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文芸スレこのスレは古いので、もうすぐ消えます。
怪文書SS雑談総合スレ
… | 1無題Nameとしあき 20/04/11(土)18:01:39No.12881969+先週立てられなくてすまない… |
… | 2無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:37:31No.12882951+>先週立てられなくてすまない… |
… | 3無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:38:01No.12882955+今から投稿します |
… | 4無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:38:28No.12882959そうだねx1「もうダメだ!終わるわけがないこんな量の仕事!!」 |
… | 5無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:38:57No.12882962+自暴自棄の果てのなけなしの抵抗の言葉も、八千慧の持つ魔力の籠った一言一句の前にはたやすく蹴散らされた。そもそも明らかに八千慧は、にとりよりも格上の妖怪なのである。 |
… | 6無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:40:04No.12882969+「わ、分かりましたよ……。ただ、私の計画が成功したアカツキには約束をちゃんと守ってくださいね」 |
… | 7無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:40:21No.12882973+そう言って八千慧はオフィスから出て行った。その後ろ姿を見ながら、にとりは深々と溜息をついた。 |
… | 8無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:40:42No.12882977+一ヶ月ほど前、にとりは逝去していた。理由は単純である。実験に失敗し、肉体が木端微塵に四散したのだ。ちなみににとりの死に対し、彼女の同胞や家族らは、「いつかはやると思っていた。むしろ長生きした方だと思う」・「十銭の貸しを返さずに死んでいきやがった。保険屋に行ったら自爆は適応外と言われた。ちくしょー」・「どうしてもっと早く生命保険をかけておかなかったのだろう。大事な娘なのだから、保険料が高くてもかけておくべきだった」などのコメントを残した。これらの発言が文々。新聞に掲載されると「故人の人柄がうかがえるよいコメントだ」との反響があった。 |
… | 9無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:40:58No.12882979+しかし、ここは幻想郷である。生前楽園で生きたのだ。その代償なのか、にとりは死後の安息というものを与えてもらえなかった。具体的に言うと、彼女は畜生界にぶちこまれた。本当は地獄行きでもいいくらいには、金銭絡みの悪行を積み重ねていたにとりだが、地霊殿で起きた異変の解決に貢献するなど、片手で数えられる程度のいくつかの善行を理由に多少刑罰は酌量された。にとりは、地獄よりかは手ぬるい、畜生界へと落とされることとなったのである。 |
… | 10無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:41:18No.12882984+「べ、別にいーもん。一人でも生きていけるもん」 |
… | 11無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:41:38No.12882985+「相互扶助組織ですよ。この畜生界は実力本位の世界。自分の身は自分で守らねばなりません。しかしたった一人で出来ることはタカが知れている。だからこそ、団結しなくてはならない。鬼傑組はそういった組織なのです。一人の一人は力は弱くとも、皆が皆手を取り合い、互いに力を合わせ、暴力の嵐が吹き荒れるこの畜生界で生き抜いていく。これこそが、鬼傑組の理念です」 |
… | 12無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:41:58No.12882990+(――おそらく、本心八割、欺瞞二割だ!そしてその二割は、私の身を破滅させかねないものだ!!格の高い詐欺師ほど、物腰柔らかく口調も丁寧だ。すなわち、人からの信頼を得て、そうして生じる心の間隙につけこむ能力が高い!!コイツもそうだ!コイツにはおそらく九分九厘の人間が、コイツの誘いに乗るだろう。薄々怪しいと思ってる奴でも、我が身可愛さで乗ってしまうだろう。だが私は違うぞ!私は、零分一厘の河童様だ!!) |
… | 13無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:42:14No.12882991+「うるさい!私に指図するな。これはこの私自身が決めたことなんだ!!」 |
… | 14無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:42:49No.12882994+(おそらくほんの少しでも弱気を見せれば一瞬で敗れる。コイツの気はそれほど圧倒的なものだ。もしやすると……妖気でも込められているのか?) |
… | 15無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:43:23No.12882996+「昔の知り合いに、便利な能力を使える妖怪がいてね。物の重さを自在に操ることが出来る。今回はその能力と、私自身の能力を組み合させてもらった」 |
… | 16無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:43:45No.12882999+冷水を浴びせかけられ、にとりは目覚めた。 |
… | 17無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:44:19No.12883003+「はあ、ではお言葉に甘えて、単刀直入に言わせてもらおうか。私は、お前に命令を下したい。それは――大量破壊兵器の開発だ」 |
… | 18無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:44:41No.12883006+「出来るさ。これは各組織の最高幹部しか知らない極秘の話だが、実は畜生界には抜け穴があるんだ。本当に小さい穴だから、軍勢を送り込むことなど出来ない。人ひとりがようやく入れるだけ。それでも、チビのお前には十二分だろう?」 |
… | 19無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:45:03No.12883010+「ああ、邪神。それも肉体を持っているくせに内部はがらんどうというとんでもない連中だ。物理攻撃でなくては、ダメージを与えることすら不可能なのだよ。だから我々もすっかり困っていてだね」 |
… | 20無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:45:30No.12883012+こうしてにとりは、自分一人だけ生き返りたいがために、霊長園を木端微塵に破壊し尽くす兵器の開発が取り掛かった。だが、開発は遅々として進まず、結果八千慧による脅迫が行われるほどだった。 |
… | 21無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:45:50No.12883013+皮肉屋で吝嗇家で、性根のひん曲がったにとりだが、発明――ただこれだけには真摯な姿勢を取り続けていた。それは、にとりが本当に発明が大好きだったからである。かねてよりの情熱と、命がかかっているという極限の状況。この二つの要素が、にとりを加速させた。にとりはあの仮眠の後、ギリギリで設計図を書き上げ、成果物として八千慧に報告した。 |
… | 22無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:46:17No.12883017+「なるほどな。それで、この兵器は名前を何と言うんだ」 |
… | 23無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:46:38No.12883021+「邪神か。そうかもしれないな。だが私たちにとっては福の神さ。これでようやく、あの土くれどもを塵一つ残さず殲滅できる」 |
… | 24無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:47:00No.12883022+「ば、馬鹿な!そんなのありえないでしょ!この天才、河城にとり様が作った兵器だよ!そう簡単に同じものを作れるもんか」 |
… | 25無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:47:18No.12883025+「つ、つまり……」 |
… | 26無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:47:54No.12883030+破壊兵器があるのに使用は不可能。この新しい状況に対し、それでも八千慧は冷静に対処した。もっと小規模で、それでも埴輪たちにダメージを与えられる存在、人間たちを呼び寄せて、霊長園へと攻め込ませたのである。部下の動物霊たちの奮闘もあり作戦は成功し、邪神たちは打ち倒された。 |
… | 27無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:48:28No.12883032+実際にとりが畜生界を抜けだしてきてからも、彼女が作った負の遺産、核爆弾は残されたままなのである。 |
… | 28無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:49:00No.12883036そうだねx4「お前、まだ懲りてなかったのか……その調子じゃ半年後には、もう一回新聞に訃報が載るぜ」 |
… | 29無題Nameとしあき 20/04/11(土)22:49:50No.12883037+以上で終わりとなります |
… | 30無題Nameとしあき 20/04/12(日)10:20:14No.12884177+>以上で終わりとなります |
… | 31無題Nameとしあき 20/04/12(日)10:55:21No.12884259+>>以上で終わりとなります |