中国の独身女性、海外の精子バンクでドナー探し 「白人」が人気
【4月4日 AFP】子どもの写真を次々と見ていたシャオグンシュさん(39)は、濃い青色の目をした笑顔のフランス系アイルランド人の少年の写真が載ったページで手を止めた。シャオグンシュさんが見ているのは恋人の家族アルバムではなく、精子ドナー候補のカタログだ。
中国では、夫はいらないが、子どもは欲しいと思う裕福な独身女性が増えており、シャオグンシュさんもその一人だ。
だが、中国では未婚女性が精子バンクを利用したり、体外受精を行ったりすることはほぼ認められておらず、選択肢を海外に求めることを余儀なくされている。
シャオグンシュさんがドナーに選んだのは番号「14471」だった。シャオグンシュさんは早速渡米し、治療を始めた。
悪い意味で注目されないようブログで使っているハンドルネームでAFPの取材に応じたシャオグンシュさんは、「結婚しないため、(出産という)基本的な生物学上の使命を果たせない女性はたくさんいる」と語る。「でも、別の道が開けるのを感じた」
シャオグンシュさんは、フランス革命を描いた漫画のキャラクターにちなみ、現在9か月の赤ん坊にオスカルと名付けた。
■高学歴・専門職女性に対する差別も
中国の婚姻率は過去5年間、減少を続けている。公式の統計によると、2018年の1000人当たりの婚姻件数はわずか7.2人だった。
社会学者のサンディ・トウ(Sandy To)氏によると、高学歴で専門職に就いている女性は配偶者を求める際に「差別」に直面する。男性は結婚相手の女性が、自分よりも高学歴または経済的に成功していることを受け入れがたいのだ。
だが、パートナー探しに苦労した、あるいは単純にパートナーが見つけられなかったという理由だけで、母親になるという選択肢を取り上げられるのはおかしいと多くの女性は感じている。