渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

乗り屋談義 〜さらばヤキトリくん〜

2018年07月06日 | 公開情報





今の時代、尻から串刺しにされたようなヤキトリ
乗りがホントに多い。
どうしてこうも皆が皆ヤッキーになるのか。
古くから乗る乗り屋数名とヤッキーについて現代
バイク考として議論してみた。
特に目立つのが、大型自動二輪に乗るライダーた
ちに、焼き鳥乗りのヤッキーが多いことの理由を
探る事を通して。

結論的に見えたのは、大型自動二輪が教習所で簡
単に取れることが大きな悪影響を及ぼしているの
ではなかろうかということだ。
私個人は、モーターサイクルは排気量に関係な
く、「乗りこなし」の優劣こそ大事であり、学校
ではないのだから、「小中高大」という上級教育
機関への就学とは別次元にモーターサイクルの
技術は属するものだと認識している。
大排気量を運転出来る免許を持って大型車を乗る
奴が巧いのではなく、巧い奴は、50に乗ろうが
1300に乗ろうが巧い。
それは技術系の定理として明らかに存在するの
で、それを知っている私の中にはバイクについて
「ステップアップ」という概念はない。
大型乗れば巧いとか速いとかいう現実は存在しな
いからだ。巧い奴が巧いのであり、速い奴が速
い。
それは、オートバイは直線のみを走る車ではない
からだ。トライアルなどは典型だ。マシンをコン
トロールでき切る奴が巧い。直線速度は車なりで
しかないのだ。

で、ステップアップとは似ているようで、別な切
り込みの視点として、「十分に操縦感覚を身につ
けてから大排気量車に乗る」というかつての限定
解除が設定した教育システムが現在は不在となっ
たため、極端な話、50ccバイクさえ乗りこなせ
ない者たちがいきなり大型バイクに乗ろう、乗れ
るという環境が、全く二輪車を乗りこなせない
危険なヤッキー族の大量発生に繋がっているので
はなかろうかという推論で古い乗り屋たちと共通
認識をみた。
いわゆるバイクに乗っているのではない「乗せら
れている」あるいは、自分が「載っている」とい
う現実の現象を見せるライダーがとても多すぎる
現代は、そうした背景抜きにしては説明がつかな
い。

もう一つ、今はバイクブームではないので、漫画
やメディア等でもリアル系の表現物が不存在で、
脳内妄想爆発時代のため、「勝手な想像」で、オ
ートバイにライドすることを実行してしまう、と
いうことが挙げられるのでは、との指摘が古い乗
り屋からあった。
なるほど、これは一理あるかもしれない。

さらに、「全員が俺様大将で、ホントはまるで適
切ではないのに、『これでいいんだ』と自己納得
して進化を自分で止めて満足しているような人間
だらけになった時代背景もあるのでは」との指摘
もあった。
これなどは、私は完全に首肯できる。
このことは、オートバイのライテクだけでなく、
武術にもまったく同じ体たらく現象が現在では多
く世の中に見られるからだ。
抜刀納刀もまともに出来ない者が「師範」を名乗
っていたりしても、恥ずかしいという自覚さえ無
い。
まあ、そうしたヌルさが許容される時代。
ヘッポコがさも技法も高位にあるかのような虚偽
を並べている時代。
ああ、バイクの世界だけではないな、と痛感す
る。

オートバイのライディングにおいて、私が焼き鳥
乗りのヤッキーたちに警鐘を鳴らしているのは、
それはそれが二輪車の理にかなわぬ危険な乗り方
であるからだ。
また、ヤッキー乗りでは長距離も走れない。
ステアの仕事を無視してハンドリングを悪化さ
せ、荷重配分によるトラクション感知取得をゼロ
%のままアクセルを回すヤキトリ乗りがどれ程危
険なことであるのか。

オートバイは、どんな形状のどんな機種でも、共
通する運転操縦技術がある。
それは、体重移動と荷重配分の適宜変化、そして
「抜重」だ。
下半身でバイクを扱わず、上半身に力を入れまく
りでガチガチのヤッキー乗りは、それは二輪車を
ライディングする要素が一つもない。腕相撲じゃ
ないんだから、バイクに乗るのは。

これ、実は剣術や体術にも非常に似ている。
懐深く上半身がリラックスして肩張らず柔軟な体
勢で瞬時にどんな動きでも対処できないと剣は使
えない。
ガチガチ上半身の者は、バイクでの直線番長のよ
うに車なり=刀任せのことしか出来ないので、
ただでかい刀を持てば力量が向上したかと思い込
んで偉そう大将となり進化を自ら止める。
オートバイのヤキトリたちは、日本刀を持って
いい気になってる「出来ない奴ら」によく性質が
似ている。
ま、有り体に言えば「ヘッポコ」。

それでも、1980年代90年代初頭には、ロケット
のような2ストマシン等を乗りこなす連中はフツ
ーに全国にゴマンといた。
昨日紹介した、2ストレーサーレプリカに乗って
ビビりまくって「無理無理無理。俺は無理」と
車を路肩に停車させてしまうような話にならない
のは「ライダー」と自分では名乗れなかった。
ところが今は、バイクに跨って転がしていれば、
誰でも「ライダー」なのだそうだ。

とりあえず、焼き鳥乗りはやめたほうがいい。
とにかく「危険」だからだ。
乗れる乗り屋たちのフォームが、なぜ一様に共通
した要所を外していないライディングフォームな
のか、よくよく吟味して工夫されたし。

お手本となる乗れるライダーのフォーム。

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