【海上保安新聞】
海上保安庁は西之島(東京・小笠原諸島)を上空から9日に観測し、灰色の噴煙が高度約1000㍍まで上がっていることを確認した。溶岩は火口丘の北東側中腹から北岸へ約1㌔にわたって流下し、海に流入している。#海上保安庁 #海保 #海猿 #トッキュー #巡視船 #飛行機 #ヘリコプター
元気いっぱい西之島「連続噴火で噴煙1000m」爆発的噴火に移行するか?(動画)
昨年12月に噴火を再開して以来、現在も活動を続ける小笠原諸島の西之島について海上保安庁は今月9日、上空からの観測を実施し、前回観測を行った2月のときより、火山ガスの放出量が増加し、マグマの供給が衰えていないようすを確認した。今後は小規模ながら爆発的噴火に移行する可能性があるという。
新たな溶岩流も
今月9日に上空から観測した海保によると、西之島の中央火口では噴火が絶え間なく続いていて、灰色の噴煙が上空1000メートルの高さまで上昇しているのが確認されている。
これまでの観測と同様、中央火口の北東側から流れ出した溶岩流が北岸と東岸の浅瀬に流れ込み、先端からは白い水蒸気が上がっていたが、今回は新たに火口の南西側の中腹からも溶岩流が確認された。これは地球観測衛星だいち2号の観測データとも一致している。
「2月より火山ガスが多い」専門家
島を取り囲む西岸から北岸、東岸にかけての一帯では、黄緑色の変色した海水が広がっており、火山から流出する熱水やガスに含まれる金属や硫化水素などの成分が海水中の成分と化学反応を起こしていると見られている。
観測機に同乗した東京工業大学理学院火山流体研究センターの野上健治教授は現在の西之島について、「連続的な噴火は、地下から上昇するマグマの先端が山頂火口まで達していることを示している。二酸化硫黄を含む火山ガスの放出量が2月より増加している」と指摘。
しばらくは継続し小規模爆発へ
さらに地下深くから上昇するマグマの供給量が減っている兆候は認められないとして、「しばらくは現状の活動が続き、その後は小規模ながら爆発的噴火に移行する可能性がある」と分析している。
島の北岸に流出している溶岩流が浅瀬を着実に埋めていることから、面積の拡大もしばらく続くとコメントしている。
海保は付近を航行する船舶に対して、西之島の半径2.6キロ(1.4海里)以内を警戒範囲として注意を呼びかけているほか、先月の調査時に変色水が確認された島の南方9キロ付近についても注意喚起を促している。