南極にも居る?ある?そうです。というわけで、例え、うっかり踏んで滑っても、決して怒ってはいけない。今日の我々があるのも全て藍藻様、イシクラゲ様ののおかげ。命の恩人。と、いう有り難い生き物がイシクラゲです。 |