火山
火山もないのに…火を噴く地割れ 中国シルクロードで見つかる
2020年02月08日 06時00分
環太平洋火山帯に属する日本列島と異なり、中国大陸では北朝鮮との国境地帯にある白頭山を除けば、火山活動のニュースはほとんど聞かれない。このたび、シルクロードの入り口にあたる新疆ウイグル自治区で、火が噴き出す穴が見つかった!
世界の火山活動を記録する米スミソニアン自然史博物館の「全地球火山活動プログラム」によると、中国でもチベット高原の崑崙(こんろん)山脈の火山が1951年に噴火した例はあるが、それ以外の比較的新しい火山活動というと、ロシアとの国境に近い黒竜江省の五大連池で18世紀に溶岩流が発生した記録などが知られるくらいで、ほとんどが休火山状態だ。
穴の内部は790℃以上
ところが中国共産党の機関紙『人民日報』によると、新疆ウイグル自治区ウルムチ市郊外の西山地区で最近、直径150メートルほどのくぼ地が見つかり、その内部では790℃以上の高温の地熱が発生し、赤い炎が噴き出していることがわかった。
地獄の釜か?
当初、地元の人々はノンキに暖を取っていたが、火山活動ではないかという噂を聞きつけた地質学者が現地調査を実施。その結果、地下深くの石炭層が自然発火し、上部の岩盤が崩れて、煙突のように熱と炎を噴き出していることが明らかになったという。
「燃えるクレーター」と呼ばれる現象は、インド東部のジャリア(Jharia)という石炭資源が豊富な街でも有名で、1916年以来、100年以上にわたって地下で火が燃え続けていることから「地獄の釜の炎」として恐れられている。